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異類婚姻譚 の商品レビュー

3.1

241件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    101

  4. 2つ

    35

  5. 1つ

    12

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2021/06/16

穏やかな日常、でも見方を変えるととても不気味な日常。ラストは予想外でゾクッとしたけど記憶に残る強さがありました。 読んだ後に色々考えさせられる、しっかりメッセージの伝わる小説です。おもしろかったです。 また、この本には異類婚姻譚とは別に短編が3つ入っています。そちらは2つめま...

穏やかな日常、でも見方を変えるととても不気味な日常。ラストは予想外でゾクッとしたけど記憶に残る強さがありました。 読んだ後に色々考えさせられる、しっかりメッセージの伝わる小説です。おもしろかったです。 また、この本には異類婚姻譚とは別に短編が3つ入っています。そちらは2つめまで読んだら、ほんとに怖くなってきて読むのやめました。。

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2021/04/03
  • ネタバレ

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表紙の置物いいすね。スナフジタて人の作品。いやげものスレスレのセンス。表題作は何となく夏目漱石の夢十夜を思い出した。結末のせいですが。

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2021/03/13

今村夏子の分からなさがクセになってしまう、と言うと 友達から本谷有希子の異類婚姻譚も似たような分からなさがあるよ、と勧められて手に取った。 確かに、不気味な話である。 夫婦がだんだん似ていき、顔だけでなく言動も似てくる話。 一緒に住んでると似てくるというのはよく聞く話で、私も実...

今村夏子の分からなさがクセになってしまう、と言うと 友達から本谷有希子の異類婚姻譚も似たような分からなさがあるよ、と勧められて手に取った。 確かに、不気味な話である。 夫婦がだんだん似ていき、顔だけでなく言動も似てくる話。 一緒に住んでると似てくるというのはよく聞く話で、私も実際に似てるねと言われる。 今村夏子ワールドの不気味さはある意味おとぎ話のようで、現実味がなくてそれがクセになる楽しさがあったけれど 異類婚姻譚は妙に現実味があって、また違う不気味さだった。 最終的に夫の「形態」は全く異なったものになる。 そして妻も、その寸前のところまで行っていた。 キタヱさんはあのとき何と言っていたんだろう… ほかの短編3作は本当に短くて 読みやすかったけどやっぱりわからない世界観だった。

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2021/03/09
  • ネタバレ

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『異類婚姻譚』 結婚して4年。どうしてだろう夫と顔が似てきた気がする。 本来なら似てないはずなのだ。夫の目は鋭く私の顔は葉書のようにのっぺりとしている。それなのに、どうして似ていると感じたのか。 夫がわりとどうしようもない。だらしない。妻に任せている。わたしが期待しすぎなのだろうか。人に期待をするから辛くなるって思って最近人に期待しないようにしてるんだけどもともと無意識のうちに結構人に対して期待をしてしまう性分らしくて期待して勝手に落ち込んで本当にこの性格直したい。 あと結婚に対する概念みたいなものが変わる気がした。ずっと結婚というか恋愛の最終的な憧れは桜の森の満開の下。一緒に消えたい。溶け合うみたいにお互いに吸収されて無くなっちゃいたいっていつも思うんだけどそれとはまた違って。これは夫だけが消えるというか人じゃないものになる。それを妻は見届ける。うーん、、、自分だったら愛した人と一緒に消えたいなぁ。 私はまるで自分が、楽をしないと死んでしまう新種の生きものと暮らしているような気分になる。 いつの間に、私は人間以外のものと結婚してしまったのだろう。 『犬たち』 犬と暮らす女性。ただその街は犬を受け入れない。彼女は山奥で暮らしている。だんだんと彼女は犬へと近づいていく。 『トモ子のバウムクーヘン』 ある日を境に自分のいた温かな世界が変化した。大好きだった子供たちと猫と過ごす穏やかな日常が自分を責めているように見つめられるように感じるようになる。 『藁の夫』 トモ子の夫は藁でできている。多くの人はそのことに気づいていない。 2人はちょっとしたことから喧嘩をする。夫は藁の隙間から楽器を落とす。 「どうして、私の思っていることをあなたが決めるの?」

