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学びとは何か 〈探究人〉になるために の商品レビュー

4.2

66件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2019/01/02

「言葉と思考」を先に読んだ。以前の筆者の本を材料にした、とあとがきに書かれていたが、この本には、スキーマ、知識ドネルケバブ・モデル、など切り口を変えた説明をされたように思った。よりフックを効かせたという印象。ただ、先に読んだものの方が自分にはしっくりきた。別にテキストマイニングに...

「言葉と思考」を先に読んだ。以前の筆者の本を材料にした、とあとがきに書かれていたが、この本には、スキーマ、知識ドネルケバブ・モデル、など切り口を変えた説明をされたように思った。よりフックを効かせたという印象。ただ、先に読んだものの方が自分にはしっくりきた。別にテキストマイニングに触れる機会があり、どう言葉を認知するかに興味があったからかもしれない。

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2018/11/20

学びとは、単なる物事の暗記でなく、活用できるレベルまで物事を理解し、そうして得た知識をアップデートし続けること。学びの結果、何かに熟達すれば、脳にあまり負担をかけず、適切な判断や行動ができるようになるとのこと。人は学ぶとき、自分の中にスキーマをつくりながら(一般化しながら)知識や...

学びとは、単なる物事の暗記でなく、活用できるレベルまで物事を理解し、そうして得た知識をアップデートし続けること。学びの結果、何かに熟達すれば、脳にあまり負担をかけず、適切な判断や行動ができるようになるとのこと。人は学ぶとき、自分の中にスキーマをつくりながら(一般化しながら)知識やスキルを習得するが、それと合わない事実がでてこれば、スキーマをアップデートする柔軟さも同時に必要ともこと。 そんな学びをするために、修練を繰り返すことや、粘り強さを持つことなどに加え、適切なエピステモロジー(知識についての認識)をもつことも挙げられていた。つまり、そもそも世の中の物事にひとつの正解があるという前提ではなく、ある条件下で判明したさまざまな結論の中で適切と思われることを選択する必要があるという価値観をもつことが大事だそうだ。 とはいえ、母語の習得から、将棋などのスキル習得、アクティブ・ラーニングなど、この本で扱う学びの対象が広く、頭がついていかない部分もあった。

Posted byブクログ

2018/08/25

子どもの母語獲得の過程の解説は大変興味深い。 母語を獲得するが故に、外国語の習得が制限される。これは腹落ちしやすい、普通の論理展開だと思うが、解説は丁寧。 一方で何ヶ国語も操る人も多いので、このメカニズムは別に興味深いが、本著では特に説明なし。 全編を通じて著者の教育への真面目...

子どもの母語獲得の過程の解説は大変興味深い。 母語を獲得するが故に、外国語の習得が制限される。これは腹落ちしやすい、普通の論理展開だと思うが、解説は丁寧。 一方で何ヶ国語も操る人も多いので、このメカニズムは別に興味深いが、本著では特に説明なし。 全編を通じて著者の教育への真面目な思いが伝わる。

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2018/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 子供は、新しいことばを覚えると、そのことばをさらに新しいことばの意味を推測するために使う。また、すでに知っていたことばの意味の修正にも使う。子どもはひとつの単語の意味を考えるとき、単語はいつも他の単語と関係づけられるものだと意識している。言い換えれば、子どもは小さい時からすでに、単語は語彙というシステムの中の要素であることを理解している。その上で、新しい単語を聞くたびに、そのシステムの中で整合性がとれるように単語の意味を理解しようとしているのだ。(p.58)  人が科学や外国語を学び、熟達していく上で大事なことは、誤ったスキーマをつくらないことではなく、誤った知識を修正し、それとともにスキーマを修正していくことだ。(p.93)  「学ぶ」ということは、あることに熟達し、達人の道を歩んでいくことである。その道を歩んでいく上で、スキーマを作ることは欠かせない。たとえ誤っていても、知識のシステムを素早く立ち上げるためにスキーマをつくる。しかし、スキーマが誤っている場合には、その誤ったスキーマを乗り越え、新たなスキーマをつくり直す過程を踏まなければならない。(p.94)  物理の熟達者の問題の解き方をひとことでいえば「自由自在」あるいは「臨機応変」だろう。この背後にあるのは、問題を読むと一瞬で「何が大事かわかる」という本質をつかむ力だ。一瞬で「本質がわかる」というのは、状況を一瞬で把握し、解くべき問題がなにか、そのために何をするべきかがわかるということだ。(p.103)  世界は客観的に存在しても、それを視る私たちは、知識や経験のフィルターを通して世界を視ているのである。聴くこと、視ることは私たちがもっとも多くの情報を得る経路である。聴いて記憶に取り込まれた情報、視て記憶に取り込まれた情報が、「解釈されたもの」であるとしたら、それを基盤に習得される知識もまた「客観的な事実」ではありえないのだ。(p.153)

Posted byブクログ

2018/03/05

認知科学の視点から見る学び。 まず著者は知識には大きく五つの種類があるとし、それらについての特徴や違いについて言及する。自分の身につけたい知識はどのような知識なのかをまじ見極めることが大事なのだと感じた。 断片的な知識でなく、知識システムを作り、それを常に本当に正しいものなの...

