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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 文春文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2015/12/01 |
JAN | 9784167905033 |


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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
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商品レビュー
3.8
489件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めちゃくちゃ面白かった。村上春樹の世界観とは、極限まで誠実に自分の心に向き合い続けることでしか到達できない考え、思考、哲学のようなもの、ことを、限りなく正確かつ適切な言葉で、そして言い得て妙としか言いようのない鋭い比喩表現とともに言語化してくれる快感を与えてくれるものだと思う。これまで、何十冊も村上春樹の小説を読んできたが、通底してこの世界観は変わらない。 中でもこの作品の特徴は、比較的最近の著作のためか、初期の頃の、展開の荒々しさ?ある種の衝動性、暴力性のようなものは少なく、良くも悪くも、ものすごく綺麗に筋がまとまっている。中年に差し掛かろうとしている主人公が、あるきっかけで青春時代に負った心の傷に正面から向き合うことを決意するのだが、トラウマに向き合うことを通じて自分自身を理解していく旅を通じて、読者自身も、自分の心が整理され、心の奥の冷たい部分が少し溶けていくような、そんな温かさを感じることができる一冊。最後の結末を敢えて描かず、読後、読者が想像を膨らませる余地を残しており、自分自身の心と向き合うこと、そして結論には万人共通の正解なんてない、ということを暗示しているように思える。非常に芸術的。
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誤解から学生時代に仲良かった仲間達にハブられてしまい、その後少し時間が経ってから死んでしまおうとと思ってやめてから物語が始まる。当時の仲に合っていき、誤解がとけていく。あんまちストーリーは覚えてないけど、面白かった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
色々と考察もでき、最初からずっと村上春樹の世界観に浸れる読み応えのある本だった。 読み終わってからもずっと、彼らのことを考えている。沙羅はつくるを選んだのか。6本指は何のオマージュだったのか。読み終わってからもゆっくりその小説について考えられる本は、記憶に残る。 シロはクロと同様に、いたたまれなくなって名古屋を出たんだと思う。つくるの影や、あの頃を思い出してしまうから。シロを襲ったのはきっと誰でもない、彼女を見た目でしか判断しないヤツで、殺したのも彼女の中の闇。誰がとかじゃないんだろうな。 灰田は、シロやクロが女性だからだけでなく親密に思っていたという比喩で出てきたのかな。灰田に対しても、性欲というより、もっと親密になりたいと言う欲の表れが夢になって出てきたのではないか。 今まで嫉妬を感じなかったつくるに嫉妬をさせるために沙羅は浮気をしていないといけなかったんだろうし、沙羅も色彩を持たないので彼女もまた悩んでいたのかと思うと、浮気相手はきっと妻子持ちだったんじゃないか。 死ぬことや青春に対しての闇を抱えることは誰しもにあることだと思うし、その描写が相変わらずとても丁寧で、これこそが小説の醍醐味だと思った。映画ではなく、本を読む価値があるなぁと感じた。 クロと会うシーンがとてもお気に入り。つくるのことを好きでいてくれて、そしてそれを告白してくれてよかった。ハグも救われた。性欲が悪いんじゃなくて、うまく友情と切り分けられないのが難点なんだろうなぁ。青春は難しい。
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