斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 の商品レビュー
初、島田荘司。 「ロシア幽霊軍艦事件」「魔人の遊戯」がお薦めということだが、本屋さんで表紙が気に入って(!?)これを一番に。ほんとはデビュー作「占星術殺人事件」が無かったので。 まさに本格推理だった。楽しんだ♪こういうのも私、好き。 『北海道の最北端、宗谷岬の高台に斜めに傾...
初、島田荘司。 「ロシア幽霊軍艦事件」「魔人の遊戯」がお薦めということだが、本屋さんで表紙が気に入って(!?)これを一番に。ほんとはデビュー作「占星術殺人事件」が無かったので。 まさに本格推理だった。楽しんだ♪こういうのも私、好き。 『北海道の最北端、宗谷岬の高台に斜めに傾いて建つ西洋館。「流氷館」と名づけられたこの奇妙な館で、主人の浜本幸三郎がクリスマス・パーティを開いた夜、奇怪な密室殺人が起きる。...』(帯) 表紙とマッチして、びょうびょうと寒風吹きすさぶ北の果ての謎めいた館。 江戸川乱歩を読むような、ポーを髣髴させるような。 「モルグ街殺人」を、「まだらの紐」を思い出させど、それは違うのだ。 途中まで読んできて前に戻って「あれ?」と頭をひねり、推理し、犯人の検討をつけるも、やっぱりわからなくて、名探偵の御手洗潔氏に密室の謎解き、あっと驚く殺害方法を解いてもらい、犯人の動機に触れる。 プロローグに添えてあるボードレールの詩が実にいい。 『我は雨国(あまぐに)の王者と似たり。富みたれど不能なり、若くして老衰者なり。 狩の獲物も、愛鷹も、おばしまの下に来て、植えて死ぬ民草も、何ものも、この王を慰めず。』 かくして、憂鬱と辟易と無聊は謎のお城(館)を築く。ここにも出てくるがドイツ、バイエルンのルードヴィッヒ二世の作った「ノィシュヴァンシュタイン城」を観光した時の狂気じみたお城は忘れられない。 実を言うと、トリックで「えーっ!」って思ったところもあるが(古典的な作品でもこれは多い)、探偵御手洗氏のキャラクターの面白さと、地の文の寂寥感が覆ってあまりある。
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本格ミステリならではの雰囲気が最高。 大胆な犯行方法に仰天。 どんでん返しの派手さはないが、大好きな作品。
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御手洗潔シリーズ 北海道は最果ての地に傾いて立つ通称「斜め屋敷」で起きた連続殺人、と聞いただけでワクワクする。 奇天烈な屋敷の構造に何度も何度も図面を見て四苦八苦するのもまた楽しい。 御手洗潔シリーズといいながら、本人が登場するのが残すところ3分の1にっなってからというのも珍し...
御手洗潔シリーズ 北海道は最果ての地に傾いて立つ通称「斜め屋敷」で起きた連続殺人、と聞いただけでワクワクする。 奇天烈な屋敷の構造に何度も何度も図面を見て四苦八苦するのもまた楽しい。 御手洗潔シリーズといいながら、本人が登場するのが残すところ3分の1にっなってからというのも珍しい。 犯人と凶器は想像どおりだったけど、その使い方には度肝を抜かれた。そうか!そう言う事だったのか!とある意味気持ちいい。 いよいよ次は「異邦の騎士」へと進みます。
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ハウダニットの名作!驚かされました。 解説は綾辻行人さん。館シリーズはこの作品から受けた絶大なインパクトがあってこその着想だったのではないか、と振り返られています。 39年前の本なので、人物の描き方など少し古く感じるところもありますが、とても読みやすく他の作品も読んでみようと思い...
ハウダニットの名作!驚かされました。 解説は綾辻行人さん。館シリーズはこの作品から受けた絶大なインパクトがあってこその着想だったのではないか、と振り返られています。 39年前の本なので、人物の描き方など少し古く感じるところもありますが、とても読みやすく他の作品も読んでみようと思いました。
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面白かった! 傾いて建てられた館で起こった密室殺人。 建物が複雑なため、読んでて混乱しちゃったりして見取り図を何度も見返した。 読んでいて全くトリックは分からず、またアリバイや動機も合わせて不思議な事件。 どうやったんだろうと頭をひねりながら読み進めた。 御手洗潔は後半にようや...
