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ママがやった の商品レビュー

3.2

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2020/03/10

 のらりくらり適当に生きてきた父と離れられないまま年老いた母が、ある日、事件を起こす。呼び集められた2人の娘と1人の息子、そして父の愛人。  登場人物が全員、沼のようにつかみどころのない性格で、どろっというよりぬたっとした物語だった。 ↑ここまで書いて放置していたら1ヶ月が経...

 のらりくらり適当に生きてきた父と離れられないまま年老いた母が、ある日、事件を起こす。呼び集められた2人の娘と1人の息子、そして父の愛人。  登場人物が全員、沼のようにつかみどころのない性格で、どろっというよりぬたっとした物語だった。 ↑ここまで書いて放置していたら1ヶ月が経ってしまった。 もはや内容をほとんど覚えていない・・・

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2019/07/15

7歳下の夫を殺した妻。夫はどういう人物だったのかが、割とあっけない感じで終わってしまう一章一章からよく描かれている。殺された夫と妻、娘たち、息子、そして愛人それぞれの関わりが読み進めるごとにわかってくる。しょうもない夫だったけれど魅力もあったんだなぁ。とにかくひょうひょうとしてつ...

7歳下の夫を殺した妻。夫はどういう人物だったのかが、割とあっけない感じで終わってしまう一章一章からよく描かれている。殺された夫と妻、娘たち、息子、そして愛人それぞれの関わりが読み進めるごとにわかってくる。しょうもない夫だったけれど魅力もあったんだなぁ。とにかくひょうひょうとしてつかみどころの無いストーリーだけどそれが不思議な面白さを出している。

Posted byブクログ

2019/05/14

直木賞作家・井上荒野さんの不幸な家族を描いた異色の連作長編小説。私は荒野と書いて「あれの」と読む事や本名である事や女性である事や御父上が文学作家の井上光晴さんである事も恥ずかしながらまるで存じ上げておりませんでした。79歳の妻が72歳の夫を突然に殺した理由は言葉で具体的には語られ...

直木賞作家・井上荒野さんの不幸な家族を描いた異色の連作長編小説。私は荒野と書いて「あれの」と読む事や本名である事や女性である事や御父上が文学作家の井上光晴さんである事も恥ずかしながらまるで存じ上げておりませんでした。79歳の妻が72歳の夫を突然に殺した理由は言葉で具体的には語られませんが、やはり長年の間に溜まって来た感情が一気に爆発したのでしょうか。この永遠の女たらしの男が全ての元凶で、生きるのが下手な二女一男の人生に影響し、妻は夫が永遠に繰り返すだろう大勢の女達への罪深い行いを止めたかったのでしょうね。 本書のカバーとタイトルは何となくホラーかなと錯覚させますが実際はとぼけたユーモアの味はありながらも芯はごく真面目で深刻な一風変わったファミリー・ヒストリー小説なのですね。ママは大らかなようでいて実は相当に我慢強い女だったのでしょう。長女の時子は結婚しない女、次女の文子はまずまず幸せだけど娘が堪え性のない女、長男の創太は素直になれない気難しい性質なのですね。そして全ての元凶のパパはまさに死ななきゃ治らない適当でいい加減な女たらしの嫌な野郎だったのでしょうね。でもこういう男が女にモテルるのも事実なんですよね。

Posted byブクログ

2018/10/15

あぁ〜ダメおとこだったなぁ〜。80歳を前にして、旦那を殺してしまう。なぜ?殺してしまったのか?全く分からん(-_-)殺したのち、回想が始まり、出会い、妊娠、結婚と普通のようで普通じゃない。旦那は自由気ままに生きている。何のために生きて、何のために殺したのか?

