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怒り(上) の商品レビュー

3.8

199件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    80

  3. 3つ

    51

  4. 2つ

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2018/03/04

殺害現場に残された「怒」の血文字。 犯人の顔も名前もわかっているのに、逮捕されないまま一年。 男運のない母親のせいで引っ越しを繰り返す少女が出会った無人島に住む男。 父と娘の二人暮らしで、家出を繰り返す娘が恋したバイトの男。 ゲイで母親の看病に追われる青年が出会ったゲイの男。 ...

殺害現場に残された「怒」の血文字。 犯人の顔も名前もわかっているのに、逮捕されないまま一年。 男運のない母親のせいで引っ越しを繰り返す少女が出会った無人島に住む男。 父と娘の二人暮らしで、家出を繰り返す娘が恋したバイトの男。 ゲイで母親の看病に追われる青年が出会ったゲイの男。 視点がころころ変わってストーリーが進み、その都度に誰もが犯人に見えてきてしまう。 誰が犯人なのか、「怒」の文字の意味がなんなのか、上巻では全くわかりません。

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2018/01/22

ある夫婦の殺人事件に端を発して、訳ありの人々がの人生が進んで行きます。場所も離れたところで、この人々の人生が何を語るのか...下巻に続きます。

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2018/01/22

映画を鑑賞し文庫を読書。 「山神一也は誰か」を軸に3つの物語が並行する。泉の物語は茫漠とした「何か」への憤りを、優馬の物語は自己矛盾への憤りを、そして洋平の物語は「愛すること」への憤りを、各々異なる「怒り」を表現している。映画では渡辺謙をはじめとした役者たちの熱演が光っていたが...

映画を鑑賞し文庫を読書。 「山神一也は誰か」を軸に3つの物語が並行する。泉の物語は茫漠とした「何か」への憤りを、優馬の物語は自己矛盾への憤りを、そして洋平の物語は「愛すること」への憤りを、各々異なる「怒り」を表現している。映画では渡辺謙をはじめとした役者たちの熱演が光っていたが、本作でも人物と出来事を丁寧に描写し深みのある物語を紡ぎ出している。根源にあるテーマは「誰かを信じ切れるか」であるが、信じ切れない人間の弱さが怒りに転じ、具象的で象徴的なものへその矛先が向かうのかもしれない。たとえ他人にとってそれが臭気を伴うものであり、自分自身がいつか後悔することになったとしても。 ネタバレになるので割愛するが、泉に起こる出来事は小説内でも十分に痛ましさは伝わってきたが、映画版の広瀬すずの演技が如何に真に迫ったもので素晴らしい演技力であったかを改めて感じた。

Posted byブクログ

2018/01/18

冒頭、殺人事件から始まり推理ものかと思いきや、3つの舞台から進行する本作は、短編集でも十分読み応えがある。それくらい細かく舞台設定やキャラクター背景が描かれている。犯人の手がかりとなる特徴がある人物は3人。上巻でもっとも犯人の疑いがある人物は一人いるが、予想を裏切ってもらいたい気...

冒頭、殺人事件から始まり推理ものかと思いきや、3つの舞台から進行する本作は、短編集でも十分読み応えがある。それくらい細かく舞台設定やキャラクター背景が描かれている。犯人の手がかりとなる特徴がある人物は3人。上巻でもっとも犯人の疑いがある人物は一人いるが、予想を裏切ってもらいたい気持ちもある。どちらにしても下巻が非常に楽しみ。

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2018/01/01

映画未視聴。 上巻だけではまだ全体のほんの触り部分だけで、大きな展開や犯人に直接繋がるような進展もなかったので、下巻に期待。 これからが本番…のような雰囲気を感じさせる不穏な締めくくり方。 夫妻を惨殺し自宅に「怒」という血文字を残して消えた殺人犯。その1年後、房総、沖縄、東京と...

