象の墓場 の商品レビュー
コダックかな?家庭用のアナログの写真を取り扱う企業の マーケティング担当者が主人公。 業界は私の働くところとは全然違うけれど、 マーケティングって何をするところ?というのが、 物語を通して伝わってきます。 楡周平さんの作品は2作目 始めは世界観に追いつくのに時間がかかりましたが...
コダックかな?家庭用のアナログの写真を取り扱う企業の マーケティング担当者が主人公。 業界は私の働くところとは全然違うけれど、 マーケティングって何をするところ?というのが、 物語を通して伝わってきます。 楡周平さんの作品は2作目 始めは世界観に追いつくのに時間がかかりましたが、途中からは専門用語を読み飛ばしながら 読むことにしたので、大分楽になりました。 時代設定は今から2〜30年前の外資系企業。 40代の私はフィルムカメラから、プリクラ、APSフィルムなどの流行を見てきた立場。 街のお店も、カメラ屋さんでフィルムの現像をしていた時代から、年賀状の印刷をするようになった時代など、気がつけば色々と変遷が繰り返されてきました。 そんな企業の中の人が主人公の本作。 どこまでが真実かはわかりませんが、 社会の動向にアンテナを張り、自社のビジネスをどちらに持っていこうかという、主人公の気概を感じます。 特に気になったのはこんな点 ・サービスが民間に浸透するには、様々な方法があるけど、フィルムの場合は、街のカメラ屋さんが、一般人の駆け込み寺になっていたこと。 ・新しい製品を産み出すのには、時には新しく協業するメーカーとの関係性を築いたり、タイミングを読んだりするのも大事な仕事。 ・(個人的には趣味の英会話を習っているのですが)この作品にあるような会話を、英語でできるようにするのも勉強になるんじゃないかな。 中間管理職に求められるのは、 業務そのものを理解することに加え、 どの点で、経営にコミットするかなんだと思いました。うかうかしてられないぞっと。
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『象の墓場』楡周平 危機感と変革の必要性 ------------ 【物語】 ベストセラー小説家、楡周平さんの『象の墓場』は、2012年に経営破綻したアメリカのコダック社をモデルにした経済小説です。 ※作中は、ソアラという社名です。 コダックは、デジタル化の波に乗り遅れ、巨大...
『象の墓場』楡周平 危機感と変革の必要性 ------------ 【物語】 ベストセラー小説家、楡周平さんの『象の墓場』は、2012年に経営破綻したアメリカのコダック社をモデルにした経済小説です。 ※作中は、ソアラという社名です。 コダックは、デジタル化の波に乗り遅れ、巨大な帝国を失いました。 この小説が優れているのは、単に大企業の失敗を描いているのではなく、その失敗の裏にある組織の病巣と、変革の難しさを浮き彫りにしている点です。 ------------ 【コダックの教訓:なぜ巨人は滅びたのか】 コダックはフィルム事業で莫大な利益を上げていました。しかし、その成功体験こそが、彼らの未来を阻んだのです。小説では、その原因をこう描いています。 ①ライバルは業界の外にいた: コダックが戦うべき相手は、フジフィルムのような同業他社ではありませんでした。 デジタルカメラという新しいハード、画像を編集・共有するソフトウェア、そして人々のライフスタイルそのものの変化が、彼らのビジネスモデルを根底から揺るがしました。 ②危機感の欠如: 新しい技術への投資はしていたものの、それが既存のビジネスを破壊するほどの脅威であるという危機感が、経営層や組織全体に浸透していませんでした。 ③実行と修正の遅れ: 新しい事業を立ち上げても、収益性の高いフィルム事業と比較してしまい、迅速な実行、検証、そして修正ができませんでした。 ------------ 【組織が生き残るためのヒント】 『象の墓場』は、企業や組織が生き残るために必要な要素を教えてくれます。 ①視野を広げる: 自社の業界内だけでなく、外部の技術やトレンド、そして人々の生活様式の変化に目を向けること。 ②危機感を共有する: 経営層がどれだけ危機感を持っていても、それが組織全体に伝わり、行動に結びつかなければ意味がありません。 ③迅速な行動と修正: 完璧を求めすぎず、スピーディーに実行し、失敗から学び、軌道修正していくことが重要です。 ------------ 【読み終えて】 この小説を読むと、「利益にあぐらをかいていたら、いつか足元をすくわれる」という当たり前の教訓を改めて痛感させられます。 コダックの物語は、まるで他人事のように聞こえるかもしれませんが、私たちの仕事や日々の生活にも通じる部分もあるかもしれません。
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技術革新の波に飲まれた、世界的に有名なエクセレントカンパニーの終焉を、とても臨場感ある筆致で描かれた作品でした。 既存事業から新規事業への移行障壁は、確立された技術や熟成したビジネスモデルがある企業ほど高く、乗り越えることが外部 / 内部要因含め容易ではないことがよく分かりまし...
技術革新の波に飲まれた、世界的に有名なエクセレントカンパニーの終焉を、とても臨場感ある筆致で描かれた作品でした。 既存事業から新規事業への移行障壁は、確立された技術や熟成したビジネスモデルがある企業ほど高く、乗り越えることが外部 / 内部要因含め容易ではないことがよく分かりました。
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デジタルの時代でPCに膨大な写真が保存されているが、みんなで見るという行為はほとんどない。 銀塩写真で作ったふるいアルバムを見返すことはあるのにね。 本編を読んだ後に解説の最後に書いてあった事 印象に残ってます
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技術革新に対応できず飲み込まれた企業の話ではあるが、何よりも「変化」の難しさを強く感じた。 技術環境や市場環境の変化を強く感じ、危機感を何度も感じる状況下でありながら、株主/従業員/系列会社/取引先などを思うという大義名分のもとに、楽観視を強化し続けていく(続けざるをえない)大企...
