橋を渡る の商品レビュー
大切な人の不倫、不正、裏切り。正義によって裁くか、見ないふりをするか。やさしさに流されてきた3人の男女が立ち止まるとき-。新次元の群像ドラマ。 3人の主人公のそれぞれの物語は吉田修一らしく巧みに描かれていると思った。ところが最終盤でのこの展開は…何と言ったらいいのか。もう少し何...
大切な人の不倫、不正、裏切り。正義によって裁くか、見ないふりをするか。やさしさに流されてきた3人の男女が立ち止まるとき-。新次元の群像ドラマ。 3人の主人公のそれぞれの物語は吉田修一らしく巧みに描かれていると思った。ところが最終盤でのこの展開は…何と言ったらいいのか。もう少し何とかならなかったのか?と思った。残念。 (C)
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#読了。連作短編。 ビール会社の営業課長、都議会議員の夫をもつ妻、婚約者の元彼を疑うTV局ディレクターと、それぞれに主人公を変え実際の出来事(東京都議会のセクハラヤジ問題、ママラさんのノーベル平和賞など)を交えて物語は進む。 春・夏・秋ときて、この先どういう展開で収束するのだろう...
#読了。連作短編。 ビール会社の営業課長、都議会議員の夫をもつ妻、婚約者の元彼を疑うTV局ディレクターと、それぞれに主人公を変え実際の出来事(東京都議会のセクハラヤジ問題、ママラさんのノーベル平和賞など)を交えて物語は進む。 春・夏・秋ときて、この先どういう展開で収束するのだろうと思っていたら、かなり意外な展開。好みが分かれるだろうが、SF系があまり好きではないのでもったいなく感じた。自分が正しいと思うから何かを疑い、そして疑い続けると時として暴走してしまう。人の怖さのようなものがひしひしと伝わってきた。
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なんかやっちまったな吉田修一感が半端ないって言うか、俺が吉田修一に求めてるものとかけ離れててついて行けないって言うか、普通に面白くないって言うか。確かに一気読みしたよ、この後面白くなるかなって。新境地なのかな。でもそんなに面白く無かった。
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吉田修一のエッセンスを凝縮したような連作をSF仕立てで。日常のすぐそばには思いもよらない非日常がある。そこに踏み込むか否かは自分次第。どちらにするかは自由だが、自由には責任が伴う。そして、時間は戻らない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第1章 春-明良、第2章 夏-篤子、第3章 秋-謙一郎、それぞれの季節、彼らに起こった出来事。不実を、不正を、裏切りを彼らは正義で裁くのか、見て見ぬふりをするのか… 第4章 そして、冬 ばらばらに思えた彼らの物語がが繋がるとき…あの選択は正しかったのか? 橋を渡ってあの時にもどり、未来を変えられるのか。 第4章で描かれた70年後の世界は人間のエゴに溢れ、醜く、嫌らしい。 こんな未来なら欲しくない。読んでいて、無性に昭和が懐かしくなった。 色々なことが、もう変えられないのか、今ならまだ引き返せるのか… 「橋を渡る」は現在と未来の間に架かる橋なのかな? 凜は篤子の、響は歩美の未来を変えられたけど、謙一郎は間に合わなかった… 私たちは、今、未来を考えて選択していかないといけないのではないか。謙一郎のように、橋を渡って戻ってくることはできないのだから… 果たして、70年後にサインは存在するんだろうか?
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2016.6.20.甥孝太郎を預かる明良、歩美夫婦。歩美はギャラリーを経営している。最近、朝比奈達二という青年に自作を見てくれとつきまとわれている。そんな折、二人の自宅の玄関先に奇妙な物が置かれるようになる。ー春-明良、あまり正義感が強くない都議会議員を夫に持つ篤子。セクハラヤジ...