Posted byブクログ

2018/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・ママがやった ・五、六回 ・ミック・ジャガーごっこ ・コネティカットの分譲霊園 ・恥 ・はやくうちに帰りたい ・自転車 ・縦覧謝絶 ママがやったのは、夫殺し。 「なぜ?」 電話では話しにくいことがあると集められた3人の子ども。 時系列順不同で語られるこの家族の風景。 なんだろう、この家族は。 家族の暮らしは、ママがやっている小料理屋で支えられている。 父親はその時々で興味のあるものにのめりこみ、イラストレーターだったり作家だったりの肩書きがつくが、その実態は髪結いの亭主=ひも。 器用貧乏な父親は、いろんなことに興味を持つが、結局はそこそこできるようになると飽きてしまう。 女性に対しても。 決して悪い人間ではないと思うのだが、むしろ優しいくらいなのだが、流されるようなその生き方に熱量を感じられない。 それでもこの家族の真ん中には、この父親の場所がちゃんとある。 自由気ままに生きている父親が、ふらりと家を出て行ったり帰ってきたりしても、無視したりつっかったりしない。 黙って受け入れる。 ママの姿を見て、そう育ってきたのだろう。 子どもたちと言ったってもう40代。 長い年月をかけて作られた家族の形は、そう簡単には変えられない。 母の店を手伝っている長女を除いて、結婚して家庭を持っている次女も、就職をきっかけに家を出ている息子も、何かあればすぐに集まる仲の良い家族。 けれど、この家族に共通しているのは、実は熱量の少なさなのではないかと思う。 突き放しているわけではないが、決して踏み込んでくることのない距離の取り方。 「飯食い終ったら警察に電話しないと」 「警察?なんでよ?」 「なんでって―電話しないつもりなのかよ」 「警察に知らせたら、ママは捕まっちゃうのよ」 「ママ、来年は八十歳になるのよ。刑務所に入れたいの?」 「ママはいいわよ別に、刑務所に入ったって。どうせもうそんなに長くは生きないんだもの。警察に知らせた方が、あんたたちだって簡単でしょ。そうしなさい」 「ママ、刑務所に入ったら三食刑務所のごはんなのよ。おいしいものなんか食べられないのよ」 ママのつくったご飯を食べながら事後処理の相談をする家族。 何かがおかしい。 けれど彼らはずっとこうやって家族をやって来たのだ。 ママが夫を殺した理由は最後まではっきり語られることはない。 怠惰でいることに疲れた、とだけ。 そう。 ママは自由気ままな夫にふりまわされる自分に気がつかないよう、難しいことを考えることも、自分の心と向き合うことも放棄したのだと思う。 見ないふり、感じないふりをしている間に積もった何かが、40年以上をかけて彼女に積もった何かが、彼女に行動を起こさせたのだと私は感じたのだけど。 読みやすい文章で書かれているのに、その真意を推しはかるのは難しい。 さくっと読み終わってから、うーむうーむと考えることしばし。

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2018/02/08

よくある?家族紹介型の短編集。井上さんは長編のほうが好きかなあ。今読んでる「綴られる愛人」のほうが面白い…でもこの歪んだ愛情が良いですね

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2018/01/14

読みづらさを感じながらも、なんとなく気になってしまい読了。 全員、ちょっとズレた感覚を持った家族。 79歳なんて大たいそうな老婆、という感覚があったけど女はいつまでも女なのかな。 女を連れ出し、どうやって殺すのか、殺さないのか、期待したけれどラストのグダグダ感にはイラッとしてし...

読みづらさを感じながらも、なんとなく気になってしまい読了。 全員、ちょっとズレた感覚を持った家族。 79歳なんて大たいそうな老婆、という感覚があったけど女はいつまでも女なのかな。 女を連れ出し、どうやって殺すのか、殺さないのか、期待したけれどラストのグダグダ感にはイラッとしてしまった。

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2017/12/30

2017/10/27読了 拓人さんみたく どうしようもないクズ男 モテるよね。 28冊目(2017)

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2017/11/27

安定の井上さん。彼女が描く愛の形は、いつもずっしり重く心に突き刺さってくる。表面上は穏やかなのでよけいに激しさを感じる作品だった。 79歳の妻が夫を殺してしまう。子供達を巻き込んでどうしたもんかと相談している所から始まり、広渡家のそれぞれ過去の出来事が描かれて現在に戻ってくる。 ...

安定の井上さん。彼女が描く愛の形は、いつもずっしり重く心に突き刺さってくる。表面上は穏やかなのでよけいに激しさを感じる作品だった。 79歳の妻が夫を殺してしまう。子供達を巻き込んでどうしたもんかと相談している所から始まり、広渡家のそれぞれ過去の出来事が描かれて現在に戻ってくる。 定職にも就いてなく常に愛人をつくっているダメ男な夫と、何も言わない妻。とっくに愛想尽かしてそのまま生活してたら歳とってしまった的な事かと思って読んでいたら、最後の最後でやられてしまった。 ラストは少し修羅場な感じになってたけど、ジーンと胸が熱くなりました。

Posted byブクログ

2017/05/18

奔放な夫、貞淑な妻、しっかり者の長女、明るい次女、大人しい長男のそれぞれの短編集。 よくある設定と言えばそうだけど、しっとりと暗い感じに引き込まれて読んでしまった。 自分のものじゃないからあんな男と付き合えた、ってのは何か分かるかもしれない。

Posted byブクログ