映画未視聴。 上巻だけではまだ全体のほんの触り部分だけで、大きな展開や犯人に直接繋がるような進展もなかったので、下巻に期待。 これからが本番…のような雰囲気を感じさせる不穏な締めくくり方。 夫妻を惨殺し自宅に「怒」という血文字を残して消えた殺人犯。その1年後、房総、沖縄、東京と日本の各地に現れた3人の身元不明の男。身元不明とだけあって過去のことは謎だらけ。彼らにはまだ明かされていない隠し事があるのだろうけど、関わる人々にとっては、恋愛感情を抱いたり、心の支えになったり、唯一安心できる居場所になったりと良い影響を与えている人たちばかり。 指名手配中の犯人の写真と顔が似ていたり、身体の特徴が一致していたり、利き手が同じだったり…「まさかあの人が…?」なんてついつい読んでいて疑いそうになる。ただ、犯人も長い逃走期間の間に顔を変えているかもしれないから、一概に顔がそっくりな人が犯人だとは限らない…。

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2017/12/03

映画になった作品で、ずっと気になってた一冊です。 房総の港町で働く洋平と愛子の親子、大手企業勤めでゲイの藤田優馬、沖縄の波留間島で母と暮らす女子高生の泉。それぞれの前に田代、直人、田中という身元不明の男が現れる。この身元不明の男たち3人が、それぞれ周りと信頼関係を築いていく中にド...

映画になった作品で、ずっと気になってた一冊です。 房総の港町で働く洋平と愛子の親子、大手企業勤めでゲイの藤田優馬、沖縄の波留間島で母と暮らす女子高生の泉。それぞれの前に田代、直人、田中という身元不明の男が現れる。この身元不明の男たち3人が、それぞれ周りと信頼関係を築いていく中にドラマがあって面白い。3人の男たちのうち、誰が殺人犯の山神一也なのか…??3人とも何かわけありのようで、全員怪しい。仮面の下に殺人犯の顔を隠しているのは誰か…?まさか3人同一人物なんてことはないよな?? 下巻に続く。

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2017/11/07

八王子で夫婦が惨殺された1年後、東京、房総半島、沖縄のそれぞれで奇妙な男に出会った人達の物語。 本当の犯人は誰なのか? 吉田修一らしい、淡々とした文脈で静かに進んでいく物語。 それぞれの人物の微妙な心理面の描き方が秀逸で引き込まれます。 そしてクライマックスに一気に盛り上がる展開...

八王子で夫婦が惨殺された1年後、東京、房総半島、沖縄のそれぞれで奇妙な男に出会った人達の物語。 本当の犯人は誰なのか? 吉田修一らしい、淡々とした文脈で静かに進んでいく物語。 それぞれの人物の微妙な心理面の描き方が秀逸で引き込まれます。 そしてクライマックスに一気に盛り上がる展開。 物語の空気感をとても良く分かっている書き手だと思います。

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2017/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大切に思う人を心から信じられるか…そう問いかけられるお話でした。 誰かが犯人であることを抜きにして考えたとき、どの登場人物もとても魅力的。だからこその犯人が分かったときのショック、恐ろしさはトラウマ級でした。 そんな理由で後味は正直よくないです。。。でも感情移入してしまう魅力的な登場人物に出逢えることは、どの作品にも共通する吉田作品の醍醐味だなって思います。

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2017/10/27

上巻なので起承転結の起・承の部分がひたすら描かれており時間がゆっくり進んでいる。スピーディーには読み進められないけど、じっくり読みながら心理的にも情景に関しても描写が細かくて作者の吉田修一さんの繊細さが伝わってきた。読み進めていくうちに、下巻でどういう展開になるのかすごく楽しみに...

上巻なので起承転結の起・承の部分がひたすら描かれており時間がゆっくり進んでいる。スピーディーには読み進められないけど、じっくり読みながら心理的にも情景に関しても描写が細かくて作者の吉田修一さんの繊細さが伝わってきた。読み進めていくうちに、下巻でどういう展開になるのかすごく楽しみになっていった。

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2017/10/25

映画を観ていてもたってもいられず 読み始めた、初吉田修一作品。 シンプルに語られていく 3通りのそれぞれの日常。 ここをあぁ描いてたのか! と思うようなちょっとした設定や エピソードの違いを感じた。 映画では想像しか出来なかった背景が 小説では繊細に語られていたり、 今のとこ...

映画を観ていてもたってもいられず 読み始めた、初吉田修一作品。 シンプルに語られていく 3通りのそれぞれの日常。 ここをあぁ描いてたのか! と思うようなちょっとした設定や エピソードの違いを感じた。 映画では想像しか出来なかった背景が 小説では繊細に語られていたり、 今のところどちらも秀逸だなぁと感心。 正直に言うと、映画のイメージなしに まっさらな気持ちで読んでみたかった。 きっとすごくよかっただろうと思う。

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