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キャロル の商品レビュー

4.2

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2024/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白いミステリー書かれるだけあって、話の展開がとても秀逸。特にニョーヨークで2人が再会した場面からラストにかけて。 幸せの絶頂から一気に地に落ちて、神様のような存在だったキャロルは自分と変わらないただの人間だと気付いて… そうしたテレーズの変化を察しながらも一緒にいたいと願うキャロルの純粋な思いに胸が締め付けられるほど切なくなった。 前半は超然とした、余裕のある大人の女性だったけど、だんだんと人間味が出てきて、臆病なところも垣間見えてくるキャロルのことが読んでいて大好きになってしまった。 別れを経て、華々しい世界に足を踏み入れようとするテレーズは、キャロルとの経験を踏み台にできる若さがあって。 ああそうやってキャロルも思い出にしていくのか、あの燃えるような恋心も若さゆえの一時の感情にすぎなかったのかと虚しくなってしまったんだけど、、 愛のある結末で良かった。

Posted byブクログ

2024/05/10

解説にある通り、眠い目を擦りながら夢中で読み切ってしまった。どうしてやめられないのか不思議~。 「見知らぬ乗客」で初めて著者の作品を体験し、二作目がこちらで、途中までサスペンスと思い込んでいた。裏表紙の梗概を見て魂消たが、それはそれでホッとした。 河出文庫のハイスミス作品の装丁、...

解説にある通り、眠い目を擦りながら夢中で読み切ってしまった。どうしてやめられないのか不思議~。 「見知らぬ乗客」で初めて著者の作品を体験し、二作目がこちらで、途中までサスペンスと思い込んでいた。裏表紙の梗概を見て魂消たが、それはそれでホッとした。 河出文庫のハイスミス作品の装丁、全て良すぎる。手に取らずにいられない。

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2024/04/21

「太陽がいっぱい」を書いたパトリシア・ハイスミスが書いた女性同士の恋愛を書いた小説。19歳の主人公テレーズから見た魅力的な年上の女性キャロルとの恋愛模様が丁寧に描かれている。冷静な目で見ればキャロルなんてわがままで気まぐれで自分勝手でどこがいいかわからないけど、テレーズの目を通し...

「太陽がいっぱい」を書いたパトリシア・ハイスミスが書いた女性同士の恋愛を書いた小説。19歳の主人公テレーズから見た魅力的な年上の女性キャロルとの恋愛模様が丁寧に描かれている。冷静な目で見ればキャロルなんてわがままで気まぐれで自分勝手でどこがいいかわからないけど、テレーズの目を通してみるととても魅力的な女性にうつるから不思議。作品が終わる頃には読者もテレーズと共にキャロルと恋に落ちているだろう。

Posted byブクログ

2024/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

きっとテレーズにとって本当の初恋。 だからこそキャロルしか見えないし、他のものに対して苛立ちが伴う。人を初めて苦しくなるほど愛するとはこういうことだったなぁと思い返したりした。 2人が離れてからのほうが結構好きだったかな。 冷静になって彼女をまた愛するの良かった

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2023/06/19

“恐れていながら人を愛することなんて出来はしない。恐れと愛は両立しない。ふたりでいることで日ごとに強くなっているというのに、なぜ怯える必要があるのだろう? 昼だけではなく夜ごとにも。同じ夜は二度となく、同じ朝も決して訪れなかった。ふたりは一緒に奇跡を紡ぎ続けていた。” 

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2023/02/05

映画が高評価だったことを覚えていたので、原作を読んでみたくなり手に取りました。 主人公のテレーズが好きになれませんでした。醜さをとても嫌うところ、不安定すぎるところ…。登場人物が好きになれなくても物語として面白ければ良いはずなんですが、私にはひっかかるところが多すぎたみたいで合わ...

映画が高評価だったことを覚えていたので、原作を読んでみたくなり手に取りました。 主人公のテレーズが好きになれませんでした。醜さをとても嫌うところ、不安定すぎるところ…。登場人物が好きになれなくても物語として面白ければ良いはずなんですが、私にはひっかかるところが多すぎたみたいで合わなかったです。 映画で観るとまた印象が違いそうなので、そちらも観てみたいです。

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2022/12/31

映画版のビジュアルだけ見た状態で原作を読んだ。 キャロル、ケイトブランシェットってはまり役すぎるだろ…。あまりにも「運命の女」が似合う。 全く2人は変わってしまったけれど、でも、というラストが好きだった。

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2022/02/21

「見知らぬ乗客」でサスペンス作家として世に名を轟かせたパトリシア・ハイスミスが、1952年に匿名(別名義)で出版した恋愛小説。  心情描写の詩的比喩が多く、若く主観的なテレーズが成長していく姿とリンクしていて美しい。 印をつけて大事にとっておきたい文章がいくつもあった。 映画も...