2016.6.20.甥孝太郎を預かる明良、歩美夫婦。歩美はギャラリーを経営している。最近、朝比奈達二という青年に自作を見てくれとつきまとわれている。そんな折、二人の自宅の玄関先に奇妙な物が置かれるようになる。ー春-明良、あまり正義感が強くない都議会議員を夫に持つ篤子。セクハラヤジの犯人が夫ではないかと思い悩む。ー夏-篤子、薫子との結婚を二カ月後に控えたテレビ番組記者謙一郎。自分は正しい道を歩んでいると自他共に認めるが、薫子の不穏な行動に悩まされる。秋ー謙一郎、そんな三人を主人公にした連作短編集が、そして、冬で収束される。一つ一つのエピソードが中途半端に終わっていて、そこから先がとても気になった。結局、そして、冬で客観的に語られるのだが…。ちょっと難しかった。亜弥ちゃんママはどうなったんだろう。
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最終章いる? もうこの手の展開お腹いっぱいなんです。 近未来ネタいらないよ。 吉田修一らしい冬を描いて欲しかった。 完全にエンタメ作家めざしてるの? 文章力抜群なのに… どうして無駄に大風呂敷広げちゃうんだろう。 もっと普通でいいのに。 秋?だったかな。 謙一郎のストーリーな...
最終章いる? もうこの手の展開お腹いっぱいなんです。 近未来ネタいらないよ。 吉田修一らしい冬を描いて欲しかった。 完全にエンタメ作家めざしてるの? 文章力抜群なのに… どうして無駄に大風呂敷広げちゃうんだろう。 もっと普通でいいのに。 秋?だったかな。 謙一郎のストーリーなんて抜群に良かった。 生まれた時からまっすぐに生きてきた人間がつまずいたときの脆さ。 想像を超える展開にハッとなる。 こんなに巧いのにいきなり近未来? いやー、もったいないでしょ。 そんな感想でした。
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この作品は登場人物達の家系図や関係性をキチンと覚えておかなければ、途中で解らなくなってしまう。最終章では点と点が線となって登場人物達が繋がる。自分たちの子孫、近未来の時代、アート作品の価値、人類の為の細胞研究の行末。この結果を知るには時間がかかる為、見届ける事が出来ない。何かが間...
この作品は登場人物達の家系図や関係性をキチンと覚えておかなければ、途中で解らなくなってしまう。最終章では点と点が線となって登場人物達が繋がる。自分たちの子孫、近未来の時代、アート作品の価値、人類の為の細胞研究の行末。この結果を知るには時間がかかる為、見届ける事が出来ない。何かが間違ってしまうと、未来が狂ってしまう。でも、現時点では何が正しくて何が正しくないのかが判らない。登場人物の現在と近未来の場面での懸け橋が絶妙でラストは読み手側の解釈で決めて良いと思う終わり方は吉田さんらしいなぁ、と。
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最後の章だけ気持ちがついていけなかった。そこまでは発熱しながら読んでいたのに。うすっぺらい近未来。必要だったかな、それ。新しいことしてみたかったのかな。そう思わせてしまうのが悲しい。最初の雰囲気のまま突っ走ってほしかった。パレードのように。
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あぁ、そういえばこんなことあったなー と、すっかり忘れていた時事ネタを思いだし こうやって忘れてしまうことが 当人たちにとって都合がいいのだろうなぁ と改めて感じ、それにしても面白かった。 評価を見るとハマる人と、ハマらない人と はっきり分かれるようですが 私はしっかりハマりまし...
あぁ、そういえばこんなことあったなー と、すっかり忘れていた時事ネタを思いだし こうやって忘れてしまうことが 当人たちにとって都合がいいのだろうなぁ と改めて感じ、それにしても面白かった。 評価を見るとハマる人と、ハマらない人と はっきり分かれるようですが 私はしっかりハマりました。 一気読みです。 ほんと、いろいろ考えさせられました。 『正しい』選択ってなんだろう? 冬に至っては近未来、サインたちの残酷な 待遇の切なさに 「私を離さないで」を彷彿しつつ ウルウルしてしまいました。
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