技術革新に対応できず飲み込まれた企業の話ではあるが、何よりも「変化」の難しさを強く感じた。 技術環境や市場環境の変化を強く感じ、危機感を何度も感じる状況下でありながら、株主/従業員/系列会社/取引先などを思うという大義名分のもとに、楽観視を強化し続けていく(続けざるをえない)大企業のありかた。この結末を知っていれば、身動きのとれない大企業は何ができたのか。 変化を捉え、提言をし、イノベーションを起こそうという発言が、単に如何に重いものであるかを強く感じた。
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フィルムからデジタルへ。 コダック倒産の物語をモデルにしたフィクションの小説です。 安定の楡さん。やっぱ楡さんの小説、大好きだわ。 楡さんが小説家になる前にコダックで働いていたとは知らなかった。 どうりで話がリアルな訳だ。 この小説の内容は、どこまで真実だったんだろうかと考えて...
フィルムからデジタルへ。 コダック倒産の物語をモデルにしたフィクションの小説です。 安定の楡さん。やっぱ楡さんの小説、大好きだわ。 楡さんが小説家になる前にコダックで働いていたとは知らなかった。 どうりで話がリアルな訳だ。 この小説の内容は、どこまで真実だったんだろうかと考えてしまう。 フィルム時代には、エクセレントカンパニーだったコダックが 来たるべきデジタルの時代を予測しておきながら、 その時代への適応にことごとく失敗し、 最後は倒産してしまうという実話は、 テクノロジーが様々な業界に侵食している今、 どの業界の人も(もちろん、自分も)他人ごとではない。 明日には、自分が働いている業界が消滅するかもしれない。 そんな危機感と面白さの両面を含んだ世の中に自分たちは生きているんだと、改めて考えさせられた。 それにしても、主人公、未来を見通す力があり過ぎて、 こんな奴おるんかと思ってしまう。 まぁ、小説だからいいんだけど。 倒産したコダックに対して、もがき苦しみながらも生き残った富士フィルム。 似たようなテーマ感で、生き残った富士フィルム側の小説もあります。 (ただし、こちらはダイナミックさに欠けるストーリー展開。。) ※奇跡の改革 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4569768733#comment
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“実話”に着想を得ている物語で、非常に興味深い内容であると思う。 「歴史」とでも言えば、「遠い昔」というように思ってしまうと思うのだが、そういうモノに限らずに「自身の人生の時間」の中で、後から振り返って「あれば歴史上の大きな動きということになるかもしれない…」という動きは起こって...
“実話”に着想を得ている物語で、非常に興味深い内容であると思う。 「歴史」とでも言えば、「遠い昔」というように思ってしまうと思うのだが、そういうモノに限らずに「自身の人生の時間」の中で、後から振り返って「あれば歴史上の大きな動きということになるかもしれない…」という動きは起こっているモノだ。 本作『象の墓場』は、世界的なフィルムメーカーに勤める最上という会社員が主人公だ。1990年代から2000年代に入るまでの経過が描かれる。 1990年代から2000年代に入る頃というのは、“写真”というモノの在り方、存在感が人々の中でドンドン変わって行き、フィルムの会社のような企業のビジネスが大きく変わらざるを得なかった、或いは「古くからの写真フィルム関係のビジネスが倒壊」とでも言うようなプロセスが進んだ時期である。 作中、「フィルムからデジタルへの橋渡し」というようなことで、最上達は色々なことを試みる…が…「成功」というようなモノから見放され、社会がドンドン変わって行く…作品の冒頭と、作品の末尾とで最上は新聞社の写真部員であるカメラマンと話すのだが、この対話が作中で描かれた1990年代から2000年代に入る頃の「変化」を如実に表すものかもしれない。そしてこの間に最上達の「苦闘の日々」が描かれる。 ハッキリ言えば…作中の世界的大企業のようなフィルムメーカーが辿らざるを得なかった運命、様々な模索が巧く運ばない他方でドンドン進んだ時代の変化というようなモノを、「自身の人生の時間」の中での経験として承知している。それでも本作は眼が離せなかった…と言うのは、「技術と人間と」とでもいうような、非常に大きなスケール、普遍的なことに想いを巡らせざるを得ないからだ。読後に深い余韻が残った。 なかなかにお薦めな感じの一冊だ!
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コダックがデジタル化の趨勢についていけず右往左往する様を書いた小説。読みながら、京都の印刷会社が電子化の波に必至にくいついていこうとあがいた「活字が消えた日」を思い出した。あの本で印象深い「谷間の繁栄」がここでは銀塩写真。
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その後どうなるか 分かってみると なんで もっと 違う方法を 取らなかったのかな 馬鹿だな。と思うのですが その当時の人たちは ミライなんて 分からない。 こうなるだろうと薄々わかっても 変えられない。 わたしも 10年後の 人たちに なんで やらなかったのかと 問われる時が ...
その後どうなるか 分かってみると なんで もっと 違う方法を 取らなかったのかな 馬鹿だな。と思うのですが その当時の人たちは ミライなんて 分からない。 こうなるだろうと薄々わかっても 変えられない。 わたしも 10年後の 人たちに なんで やらなかったのかと 問われる時が 来るのでしょうね。
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