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ママがやった の商品レビュー

3.2

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

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2016/05/04

 副題、『MAMA KILLED HIM』。ママが彼(=夫)を殺すところから始まる”家族”を描いた小説。  ”家族”というのは、閉鎖社会の最小単位である。ローカルルールや省略の多い最小単位かつ、もっとも密度の濃いユニット。そこには数多くの”常識”や”ローカルルール”がある。夕飯の...

 副題、『MAMA KILLED HIM』。ママが彼(=夫)を殺すところから始まる”家族”を描いた小説。  ”家族”というのは、閉鎖社会の最小単位である。ローカルルールや省略の多い最小単位かつ、もっとも密度の濃いユニット。そこには数多くの”常識”や”ローカルルール”がある。夕飯の時間とか、洗濯物の出し方とか。暮らしの中で効率化するために生まれたものや、価値観のすり合わせのなかで生まれたものなど、ローカルルールは各家庭にあるものだ。  ただ、そのローカルルールには他人から見ると気持ち悪いと思うようなものがあるということを、この小説を読んで思い出した。私の常識は、あなたの常識ではないという真理。同じ人間とばかり会って暮らしていると、忘れがちなことである。  エンタメというようりは、芸術より(文芸とか文学とかいうのだろうか)のスタイルで、小説としては面白い。ただ、私の解釈が正しいかは知らないが、私が感じたことを必要としている人が読みたくなるスタイルではない気がするのと、単純に私の好みから外れるので評価自体は低め。ガツンとしたエネルギーのあるうなものが好みなので、それからするとあっさりしすぎというか、スタイリッシュすぎる。

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2016/03/14

どうしようもないダメ男の父親とその妻、娘二人息子一人の結構風変わりな五人家族の物語。 今は老夫婦となった二人の若いころからの話が8つのエピソードに分かれて時系列を前後させながら語られていくのだが。 一体なんなのか、どこへ向かっているのか、なにが描きたかったのか、よくわからない。...

どうしようもないダメ男の父親とその妻、娘二人息子一人の結構風変わりな五人家族の物語。 今は老夫婦となった二人の若いころからの話が8つのエピソードに分かれて時系列を前後させながら語られていくのだが。 一体なんなのか、どこへ向かっているのか、なにが描きたかったのか、よくわからない。 一見滑稽で、でもおそろしく哀しくてやり場のないもどかしさに満ち溢れたストーリーそれ自体は、それなりに読めることは読めるのだが、著者の世界観に私がついていけなかった。

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2016/03/08

タイトルの通り、ママがやっちゃうところから物語が始まります。 そこから時系列が行ったり来たりしながら、家族の半世紀の物語が短編連作で綴られています。 井上荒野特有の不気味さや歪みが漂っていてゾクゾク。お父さんがクズすぎですがどこか憎めないし、お母さんもなんだかおかしいし。というか...

タイトルの通り、ママがやっちゃうところから物語が始まります。 そこから時系列が行ったり来たりしながら、家族の半世紀の物語が短編連作で綴られています。 井上荒野特有の不気味さや歪みが漂っていてゾクゾク。お父さんがクズすぎですがどこか憎めないし、お母さんもなんだかおかしいし。というか、出てくる人みんなマトモじゃない(笑) 荒野ワールド、堪能しました。

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2016/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

79才妻が72才の夫を殺した。 だが妻はいたって平然としたもので、大いに戸惑う3人の子ども達。 夫であり父である72才男の生前のプレイボーイぶりを、胸に刻まれるように知っている家族は、愛人を巻き込みドライブに出る。 家族の視点や、過去や現在がわかれて読めるので、おもしろくサクサクと読めた。 奥さん、長く諦観してもなお愛してたのね。

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2016/03/04

浮気しまくりな上に無職、相当なダメ夫であるパパ(・・・と言ってももはや70過ぎ) そんな父親を嫌悪しつつも、自分の中にある『パパ』と似た自堕落さを感じている子どもたち(・・・と言っても皆立派な中年) 歯車のかみ合わない、機能不全の家族の中で 要となっていたママ。 そのママがタイト...

浮気しまくりな上に無職、相当なダメ夫であるパパ(・・・と言ってももはや70過ぎ) そんな父親を嫌悪しつつも、自分の中にある『パパ』と似た自堕落さを感じている子どもたち(・・・と言っても皆立派な中年) 歯車のかみ合わない、機能不全の家族の中で 要となっていたママ。 そのママがタイトルにある通り、 何かをやってしまうのである。 夫に対してすべてを諦め許してきた彼女が どうしても許せなかったこと・・・ どの登場人物にも、まったく好感を持てなかったけれど、 その理由だけはちょっとだけ共感できました。 読み終わって心にザラリとしたものが残る物語でした。

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2016/03/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『ママがやった』という衝撃的なタイトルに比べて、内容は衝撃的ではない。どちらかと言うと私的には内容がイマイチで共感できる部分も無く、サクッと読み終えてしまった。もうちょっとインパクト的なものが欲しかったなと思ったりもしてしまう。結局、作者である井上荒野は読者たちに何を伝えたかったのかと個人的に思った。

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2016/02/29

+++ 小料理屋の女主人百々子七九歳と若い頃から女が切れない奇妙な魅力をもった七つ年下の夫。半世紀連れ添った男を何故妻は殺したのか。 +++ なんともシュールな物語である。物語の初めから、拓人はすでに妻・百々子に殺されていて、子どもたちが集まっている。深刻な場面のはずなのだが、...

+++ 小料理屋の女主人百々子七九歳と若い頃から女が切れない奇妙な魅力をもった七つ年下の夫。半世紀連れ添った男を何故妻は殺したのか。 +++ なんともシュールな物語である。物語の初めから、拓人はすでに妻・百々子に殺されていて、子どもたちが集まっている。深刻な場面のはずなのだが、なぜか父を殺めた本人である母は、さほど普段と様子が変わらない。その後は、ここに至るまでの家族それぞれの人生が描かれていくのだが、それぞれにいささか歪んでいて、それもまたシュールである。にもかかわらず、そこはかとない可笑しみを嗅ぎ取ってしまうのは、穿ちすぎだろうか。手をかけた本人の切迫感のなさに由来するのだろうか。ラストはぞくっとさせられたが、ほっとするような気持ちにもなった。寂しくて哀しい一冊である。

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2016/02/25

79歳の母親が72歳の父親を殺した。 なぜ殺したのか。 息子の創太が理由を問うが、母も二人の姉もハッキリしない。 それどころか妙にのんびりとしている。 2話からは家族の視点で語られる。 8話まで物語は淡々と進んで行く。 タイトルも好き。 ベテラン作家さんの上質な作品。 おもしろか...

79歳の母親が72歳の父親を殺した。 なぜ殺したのか。 息子の創太が理由を問うが、母も二人の姉もハッキリしない。 それどころか妙にのんびりとしている。 2話からは家族の視点で語られる。 8話まで物語は淡々と進んで行く。 タイトルも好き。 ベテラン作家さんの上質な作品。 おもしろかった。

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2016/02/21

ママ、ここまでよく耐えた。 でも、それなら相手にしっかり自分の気持ちを伝えれば良かったのに。自分の人生を犠牲にすることはないよ。 子どもたちも何となく母の苦労が分かっていて協力的なんだよね。 ホントは、いい家族だったんじゃないだろうか。

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2016/02/19

「理由」じゃない、これからどうするのか? とは言え、「理由」に結びつくのか(?)それぞれ家族の物語が語られ、ラストへとつながるのだけれど、いくつになっても…

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