象の墓場 の商品レビュー
話の展開からすぐにK社であることが分かり、結果も分かっていたせいか、常に暗い展開が予想されたため、ページを捲る手も自然と重いものになってしまいました。 現実をこれでもか!というほど突きつけられ、気分が重くなりましたが、そういう意味ではリアリティはあったのだと気づきます。 主人...
話の展開からすぐにK社であることが分かり、結果も分かっていたせいか、常に暗い展開が予想されたため、ページを捲る手も自然と重いものになってしまいました。 現実をこれでもか!というほど突きつけられ、気分が重くなりましたが、そういう意味ではリアリティはあったのだと気づきます。 主人公が途中で転職しては事の顛末が描けないからいつまでもソアラ社にい続けたのは仕方のない話ですが、ここまで将来の展望を見通せるのならば、自分ならば最初にデジタルから撤退した時期に退職しているだろうなと思いました。ただ実際問題として、まさかこの巨大な船が沈むはずがないという楽観は誰の心にもあるのだと思います。 歴史が教えるように、レコードはCDに、ビデオテープはDVDにあっさり取って代わりました。なぜ銀塩カメラだけは大丈夫だと考えたくなってしまったのでしょうか。茹でガエルの例えではないですが、巨大な風呂釜に浸かっていると、ジワジワ周りから危機が迫ってきていても自分は大丈夫。まだ大丈夫だと思ってしまうのかもしれませんね。 「強い者が生き残るんじゃない。環境に適応した者が生き残るんだ」という生物学の命題はここにも当てはまるようです。
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コダックか? 銀塩写真が、ほぼ、あっという間に産業として事実上消滅したわけだが、そのプロセスの渦中にいたマーケッティング担当者に仮託して、イノベーションと企業の関係をビビッドに描いている。 販売やアライアンス、規制当局との交渉に関して、かなりリアルなエピソードがちりばめられている...
コダックか? 銀塩写真が、ほぼ、あっという間に産業として事実上消滅したわけだが、そのプロセスの渦中にいたマーケッティング担当者に仮託して、イノベーションと企業の関係をビビッドに描いている。 販売やアライアンス、規制当局との交渉に関して、かなりリアルなエピソードがちりばめられているようだ。
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