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2020/12/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芥川賞受賞作。短編集。 いつの間にか似てきてしまった夫婦の話「異類婚姻譚」。旦那の顔が崩れる瞬間を見てしまうのも怖いけど、自分の顔が自分を忘れる、というのも恐ろしい状況。旦那が山芍薬になってしまうという結末も、かなり面白い。一緒に暮らしていて、相手のこと(この場合は夫婦)を知っているようで、知らなかった。でも、なんか、そのことに、ちょっとホッとした。 他、山小屋で切り絵の複製を作る仕事をしていた主人公が犬になっちゃうお話「犬たち」。 子育てに不安を抱えるトモ子のお話「トモ子のバームクーヘン」と、そのトモ子の夫は藁だった「藁の夫」。 夫婦生活の不安定、みたいなものを描いているのかな?とか思いながら読んでみる。解釈するまで何回か読み返さないと、な作品。それがまた面白いのだけど。 不思議な一冊で、たまにはこういうのも良いかも。

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2020/10/11
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ゾッとした。 ホラーっぽいんだけど決してファンタジーなホラーではなくて、それがまた余計にゾッとした。 「結婚生活」をはじめとした「日常」の中に潜む異質さやいびつさを、一見怪異とも取れる比喩的表現でめちゃくちゃ深い所まで切り込んでいくなぁという感じ。 怪異の様な異質な怖さなのに確かに覚えのある感覚だからこそ、そこがまた怖い。 個人的に一番覚えがあったのは『トモ子のバウムクーヘン』のお話だけど、これはゾッとすると同時にちょっと安心もした。 「あ、私の他にもこんな突拍子の無い事考えちゃう人居るんだな。」「別に異質な不安症とかではないんだな」てちょっとホッとした

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2020/09/12

結婚生活が…結婚?とも言えない関係もありましたが、だんだん違うものになっていくのはゾッとしました。異質なものになる、結婚生活が、幻、異質なものとの結婚。 表題作の旦那さんは鬱病かとも思いましたが、人間やめたかったのか。。 〈犬たち〉が好き。〈犬〉が何故、あの町では駄目なのか明らか...

結婚生活が…結婚?とも言えない関係もありましたが、だんだん違うものになっていくのはゾッとしました。異質なものになる、結婚生活が、幻、異質なものとの結婚。 表題作の旦那さんは鬱病かとも思いましたが、人間やめたかったのか。。 〈犬たち〉が好き。〈犬〉が何故、あの町では駄目なのか明らかにされなかったけれど、主人公や友人が知らなかっただけで、恐れられ排除しなきゃいけないものだつわたんだろな。でも白い犬、綺麗。 他2篇も異様で良かったです。破壊衝動みたいな…?

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2020/09/18

他のユーザーさんの感想が面白かったので読んだ。 普通の日常にナチュラルに怪異が侵入してきて、やがて生活のバランスも崩される。 近年世間が獲得した常識として「夫婦は他人」がある。 夫婦とはいっても他人同士の集まりだから、最低限の気遣いは必要だ、という事だ。 ではその気遣いを取っ...

他のユーザーさんの感想が面白かったので読んだ。 普通の日常にナチュラルに怪異が侵入してきて、やがて生活のバランスも崩される。 近年世間が獲得した常識として「夫婦は他人」がある。 夫婦とはいっても他人同士の集まりだから、最低限の気遣いは必要だ、という事だ。 ではその気遣いを取っ払ったらどうなるのか?というお話。 書かれていることは不思議なことだけど、他者を自分と同一視し自分と他者の境目がなくなることによる弊害が真に迫る描写で、わたしも気をつけよ…と思いました。 他のお話も面白かった。登場人物が怪奇を当たり前に受け入れているのが新鮮。

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2020/07/26

『異類婚姻譚』『犬たち』『トモ子のバウムクーヘン』『藁の夫』の4編収録。 『異類婚姻譚』は旦那と奥さんの顔が似てくるが…という話。主題にあまり関係のない、猫を棄てるサイドストーリーのほうが気に入ってしまった。家庭の描写に温かみがって、本谷さんはきっと気立ての良い方なのだろうと思っ...

『異類婚姻譚』『犬たち』『トモ子のバウムクーヘン』『藁の夫』の4編収録。 『異類婚姻譚』は旦那と奥さんの顔が似てくるが…という話。主題にあまり関係のない、猫を棄てるサイドストーリーのほうが気に入ってしまった。家庭の描写に温かみがって、本谷さんはきっと気立ての良い方なのだろうと思ったがその反面あまり毒々しさは無かったのかな。異類婚姻譚のテーマが全編に共通しているところはよかった。

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2020/06/17

人でないものと人の交わり。 その奇妙な生活がごく普通に描かれていると思えば、私たちが普通だと思っていることが奇妙なものにすら思えてくる不思議さ。 人間としての自分の輪郭はきっと揺れ続けていて、変化し続けているのだろうけど、その輪郭は失ってはいけないと思った。

Posted byブクログ