認知科学の視点から見る学び。 まず著者は知識には大きく五つの種類があるとし、それらについての特徴や違いについて言及する。自分の身につけたい知識はどのような知識なのかをまじ見極めることが大事なのだと感じた。 断片的な知識でなく、知識システムを作り、それを常に本当に正しいものなのか問いかけ修正していく。主体的に学ぶ。 何度も読み直したい

Posted byブクログ

2018/01/23

本書は、「学びの探求人」であろうとするときに役に立つ材料として、人の記憶や思考の仕方、心と脳の中での知識のあり方、新しい知識の獲得の仕方などについて、認知科学で明らかにされてきたことを伝え、そこから「よい学び」を考えていくためのヒントを提供することを目的としている。本書では、「学...

本書は、「学びの探求人」であろうとするときに役に立つ材料として、人の記憶や思考の仕方、心と脳の中での知識のあり方、新しい知識の獲得の仕方などについて、認知科学で明らかにされてきたことを伝え、そこから「よい学び」を考えていくためのヒントを提供することを目的としている。本書では、「学び」とは、たんなる知識の習得や積み重ね(知識のドネルケバブ・モデル)でなく、すでにある知識からまったく新しい知識を生み出すあくなき探究のプロセスであり、発見と創造こそがその本質であると主張される。 本書におけるキー概念の一つである「スキーマ」という概念が特に勉強になった。「スキーマ」とは、行間を補うために使う常識的な知識のことであり、子どもの母国語の習得の過程でも重要な役割を果たしているという。学びを通してある分野で熟達していく上で、誤った知識を修正し、それとともにスキーマを修正していくことが重要であるという指摘は心に留めておくべきことだと感じた。 子どもの母国語の習得の過程の解説も非常に興味深かった。生まれたときには乳児は自分の母国語になるはずの言語はもちろん、それ以外のすべての言語で使われるすべての音素の違いを識別できる能力を持っているといった事実は驚きだった。ただ、どの子どもも自然と母国語を習得できる(一方で大人になってから外国語を習得するのが困難になる)メカニズムが十分に理解できたとはいえないので、さらに詳しく知りたいと思った。

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2017/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幼児教育を生業とするものにとって、子どもが母国語を学習する過程や知識を、とくに「生きた知識」を身に付けるということがすごくわかりやすく、興味深かった。 また、最終章では「遊び」で学ぶことの大切さが書かれていて、保育をしてきた人達にとっては、自分だちは間違ってなかったと再確認できる内容だ。 自分はカタカナが苦手だが、「シェマ」「スキーマ」「エピステモロジー」を自分の「生きた知識」にしたい。 この先生のお話聞いてみたいな。

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2017/06/19

目次:はじめに、誰にでもできる研究、第1章 記憶と知識、第2章 知識のシステムを創る、第3章 乗り越えなければならない壁、第4章 学びを極める、第5章 熟達による脳の変化、第6章 「生きた知識」を生む知識観…他

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2017/06/05

2017/6/5 141.33||イ (4階哲学) 「学びの達人(探究人)」として紹介されている日本ラグビーに奇跡をもたらした監督 エディー・ジョーンズさんの「人間は、楽な方にすすみがちで変化することは難しいので、日々の生き方・考え方を変え、ほんの3~5%の小さな意識の変化を...

2017/6/5 141.33||イ (4階哲学) 「学びの達人(探究人)」として紹介されている日本ラグビーに奇跡をもたらした監督 エディー・ジョーンズさんの「人間は、楽な方にすすみがちで変化することは難しいので、日々の生き方・考え方を変え、ほんの3~5%の小さな意識の変化を生むことが、大きな違いを生む。」との言葉が印象的でした。

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2017/03/26

子供が母国語を覚える過程とケバブを通じて、正しい「学び」という行為を語る作品。 人が言語を習得するときには、単純に単語の意味を記憶するだけではなく、新しい単語を覚えると同時に、単語同士のつながりや使い方をシステム化しているそうだ。そして構築されたシステムにより、言葉を補うための...

子供が母国語を覚える過程とケバブを通じて、正しい「学び」という行為を語る作品。 人が言語を習得するときには、単純に単語の意味を記憶するだけではなく、新しい単語を覚えると同時に、単語同士のつながりや使い方をシステム化しているそうだ。そして構築されたシステムにより、言葉を補うための知識である「スキーマ」を養って行く。 スキーマは行間に隠された言葉の意味を推測し、知識の吸収を助ける役割を果たすが、その逆に固定観念による思い込みを助長する原因にもなり得る。したがって一度覚えた事柄であっても、必要に応じてそのシステムをバージョンアップする事が、いわゆる熟達者になるための学び方なのである。 結局の所、ケバブのように断片を集めただけの知識は使えませんよ、という話なのだが、じゃあ正しい学び方とは何なのか、わかったようなわからないような、面白かったような面白くないような… 熟達には程遠い自分にとっては、ケバブの断片が増えたような作品でした。

Posted byブクログ