桜ほうさら(上) の商品レビュー
20180531〜0603 流れるように綺麗な風景、行事と、綺麗ごとでは済まされない人模様。タイトルの桜
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なんて面白い!宮部みゆきの時代小説、最高です。私はこの手の「主人公がぼんやり良い人」な宮部作品が大好き(例:杉村さん)。侍らしくない文系草食系男子の笙之介22歳が、田舎の貧乏藩から諸々の事情で江戸に住み着き、周囲の温かい人情に触れながら、父親を貶めた謀略を解いて行くお話しです。うら若き恋も健気で微笑ましくて良い。そして長堀金吾郎の金言には涙を禁じえませんでした。老侍の慎ましい説教に胸を突かれてふと、これを若き女流作家が書いたのかと思うと、ただただ感嘆です。小説家は文章力だけではないのだなあ。
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さすがの安定の宮部みゆき、読みやすい。 江戸時代のしきたりや風習、言葉に理解があるわけでもなく、時代劇が取り立て好きというわけでもない。けれども江戸の町にでてきたばかりの笙之介の目を通して、その世界がとてもかけがえのない美しさを見せてくれる。 何かに似ていると思ったらファンタジーだ。 知らない世界、知らない言葉、そこで生きる人々の物語。 下巻も楽しみに読もう。
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ミステリ、SFに加えて時代物の作品も多い宮部みゆきだけれど、その時代物を久し振りに読みました。 とにかく読みやすく書かれているなあというのが最初の印象です。 自分にとっては時代小説に出てくる昔の人の名前を覚えるのが一苦労で、特に偉い人だと本名の他に職制上の名前(なんとかのかみ、...
ミステリ、SFに加えて時代物の作品も多い宮部みゆきだけれど、その時代物を久し振りに読みました。 とにかく読みやすく書かれているなあというのが最初の印象です。 自分にとっては時代小説に出てくる昔の人の名前を覚えるのが一苦労で、特に偉い人だと本名の他に職制上の名前(なんとかのかみ、とか。しかも難読)があり、さらに親しい人からは幼名で呼ばれたりして、とにかく誰が誰だかわからなくなるので登場人物一覧が欲しい!と思ってしまうのですが、この作品はそもそも偉い人がほとんど登場しません。 江戸の庶民が多く登場しますが、彼らは「おたつ」(あれ?「おつた」だっけ)だとか「太一」だとかで覚えにくいとか読みにくいとか言うこともありません。主人公は侍ですが、「笙之介」と、もしかしたら昔のキラキラネームかというくらい覚えやすく、ほぼ唯一の主要な偉い人は自分で自分に「東谷」とニックネームを付けてくれます。 話の背景には小国の跡目争いがあるのですが、最初の方に不自然さを(おそらく敢えて)そのままにして、さらっと説明してくれます。何と、イラストつきです。わかりやすさを優先したためでしょう。 その他にも、現代的な価値観や風習がずいぶん出てきます。それらも「上手な嘘」になっていて、読みやすさに貢献しているとおもいます。 上巻では笙之介が江戸の町で暮らし、和香との仲をゆっくり暖めながら、小さな謎を一つ、解決します。 父の無念は晴らせるのか、恋は実るのか、気になりつつ下巻に続きます。
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『ぼんくら』シリーズのように、江戸の町を魅力的なキャラクターが生き生きと動き回る、宮部みゆき作品では一番好きなパターンだ。東京の地理には詳しくないけれど、昨今話題になった富岡八幡宮が絵図に載ってて、ちょっと興奮した(笑)。物語になりそうな事件だったなぁ…いずれ誰かが描くかも。事実は小説より奇なり。我ながら、まさか1日で読んでしまうとは。正月休みバンザイだ。(2017-12-12L)
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宮部みゆきさん好きにゃ これは、小生的にはチャレンジでチョイスにゃ そこそこ面白く読んだものの 心に残るパンチはなかったにゃ 人にすすめる気持ちはしないにゃ 失礼お許しくださいにゃ
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久しぶりに呼んだ宮部みゆき。直前まで読んでいたのが湊かなえだったり西加奈子だったりで、読後感が悪いものばかりだったので久しぶりに清涼感を得た。宮部ワールドはいつも終わりがすっきりしているのが良い。
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下巻まで読了。 たどり着いた真実は重かったけど、行き先は明るいんじゃないかと思わされるラストでした。 人を苦しめるのも、救うのも、どちらも人。 主人公たちを甘やかさず、かといって痛め付けて終わりにしない宮部さんの物語は、読後感がよくて本当に好きだ。
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ほんわかとして淡々と進む。とおもったら中盤からいろいろ動いてきた。 思わずうるっとくる文章はさすが。 穏やかな気持ちになれる。
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笙之介みたいな情けないお侍さんが出てくる話がやっぱり好き。「桜の精」が実はものすごい勝気だったり、宮部みゆきの描く人物はものすごく生き生きしてる。
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