面白かった! 傾いて建てられた館で起こった密室殺人。 建物が複雑なため、読んでて混乱しちゃったりして見取り図を何度も見返した。 読んでいて全くトリックは分からず、またアリバイや動機も合わせて不思議な事件。 どうやったんだろうと頭をひねりながら読み進めた。 御手洗潔は後半にようやく登場するのだけれど、登場早々笑わせてもらった! ナイト・ロウブの件といい、所々でクスッと笑えるネタを交ぜてあるのが好き。 占星術殺人事件同様、犯人はとても情があって憎めないなぁ。 むしろ好感が持てるくらい。 読了感も良く、また他の御手洗シリーズを読みたいと思った。
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御手洗潔シリーズ。評価は3だが実際は3.5くらいか。 前半は冗長と言えばそれまでだが、御手洗の登場を心待ちにしながら、読むだけであればスラスラと読めてしまうものである。(しかしなかなかその情報量を捌くことは難しい) そして御手洗が登場してからは瞬く間で、比較的分厚い本書もそれほど...
御手洗潔シリーズ。評価は3だが実際は3.5くらいか。 前半は冗長と言えばそれまでだが、御手洗の登場を心待ちにしながら、読むだけであればスラスラと読めてしまうものである。(しかしなかなかその情報量を捌くことは難しい) そして御手洗が登場してからは瞬く間で、比較的分厚い本書もそれほど時間をかけず読み終えた。 さてトリックの方は突飛なものもあり、いや挑戦されても自力で解ける者がいるだろうか…と首を傾げた。 とは言え逆に読者に易々とトリックを見抜かれるようでは推理小説としてどうかとも思うが…その辺りのせめぎ合いはなかなかに考えものである。 私個人としては種明かしもなるほどなと、謎も丸っと回収されて最後まで楽しく読むことができた。 しかし同シリーズの異邦の騎士や占星術と比べるとやや劣ると言わざるを得ない。が、一読に値する作品。
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古い小説というのもあり、あまり楽しめなかった。トリックも文字だけで想像するのが難しく、雰囲気だけでも味わおうと思ったが言葉遣いが気になりすぎてなかなか没入できず。名探偵が後半しか出てこないというのは新しいと思ったが、そのせいで彼の為人が全く掴めなかったのも楽しめなかった要因の1つ...
古い小説というのもあり、あまり楽しめなかった。トリックも文字だけで想像するのが難しく、雰囲気だけでも味わおうと思ったが言葉遣いが気になりすぎてなかなか没入できず。名探偵が後半しか出てこないというのは新しいと思ったが、そのせいで彼の為人が全く掴めなかったのも楽しめなかった要因の1つ。
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流氷館のパーティーで起きた連続密室殺人。この謎に挑むのは御手洗潔。流氷館という奇妙な建物に奇想をこめようとしたのか、真っ当な推理小説にしようとしたのか、御手洗潔ものとしては少し物足りないが、推理小説としてはよく出来ている。御手洗潔を期待するならハズレかもしれない
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
犯人はなんとなく分かったけど(明らかに1番怪しい)、肝心のトリックはやっぱり分からなかった、、 階段が怪しいな?これも可動式なのかな?など考えたけど、なるほど屋敷が斜めになってるのはそういうことか…!! 見取り図はあったから確かにヒントは全部与えられてたな。悔しい。 全体的には占星術殺人事件の方が好きだったけど、御手洗くんが解説するだけじゃなく、犯人の意図を読んで誘き出そうとしたのが凄い! 日下くんもナイス。
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陸の孤島、奇妙な館、集う客人、密室殺人、人形、数々の奇妙な現象、名探偵の登場とミステリ好きには素晴らしいとしか言いようがない展開。 またその犯罪のトリックを含む解決編が見事。フェアでありながら、見破ることもできず、かといって落胆することもない。 個人的に本格ミステリの中では完璧...
陸の孤島、奇妙な館、集う客人、密室殺人、人形、数々の奇妙な現象、名探偵の登場とミステリ好きには素晴らしいとしか言いようがない展開。 またその犯罪のトリックを含む解決編が見事。フェアでありながら、見破ることもできず、かといって落胆することもない。 個人的に本格ミステリの中では完璧に近い作品。
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