マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ の商品レビュー
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13年続けた仕事を退職したアラフォーの元教員が、あらすじも何も読まずに手に取ったこの本、1話と2話を読んで運命めいたものを感じてしまいました。城之崎、柳田の気持ち、職場で感じること、なんかわかるわかるーと共感すること多々。 私ぐらいの年齢の女性にとって人生の最重要課題みたいに見えて、目をつぶる訳にはいかない結婚、出産。今でももちろん進行形で考えているお題ですが、この本をよんで改めて正解ないよねーと考えさせられます。 自分の人生の主人公は私しかいないし、自分の納得が大事だということもわかっている。でも人の目に自分がどう映っているのかが気にならないといえば嘘になる。この本に出てくる人たちはシャールの料理をきっかけに自分の生き方とか自分らしさ、自分の人生に正直に向き合いますが、私も焦らずに今はゆっくり気のむくままに過ごすことにしよう。
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いわゆる飯テロ本が好きな私ですが、最近は飲食店を舞台にした連作短編が多くて、しかも玉石混交で食傷気味になり読むのを控えておりました。が、これはもっと早く読めば良かったと後悔しました。たくさんのものを失い、傷ついたドラァグクイーンのシャールさんの賄いカフェだから、悩み傷ついている人...
いわゆる飯テロ本が好きな私ですが、最近は飲食店を舞台にした連作短編が多くて、しかも玉石混交で食傷気味になり読むのを控えておりました。が、これはもっと早く読めば良かったと後悔しました。たくさんのものを失い、傷ついたドラァグクイーンのシャールさんの賄いカフェだから、悩み傷ついている人の心と身体に効く料理ができ、立ち直り前に進むきっかけになり得るのでしょう。心配になってしまうような最終話でしたが、続編があるということは大丈夫なのでしょう。もちろん、続編も読みます。
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映像化も見てみたい。人はあれだけど、お店の内装とか昼のお店に出してるものとか興味ある。お客として出会う人のエピソードもいいけど、旧友が常連になってるのがいい。
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久しぶりに読後に涙が。キャラが際立っているせいか、軽いタッチで書かれているように感じるけど、実はそうじゃなくてとても大切な事をシャールは言っている。お料理の描写も美味しそうだけどその上をいくシャールの言葉にいちいち頷かずにはいられませんでした。ジャダも困った所があるけど素敵な人。...
久しぶりに読後に涙が。キャラが際立っているせいか、軽いタッチで書かれているように感じるけど、実はそうじゃなくてとても大切な事をシャールは言っている。お料理の描写も美味しそうだけどその上をいくシャールの言葉にいちいち頷かずにはいられませんでした。ジャダも困った所があるけど素敵な人。義理人情に厚くて応援したくなります。ジャダがメインの最後はずっと涙腺緩いままでした。マカン・マランのようなお店があれば救われる人も増えるはず。こんな作品があったなんて…出会えて感謝です。シャールは戻ってくるはず。続きが楽しみです。
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ドラァグクィーンが深夜にだけ開店する、夜食カフェ。そこに訪れるのはほとんどが常連ばかり、でも時々、日常に疲れた人が不意に現れる。胸をえぐるような鋭い心理描写と、ドラァグクィーンの深みある一言が印象に残る。
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ひさしぶりによい本読んだー。 人生は甘くないっていう。 でも、すんごくこころがほっこりした。 ひたすら料理がおいしそうで。 シャールさんの生き様が素敵だったな。 ほかの登場人物のみなさんも。 古内さんの他の本も読んでみたい◎
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マカン・マランは、夜食って意味なんだそう。とても体によくて美味しそうな料理が出てくる。弱っているときには、たまらんな。続きが読みたい!
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「でも、先生の言うことにも一理あるわ」シャールの凛とした声が明るい部屋に響く。 ハナミズキの丸い葉っぱが鮮やかに繁る中庭からの日差しが部屋を満たし、頭にターバンを巻いた化粧気のないシャールは、スフィンクスのように堂々として見えた。
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昼はド派手なオーダードレスの店。 そこは、夜になると、長身でハンサムなドラァグクィーン・シャールが、深夜に食べても胃にもたれない夜食を提供する店、「マカン・マラン」になる。 これは、「マカン・マラン」でシャールと出会った人たちの物語。 心身ともに疲れきった誰かがこの店にたどり着いた時、シャールは誰にでも分け隔てなく、その人の心身にぴったりな、優しさにあふれた料理やお茶をふるまってくれる。 そして、その人たちは、また次の日に立ち向かう元気をもらったり、世界にひとつの自分の体をいたわることに目覚めたり、自分だけの夢を思い出したりして帰っていく。 終章では、シャールはかなり深刻な病と闘うため、店にはいない。 けれど、「マカン・マラン」の常連客たちは、毎年お正月にシャールが作る、とっておきの特別なスープを、何日もかけて作る。 新しい年に、シャールがまた帰って来ることを願って。 いいなー、こんな店… 仕事、帰る、風呂、寝て起きたらまた仕事の繰り返しの日々に、こんな店でのひとときが挟まっていれば、かさかさのペラペラに消耗した人生が、実はどんなに豊かな人生かということを、忘れずにいられそうな気がする。 現実世界に「マカン・マラン」が見つからないうちは…そして、家族のためには寄り道する時間も惜しいうちはどうするか。 まず我が家を居心地よく整えること、毎日は無理でも、たまの週末にはひとつくらい、手をかけたおかずを仕込むことから始めようか。 なお、読了してすぐ、たまたま続編が発売になっていた。 ということは、余韻を残して終わったストーリーには続きがあり、シャールも戻って来るんだ! わくわくしながら、早速本棚に登録。 読書状況は、"早く読みたい"。
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おいしい料理と心温まる話を絡めた短編集だろうと思ってましたが、人生の苦しさ辛さがスパイスになってる、少しほろ苦い内容でした。シャールさんが本当にいたら、どんな時でも安心できそう。心が弱ったときにこの店に行ってシャールさんの手料理とお喋りで癒されたら最高ですね。
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