怒り(上) の商品レビュー
映画を観てはいないのだが、読み進めるにつれて、ほんとにオーバーラップしてしまう。ゲイだったり、沖縄問題だったり、全くなにも解決していない現実があって、これを映像で見せられるのはかなり辛いなと、ふと考えてしまった。
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吉田修一さんは人間の描き方が本当にうまくて、ついつい本筋とは別に登場する人物一人一人に魅了されてしまう。下巻へ〜〜!
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途中で他書を摘み読みしてたのもあって、読了に一月かかってしまった(^_^;) 映像化されたものは、妻夫木と綾野剛のシーンで話題になってたけど、あれは物語の一部分に過ぎない。 一人の人物(猟奇的殺人犯)を追う流れに、それに付随する人物の動きが立体的に絡む。その辺の描き方は上手い...
途中で他書を摘み読みしてたのもあって、読了に一月かかってしまった(^_^;) 映像化されたものは、妻夫木と綾野剛のシーンで話題になってたけど、あれは物語の一部分に過ぎない。 一人の人物(猟奇的殺人犯)を追う流れに、それに付随する人物の動きが立体的に絡む。その辺の描き方は上手い。それぞれの登場人物が希望的なオープンエンドで終わっているのもホッとした。 吉田修一作品は本作のほかに『路』『横道世之介』を読了。プラス『悪人』を映像で。本作を読むにつけ、そのうち大切かつデリケートな問題を上手く文章にしてくれるかも…という期待を抱く。
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※このレビューにはネタバレを含みます
人は自分の大切な人をどこまで信じられるかということを考えさせられた作品でした。どんなに信頼していると自分が思っていても他人には自分の見えない部分が必ず存在していて、1つのしみのような小さな疑惑がどんどん広がり最終的には自分でも思ってみなかった行動をさせてしまうということは十分にあり得ることだと思います。優馬と愛子の絶望で終わらず光を感じさせるラストにはほっとしました。 また「怒」とは何に対しての怒りだったのかを読み終わった後しばらく考えていました。田中について考えていくと、行動全てに悪意がある訳じゃなくて、何か破壊願望みたいな病的に衝動的な欲望を根底に抱えていて、自分でも抑えられない時があるのではないかと思えてきました。落書きについてもそれが彼の全てではなくて、負の部分を吐き出して自分を抑えていたのかもしれない。本当のところは分からないままだったんですけど、彼は彼自身の中で闘っていたのではないかと感じました。だからといって彼が起こした事件は許されるものではないと思います。登場人物それぞれの展開が気になり、全編あっという間に読み終えてしまいました。この作者さんの違う作品もまた読んでみたいと思います。
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上下巻あわせてのレビューです。李相日監督による映画版の公開前に読みました。 八王子で若い夫婦が惨殺される。犯人は夫婦殺害現場に平然と何時間も滞在した形跡があり、異常さを物語っている。風呂場には被害者の血によって「怒」という文字が残されていた。すぐに山神一也という27歳の男が犯人...
上下巻あわせてのレビューです。李相日監督による映画版の公開前に読みました。 八王子で若い夫婦が惨殺される。犯人は夫婦殺害現場に平然と何時間も滞在した形跡があり、異常さを物語っている。風呂場には被害者の血によって「怒」という文字が残されていた。すぐに山神一也という27歳の男が犯人であると判明するが、行方がわからず捜査は難航したまま1年が経過。その頃、千葉、東京、沖縄に現れる3人の男。いずれも身元不詳で、山神一也と同年代、頬にほくろがあり、左利き。いったい3人は何者なのか。犯人は誰なのか。 3人が現れる町がそれぞれの舞台となって描かれます。映画版のキャストも併せて記しておくと、千葉・房総の港町に暮らす槇洋平(渡辺謙)とその娘・愛子(宮﨑あおい)の前に現れる男(松山ケンイチ)、東京で大手企業に勤めるゲイの藤田優馬(妻夫木聡)の前に現れる男(綾野剛)、沖縄の離島に引っ越してきた小宮山泉(広瀬すず)の前に現れる男(森山未來)。いずれも男に強く惹かれます。 ミステリーとしては、3人のうち登場時からいちばん怪しく思える男が犯人なので、ほとんど驚きはありません。けれども、それぞれと一緒に過ごす者たちの心の動きが巧みに描かれて、上下巻一気読み。終盤、小宮山泉の同級生男子生徒(佐久本宝=新人)が泉を守ろうと口を閉ざすシーンでは心が打ち震えました。相手を信じるのはなんと難しいことか。信じていたからこそ許せないという台詞にも涙が出ます。 映画化のパターンとして苦笑いしてしまったのは、『64(ロクヨン)』や『冥暗』(映画版のタイトルは『ダーク・プレイス』)もそうだったように、メインキャストが醜男やブスだった場合、映画版ではそれはなかったことにして、ビジュアル的にイケている人を起用するのが常らしい。本作でも愛子は「朝市のデブ」と陰口を叩かれるほどのポッチャリ系で、お腹の肉がスカートからはみ出る勢いだったのに、映画版ではその役を宮﨑あおいに当てています。致し方のないことだとは思いますが、面白い。 映画化されるときによく見られる特典で、文庫には映画紹介のカバー付き。著者・吉田修一の話も楽しいです。妻夫木聡と綾野剛が役作りのために一緒に生活し、同じ布団で寝て、手を繋いで歩いているという話も楽しく読みました。映画の封切りがものすごく楽しみです。 追記:映画の感想はこちら。→http://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/5ebb758877760db90bc975b1459edf40
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上巻の感想。ひとがたくさん出てきて最初のほうは混乱したけど読み終わる頃には頭に入ったので問題なかった。
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人を信じる気持ちってとても難しいと思わされた作品。身近に居る人が連続殺人犯かもしれないと疑ってしまった自分の気持ちって本当に辛いだろうなと読んでて切なかった。 洋平が愛子を、優馬が直人を信じられなかった気持ち、辰哉の泉を守れなかった気持ち、それぞれの心理描写が胸をしめつけた。 映...
人を信じる気持ちってとても難しいと思わされた作品。身近に居る人が連続殺人犯かもしれないと疑ってしまった自分の気持ちって本当に辛いだろうなと読んでて切なかった。 洋平が愛子を、優馬が直人を信じられなかった気持ち、辰哉の泉を守れなかった気持ち、それぞれの心理描写が胸をしめつけた。 映画のキャストをはめ込んで読んでみたけど、どの人もピッタリハマってると思う。愛子と泉がどう演じられてるのか観たいなと思った。 吉田さんは文章も読みやすくてこういう人の悪の描き方が悪すぎなくて少し光もある感じが好きな感じ。
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★評価は読了後に。 今や当たり前の複数の話の並行進行、結局これらがどのように腑に落ちる交差をするか否かなんですが、今のところはまだその牙をむいていないと思いたい。序奏感一杯の上巻であります。
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※このレビューにはネタバレを含みます
上下込みのレビューになります。3つ(北見のエピソードも含むなら4つ)のそれぞれのエピソードが「信じることができるか」が大きなキーワードになっています。 信じきれなかったとき、大切な何かが失われるーー大小あれどみな経験あるのではないでしょうか。山神=サイコパスで終わってしまっている部分は不満はあれど、先が気になる面白さ、考えさせられるテーマ性など、非常に満足度の高い作品でした!
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今のとこはまだそれぞれバラバラで、これからどうなっていくのかちょっと想像つかないなぁ。 田代か田中か直人のどれかが山神なんだろうけど、、誰だろう。。
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