「見知らぬ乗客」でサスペンス作家として世に名を轟かせたパトリシア・ハイスミスが、1952年に匿名(別名義)で出版した恋愛小説。  心情描写の詩的比喩が多く、若く主観的なテレーズが成長していく姿とリンクしていて美しい。 印をつけて大事にとっておきたい文章がいくつもあった。 映画も小説も忘れられぬ作品。 " 古典とは時代を超越した、人間の業を描くものだと思います " ・ ・ ・ ・ ・ ・ *余談 : 当時は「ザ・プライス・オブ・ソルト」として出版され、後に「キャロル」と改題されている。

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2021/03/21

5年越しに読了。 5年前にどうして途中で読めなくなったのかもなんとなくわかった。この人の文章は作中に出てくる凧みたいにいきなり飛ぶことがあって、それについていくのが大変だったんだろう。 あとは映画のイメージが強すぎて、映画と原作との差異への違和感が勝ってしまったんだろうな。 と...

5年越しに読了。 5年前にどうして途中で読めなくなったのかもなんとなくわかった。この人の文章は作中に出てくる凧みたいにいきなり飛ぶことがあって、それについていくのが大変だったんだろう。 あとは映画のイメージが強すぎて、映画と原作との差異への違和感が勝ってしまったんだろうな。 とは言え改めて読んだら映画と全く別物でもないし、何よりテレーズがキャロルしか眼中にないときの文章がよかった。 ほんとにキャロルしか見えてないの。目に見える世界の全てはキャロルなの。ずっと恋そのものを見てたような気がする。恋がこんなに狂おしく書かれた小説読むのも久しぶりだったな。

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2021/02/10

舞台装置を作るのが本業だが今はアルバイトでデパートのおもちゃ売り場で働く19才のテレーズ。クリスマス前のある日、美しい女性が売り場に現れ、一目で魅入られる。あこがれか、この感情は何なのか。付き合っているリチャードにはついぞ覚えなかった感情。 テレーズは自分の指向性についてキャロ...

舞台装置を作るのが本業だが今はアルバイトでデパートのおもちゃ売り場で働く19才のテレーズ。クリスマス前のある日、美しい女性が売り場に現れ、一目で魅入られる。あこがれか、この感情は何なのか。付き合っているリチャードにはついぞ覚えなかった感情。 テレーズは自分の指向性についてキャロルに会うまでは、きっとはっきりとは認識していない。なのでリチャードに対し煮え切らない態度で接している。その描写で描かれるテレーズにいらついた。リチャードがちょっとかわいそうになってしまった。リチャードに対してのみならず、テレーズはキャロルに対してもずっと自信の無い態度でいる。が、旅行に行き、キャロルの離婚が進み、吹っ切れると、舞台の仕事にも光が差し込み、生まれ変わったように生き生きとしてくる。自身の感情に対する肯定。ここがいいとこかな。 最後の方のキャロルのテレーズ宛の手紙にははっとした。 「男同士、あるいは女同士のあいだには絶対的な共感が、男女のあいだでは決して起こりえない感情が持てるのではないかということ。そして世の中にはその共感だけを求める人たちもいれば、男女間の不確実で曖昧なものを望んでいる人たちもいる」・・そう男女間では「不確実」、これ言えてるのではないか。 読みながら「ブロークバックマウンテン」のストレートな映像を思い浮かべて、あちらはスっと映像に入りこめたのに、こちら女同士となると同性のせいなのかどうかわからないが、活字上の想像では、ちょっと自分ではありえない感情だな、と思った。男同士だと他人事だからか。 読み終わってから2015の映画を検索してみた。キャロルはケイト・ブランシェット、テレーズはルーニー・マーラーで、二人の顔の並んだ画面を見ると、テレーズ役のルーニーが原作から受ける印象にマッチしていた。こういう初々しい人生の初めに立つ女性がテレーズだったのかと思った。ケイト・ブランシェットもいい感じだけど、1952年の発表時ならモニカ・ヴィッティあたりいいかもとふと思った。 1952年ではクレア・モーガン名義。1990年のドイツ版、イギリス版で初めてパトリシア・ハイスミス名義で出版。「キャロル」と改題 1952発表 2015.12.20発行 図書館

Posted byブクログ