色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 の商品レビュー
『「それはそうと、スフレを一口食べない?とてもおいしいわよ。」 「いや、君が最後の一口まで食べればいい。」』 なんだろう、『スプートニクの恋人』あたりから村上春樹が好きではなくなった気がする。おそらく、あまりありそうにない会話が気に入らなくなってしまったのかもしれない。 本...
『「それはそうと、スフレを一口食べない?とてもおいしいわよ。」 「いや、君が最後の一口まで食べればいい。」』 なんだろう、『スプートニクの恋人』あたりから村上春樹が好きではなくなった気がする。おそらく、あまりありそうにない会話が気に入らなくなってしまったのかもしれない。 本作も読んでいてイライラした。物事をはっきりさせない春樹の主人公は、もう、嫌いだなぁ。 それは、自分が、社会に染まり過ぎたからなのかもしれないけれど。
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文庫になってたから読んでみました。 おもしろかったけど、衝撃はなかったかな、、、、分量の問題もあるかもですが
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2016年2月26日 読了 なんだかんだで初めて読んだ村上春品。 二晩で一気に読めた。 言葉にするのは困難な微妙な人間関係を題材にしたストーリーはとても面白いと思ったけれど、灰田のことや紗羅の気持ちなど最後まで腑に落ちない部分が多かった。 自分にとっての過去の辛い思い出につ...
2016年2月26日 読了 なんだかんだで初めて読んだ村上春品。 二晩で一気に読めた。 言葉にするのは困難な微妙な人間関係を題材にしたストーリーはとても面白いと思ったけれど、灰田のことや紗羅の気持ちなど最後まで腑に落ちない部分が多かった。 自分にとっての過去の辛い思い出について、目を背けながら記憶を隠すことは簡単だけれど歴史を変えることはできない。/ わけもなく苛酷な目にあわされ自分は被害者だと考えて心に傷を負っていると感じることは、人間関係においてよくあること。でも、本当は被害者であるだけではなく、同時に自分も気づかないうちに誰かを傷つけていることがあるのかもしれない。/ だからこそ、自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見なければいけない。的なメッセージ。
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文庫になってたので購入。色彩を持たないっていろんな意味があったんだな。過去は消せなくとも、少しでも未来に救いがあればいいなと思った。
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最後モヤモヤするけど、ストーリーがどんどん読み進められるようにできてた。 それにしても、贅沢な悩みだわ。
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村上春樹の文章は年を追うごとに大人しく、綺麗にまとまっていると思う。かつてのような過激な特徴は少しずつ影を潜めているけれども、そこに息づく独特のリズムはやはり癖になるものがある。 ”鼠三部作”の頃から引き連れて来た主人公が、新たに一つ世界を開く物語であるように感じた。もちろん人物...
村上春樹の文章は年を追うごとに大人しく、綺麗にまとまっていると思う。かつてのような過激な特徴は少しずつ影を潜めているけれども、そこに息づく独特のリズムはやはり癖になるものがある。 ”鼠三部作”の頃から引き連れて来た主人公が、新たに一つ世界を開く物語であるように感じた。もちろん人物自体が連続している訳ではないが、自分が一つの空虚な容れ物だと考え、そこを人々が通り過ぎていくという感覚を持って生きている主人公が、自分を認める勇気を手にし、心から誰かを求めるようになる物語。 他の作品ほどに強く気に入ったというわけではなかったが、読んでいて力を貰える力強くて良い物語だと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多崎つくるは、ある日突然つくるを拒絶した高校の時の親友アオ、アカ、シロ、クロを忘れることができず、悶絶し、苦しみ、後のトラウマとして人生に大きな影を残す。 つくるは恋人紗羅の勧めで、拒絶の理由を知るために旧友を訪ねる。 クロは否定しているが、きっとシロもクロと同じく色彩を持たないつくるに想いを寄せていたのではないだろうか。 レイプされ受胎したシロがレイプ犯をつくるだと虚偽の証言をしたのは、「レイプ犯がつくるであったならまだ気持ちが救われ、子供も育てることができる」と思ったからで、レイプ犯をつくると証言したことで結果としてつくるを拒絶し心のバランスを崩していったのではないだろうか。 そしてクロは、つくるがフィンランドを訪ねた今でもつくるに想われたシロに嫉妬しているのだろう。 読み終えてからyoutubeでル・マル・デュ・ペイ を聞いた。読中、ル・マル・デュ・ペイ が常に聞こえていたような気がした。
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いままでの村上作品とは何かが違う、違和感をもつ作品だった。 要所要所で”君・僕”や”回りくどいセンテンス”等々が出てくるので「ああ」春樹作品だと認識するのだが・・・。 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」や「ねじまき鳥クロニクル」などの村上不思議ワールドが好きな人は読...
いままでの村上作品とは何かが違う、違和感をもつ作品だった。 要所要所で”君・僕”や”回りくどいセンテンス”等々が出てくるので「ああ」春樹作品だと認識するのだが・・・。 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」や「ねじまき鳥クロニクル」などの村上不思議ワールドが好きな人は読まない方がよいかも。 酷評が多い作品だと思うのだが、それは皆の期待が大きいだけであり、肩の力を抜いて読むべし。
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前の職場でルメートルのミステリーを返したらこれを貸してくれてた。 当時はストレス一杯だったせいか最初に読もうとして読めなかったけど、昨日読み始めたら一気に読んでしまった。
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こころとこころが、 深く本当に出会うことについての、 万能的満足感と、 非情な喪失感と、 痛むことを知らなければ、 真におもいやり、そして出会えないという、 限りなく普遍的な物語。 心象風景を描かせると、 やはり春樹は抜群である。 ここまで雄弁に、しかし静かであって、 的確な表...
こころとこころが、 深く本当に出会うことについての、 万能的満足感と、 非情な喪失感と、 痛むことを知らなければ、 真におもいやり、そして出会えないという、 限りなく普遍的な物語。 心象風景を描かせると、 やはり春樹は抜群である。 ここまで雄弁に、しかし静かであって、 的確な表現ができる人物も稀有である。
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