キャロル の商品レビュー
若い娘が妻子ある魅力ある男性(ただし離婚調停中)にのめり込む(恋する)設定とほぼ同じ、その相手が男性か女性かの違い。テレーズのキャロルへのまなざしは匂い立つようであるけれど、そこのところ、女性が女性に恋する想いの強さはともかく微妙さを自分はどこまで理解できたかはワカラナイ。終盤キ...
若い娘が妻子ある魅力ある男性(ただし離婚調停中)にのめり込む(恋する)設定とほぼ同じ、その相手が男性か女性かの違い。テレーズのキャロルへのまなざしは匂い立つようであるけれど、そこのところ、女性が女性に恋する想いの強さはともかく微妙さを自分はどこまで理解できたかはワカラナイ。終盤キャロルがテレーズに送った手紙の一節に『・・男同士、あるいは女同士のあいだには絶対的な共感が、男女のあいだでは決して起こり得ない感情がもてるのではないかということ、そして世の中にはその共感だけを求める人たちもいれば・・』とある。
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私には同性愛者の心情を完璧に理解することはできませんが、少なくとも恋に落ちる心情は異性愛も同性愛もあまり変わらないものなのだろうなということは思った。ハイスミス作品という先入観やテレーズの揺れる想いから、常に不安感が漂っているかのようで、最後に何か起こるのではないかとハラハラしな...
私には同性愛者の心情を完璧に理解することはできませんが、少なくとも恋に落ちる心情は異性愛も同性愛もあまり変わらないものなのだろうなということは思った。ハイスミス作品という先入観やテレーズの揺れる想いから、常に不安感が漂っているかのようで、最後に何か起こるのではないかとハラハラしながら終盤読み進めていましたが、思っていた以上に直球の恋愛小説だったことに驚きました。 男性でも女性でも、一途に人を愛せる人っていいなあと思いました。
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映画化で話題となり、観る前に読もうと思った。1950年代という背景を意識すると、とてもリアルに描かれているのを感じる。 同性愛者の筆者による女性2人の描写は説得力があるが、そういう前提を取り払い、切ない愛の物語、成長する若い女性、夫婦仲に悩む女性の悲哀、といった方向で読むこともで...
映画化で話題となり、観る前に読もうと思った。1950年代という背景を意識すると、とてもリアルに描かれているのを感じる。 同性愛者の筆者による女性2人の描写は説得力があるが、そういう前提を取り払い、切ない愛の物語、成長する若い女性、夫婦仲に悩む女性の悲哀、といった方向で読むこともでき、どのテーマにおいてもしっかり描かれていて重みがある。
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1回目の感想 映画を観てから原作を読んだ。原作のキャロルは、脆さであったり危うさであったりがよく表現されていて、より人間らしく感じられた。テレーズが、キャロルをただ美しい理想の人間ではなく、現実の人間としてとらえはじめたところにテレーズの成長がある。 この2人の織り成す関係性...
1回目の感想 映画を観てから原作を読んだ。原作のキャロルは、脆さであったり危うさであったりがよく表現されていて、より人間らしく感じられた。テレーズが、キャロルをただ美しい理想の人間ではなく、現実の人間としてとらえはじめたところにテレーズの成長がある。 この2人の織り成す関係性がとても美しい。人が求め合うとか惹かれあうといったことは、本来簡単なことではないはずでうまいこといくものでもないのだろうけれど。
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Edward Hopperの表紙が印象的で手に取ったところ、サスペンスの女王として知られるパトリシア・ハイスミスの恋愛小説だという。恋愛の中にもサスペンスもあるのだろうと思っていたが、これが完全なる恋愛小説でした。しかし、終始ハラハラしながらこの結末がどうなるのだろうと読ませる筆...
Edward Hopperの表紙が印象的で手に取ったところ、サスペンスの女王として知られるパトリシア・ハイスミスの恋愛小説だという。恋愛の中にもサスペンスもあるのだろうと思っていたが、これが完全なる恋愛小説でした。しかし、終始ハラハラしながらこの結末がどうなるのだろうと読ませる筆力はさすがで、気が付いたら時間を忘れて最後まで読み終えてしまうほど。是非、クリスマスを迎えるこの時季に読んで欲しい一冊です。来年公開の映画も期待大です!
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著者の作品は初めて読むので難しいかなと思っていたら、二人の行方が気になって一気に読んでしまいました。作中でキャロルが話す様に同性を好きになるか異性を好きになるかの違いは、ほんの少しの差しかないのではと思いました。とても普遍的で素敵な恋愛小説だと思います。
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意外とサクサク読めた。映画化されると聞いて読みましたが、そんなに盛り上がりがあるわけでなく、どんな展開になるのか逆に楽しみです。キャロルの素敵さか想像でき、また子供っぽかったテレーズが毅然としていく姿が頼もしく思えました。映像でみたら、いろんなところが印象に残りそう。
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2015年の冬にもっと小説を読もうと、手にした一冊。 映画「リプリー」の原作と同じ著者でした。 映画の配役を知ってるので、キャロルが出てくるたびにケイト・ブランシェットでイメージしてしまいますが、30歳そこそこという設定なのですね。 もちろん携帯電話がないので、職場の電話にかけ...
2015年の冬にもっと小説を読もうと、手にした一冊。 映画「リプリー」の原作と同じ著者でした。 映画の配役を知ってるので、キャロルが出てくるたびにケイト・ブランシェットでイメージしてしまいますが、30歳そこそこという設定なのですね。 もちろん携帯電話がないので、職場の電話にかけたり、カードを添えて連絡を取りあうところに「古き良き時代」を感じます。
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キーンと硬質で、なめらかで、上等で、確かに「最高の恋愛小説」と言っていい。 女2人の逃避行には「テルマ&ルイーズ」を連想させられもする。比喩も素晴らしい。危うさ、不安定さ、ピリッとスパイシーな感じは、さすがハイスミス。 ラストは私の予想を裏切ってくれて、面白かった。2016年のっ...
キーンと硬質で、なめらかで、上等で、確かに「最高の恋愛小説」と言っていい。 女2人の逃避行には「テルマ&ルイーズ」を連想させられもする。比喩も素晴らしい。危うさ、不安定さ、ピリッとスパイシーな感じは、さすがハイスミス。 ラストは私の予想を裏切ってくれて、面白かった。2016年のっけから星5つ。
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パトリシア・ハイスミスの恋愛小説。これが本邦初訳だそう。 主人公は女性、そして恋愛の相手も女性ではあるが、ストーリーはごくストレートなロマンス小説。ただ、2人の女性の心理描写や、第二部に入ってからの緊迫感が非常にハイスミスらしい。 まだ偏見が強かった時代に執筆・発表されながら、希...
パトリシア・ハイスミスの恋愛小説。これが本邦初訳だそう。 主人公は女性、そして恋愛の相手も女性ではあるが、ストーリーはごくストレートなロマンス小説。ただ、2人の女性の心理描写や、第二部に入ってからの緊迫感が非常にハイスミスらしい。 まだ偏見が強かった時代に執筆・発表されながら、希望の持てるラストシーンも良かった。
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