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ムーンナイト・ダイバー の商品レビュー

3.7

61件のお客様レビュー

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2024/10/11

震災後の原発近くの海を潜るダイビングインストラクター舟作。 自分が生き残ってしまったことに罪悪感を抱き、震災から多くの人の「死」に囚われ「死」に浸ってていたけれど、人々の遺品を捜索することにより、「死」から少し離れたところから見つめることで、「生=性」を渇望することができるように...

震災後の原発近くの海を潜るダイビングインストラクター舟作。 自分が生き残ってしまったことに罪悪感を抱き、震災から多くの人の「死」に囚われ「死」に浸ってていたけれど、人々の遺品を捜索することにより、「死」から少し離れたところから見つめることで、「生=性」を渇望することができるようになったのかな、と思う。 指輪が見つかり、海の底で多くの人に「生かされた」とこに気付けたことで舟作の中で「性」と「死」が密接に寄り添う透子との関係が昇華され、最後に「生きる」希望のようなものを取り戻せたように感じる。 ダイビングの描写はナイトダイビングの暗く深く静かな様子が伝わってきて、また潜りたくなる。 舟作が日中の海を空に見立てて、飛んでいると表現するところや、暗い海の中に中性浮力で漂う時、魂になったような感覚になるとそろはダイバーなら容易に共感できるのではいのだろうか。

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2024/08/30

3.11後のフクシマを舞台に立入禁止の海域に潜るダイバーの物語。 身近な人の死と、自分が生きている理由を問いかけながら日々過ごすことはどれだけ辛いことだろうかと想像しながら読む。 「形あるものには限りがある」ということをぼんやり考えた。 気付けば3.11から10年以上が経過して...

3.11後のフクシマを舞台に立入禁止の海域に潜るダイバーの物語。 身近な人の死と、自分が生きている理由を問いかけながら日々過ごすことはどれだけ辛いことだろうかと想像しながら読む。 「形あるものには限りがある」ということをぼんやり考えた。 気付けば3.11から10年以上が経過してしまった。 離れた場所で暮らす私からするともう10年という思いが強いけれど、きっと現地ではまだ10年という思いを抱えている人は沢山いるだろう。 深く静かな海底を感じ、どことなく息苦しさをも感じた。

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2023/09/12

108震災後の癒えない痛みや苦しみの重さは、それぞれに異なるけれど、今生きている人が元気で笑っていることが大切だと思わせる。忘れずに前向きに、言葉では簡単だけれど難しい。でも幸せになる権利は誰にもある。

Posted byブクログ

2022/11/30

永遠の仔にどハマりして以来の天童荒太さんファンです。 重いテーマながら人間味を感じる人物描写が素敵で、するする読み進めることができました。 モヤッとしたところもありますが、それもまた現実味があって良いのかと。

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2021/12/11

震災に絡んで福島の海に潜る話。色々、感じさせるところもあって良い小説だったけど、たぶんその重みを理解しきれなかったと思う。

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2021/07/11

知らないうちに天童新太さんの新作が出て、随分の時間がたっていました。作家として、東日本大震災の福島を取り上げなければならない使命を感じたことと思います。震災後の福島という具体的な設定が、ストーリーを制約してしまった感もあります。

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2021/08/30

これ以上ないくらい気持ちをゆさぶられ、感情をかきたてられ、叫びたくなる。大切な人を失った後の気持ちの整理がつかない、その状況になんともいえなくなる。自死遺族の知り合いの、つらさや苦悩の投稿を思い出す。愛されているのに、他の人にひかれる気持ち。生と、性。 過去、現在、未来、すべてう...

これ以上ないくらい気持ちをゆさぶられ、感情をかきたてられ、叫びたくなる。大切な人を失った後の気持ちの整理がつかない、その状況になんともいえなくなる。自死遺族の知り合いの、つらさや苦悩の投稿を思い出す。愛されているのに、他の人にひかれる気持ち。生と、性。 過去、現在、未来、すべてうばった震災。。。 やさしくなでてくれるような文章。 私にとって、大切な本です。

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2021/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

天童荒太 3作品目。 東日本大震災から5年、原発近く汚染が懸念され立入禁止の海に潜り遺品を探す物語。 「なぜあれが起きた?どうして俺が残った?」主人公の声にならない叫びが、”答え”も”問い”もない時間だけが続く。この物語からさらに5年たった今日、復旧は続いているが、震災前に戻れない気持ちだけが残る。 メディアが伝えた震災と、メディアが伝えきれなかった災害と、原発事故とその真実。壁のような堤防と空地の残る住宅街。まだ「終わっていない」という現実が、傷の深さと失ったものの大きさを実感させる。 「私は、神様、いると思っているからね。」主人公に投げられた奥さんの一言が、胸に刺さる。苦しい思いをしても、生き残った者は前を向いて生きていかなきゃ。沈んでいる場合ではないと。 つらい思いを抱えながらも、救いや癒しが得られるんだ!という気にさせられます。 時と共に忘れられていく被災地の姿。毎年、3.11になって、初めてその日を思い出す。原発被害が怖くて計測器を片手に、風向きを確認していた”あの日”を。東京からの脱出まで考えた”あの日”は何だったんだろう、と。そして、その陰で、すべての被害者を見捨ててしまった、東京人。 死者の時間は止まるが、生きている者は時間が進んでゆく、離れてゆく。そのズレは哀しく、残酷だ。”死”を受け入れることは、簡単ではない。生き残った者には、どれだけの試練が課せられるのだろうか。 私たちは、私は、いつになったら、震災を受け入れることができるのでしょうか?

Posted byブクログ

2020/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想を書くのに躊躇して、読後かなり時間が経過してから書いています。 私は好きになれなかったです。 テーマなどは、私たちが忘れてはならないあの日、そしてその後を生きてきた人たちの思いや生き方、抱えてきたものなどとても感慨深く、重さもあるけれど一歩一歩前へ進んでいく人たちを描いているお話だと思いましたし、その部分はとてもよかったのですが、いかんせん主人公の人柄が好ましくありませんでした。 女性をなんだと思っているのか。 生と死、そしてそれらな性が隣り合わせなのは理解できますが性的描写がこんなに必要なのか、そして彼が誠実なのかと思っていただけに、傲慢で高圧的な考え方が単純に不愉快でした。 依頼人が女性でなかったら…と考えさせられてしまう時点で醒めてしまい、テーマがテーマだけに不愉快な感想を持つ自分が人としてどうなのかと考えたりもしましたが、自分は好きではないんだというところに落ち着きました。

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2020/01/05

実際にこういう人がいるのだろうか? いても、小説通りの立場なら、絶対に表立ってはこないだろうけど。 いろんな事が変わってしまったのに、変わっていないふりをして生きていくのは、自分が望む形なのか?という問い。 11月22日5:58AM 震度5弱の地震。福島で60㎝の津波が観測された...

実際にこういう人がいるのだろうか? いても、小説通りの立場なら、絶対に表立ってはこないだろうけど。 いろんな事が変わってしまったのに、変わっていないふりをして生きていくのは、自分が望む形なのか?という問い。 11月22日5:58AM 震度5弱の地震。福島で60㎝の津波が観測された。5年経ち、また思い出す。

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