あこがれ の商品レビュー

3.9

125件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    31

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2026/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実はベガティーが主人公だったのかもしれない。麦くんはあだ名をつける名人で、カタカナの名前ばかりでなぜか日本じゃないみたいな感覚が初めはあるけど、読んでいくうちに和なところとか、懐かしい風景とか、自分の体験と重なって鮮明になるところがあって、ああやっぱり日本なんだなと思わせる。2人とも片親を亡くしていて、なんだか少し大人びた2人。けど自分も小さいときは結構年齢のわりには大人っぽい考えをしていたような気がする。なんとなく。ベガティーのお父さんが実は再婚していて前の奥さんとの間に子供がいたという話は、きっと自分ならヘガティーと同じくらい動揺してしまうかもしれなくて、それは姉が高校生だから落ち着いてるってことはあんまり関係ないことのように思えた。けど、姉くらいさっぱりした考えが出来たら、もっともっと楽になれるのになぁと思った。 そしてみんなこっそりだれかを気遣ってる。麦くんはこの年齢なのにやることがイケメンだ。麦くんを好きになった3人組の1人は見る目があると思う。ヘガティーのお母さんへの手紙はなんだかじーんときた。 『この瞬間にいろんな場所に数えきれないくらいの人がいる。生まれてくる人、死んでゆく人、あした自分が死ぬなんてわかっていないけれど死んでしまう人、うれしい人、悲しい人、そして食べるものがなくてうずくまったり、泣いたり叫んだり、逃げる力もなくてもうだめだと思ったり、苦しんだり怒ったり、それからやっぱりときどきは笑ったりして、その出来事のまわりで、今日も誰かが、生きてるんだと思った。』『自分の知らないどこか遠くのうんと遠くで、おなじように誰かが、おなじように何かを思ってそこにいるのだ。いつもどこかで。そう思うと、自分がたったいまこの場所にいて何かを考えているということが、とても不思議なことのように思えた。どんなに世界が広くても、どんなにたくさんの人がいても、今私がいるここは、ここにしかなくて、そしてそれが、ありとあらゆるところで、同時に起きているのだ。すべての人に。すべての物に。それは不思議なことのように思えた。』 この一瞬を大事にしたいと思った。ポップコーンを食べながら映画を見たりもしたい。アルパチーノ。

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2026/01/28

川上未映子さんの作品の中で一番好き。 麦くんとヘガティーを視点を通して、子どもの頃、言葉にできないけど気になって仕方がなかったこと、なんだか嫌だったことがあったなー、と思い出した。 夕焼けや枯葉、涙の表現も子どもの頃は不思議な気持ちで観察していたのに、大人になったらすっかり忘れて...

川上未映子さんの作品の中で一番好き。 麦くんとヘガティーを視点を通して、子どもの頃、言葉にできないけど気になって仕方がなかったこと、なんだか嫌だったことがあったなー、と思い出した。 夕焼けや枯葉、涙の表現も子どもの頃は不思議な気持ちで観察していたのに、大人になったらすっかり忘れていた事に気づかされた。 ミセスアイスサンドイッチの姿はありありと目に浮かび、大好きな優しいおばあちゃんとの交流のシーンも心に残る。 ヘガティーがお母さんに書いた手紙は涙が止まらなかった。 麦くんとヘガティーは一緒に成長し、これから先もずっと心の支えになるような大切な友達なんだろうな、と温かい気持ちになった

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2026/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大人が思うよりも世の中の摂理をすでに分かっていて、でもまだまだ純真無垢な小学生の麦くんとヘガティーが主人公のお話。 前半は麦くんの目線で、彼の家庭や小学校生活が描かれる。周りの人の意見で自分の気持ちが左右されてしまうことってすごくある。でもあこがれのミス・アイスサンドイッチと直接話せて、噂なんて吹っ切って自分で真実を確かめることができてよかった。それもヘガティーが「会える時に会いに行かなきゃ」と教えてくれたから。お母さんも決して悪い人じゃないことや、おばあちゃんのあたたかさも印象的だった。 後半はヘガティーのお話。偶然お父さんが離婚していて、前の奥さんとの間に子どももいると知って、半分血のつながった自分のお姉さんを一目見たいと、麦くんに前半で伝えた「会える時に会いに行かなきゃ」を実行。ところがお姉さん、実のお父さんのことなんてどうでも良い、死んでも正直なんとも思わないなんてことまで言って、ヘガティーは傷ついてしまった。さらにはお姉さんに会いに行くことはヘガティー以外のみんなが知っていたことで、ヘガティーは怒って知らない街を走りまわる。その後きちんと麦くんに謝れたヘガティーは私より大人だと思う。腹違いの姉は本当にどうかと思う。実のお父さんなんて関係ないって自分に言い聞かせるために強い言葉を使って、ある意味ヘガティーより子どもだ。 お母さんが亡くなった時から出しっぱなしのクリスマスツリーの下で、お母さんに手紙を書くところで号泣してしまった。お母さんはヘガティーのことをずっとずっと見守ってくれているよ。そして翌朝、お父さんにクリスマスツリーを片付ける提案をする。お母さんはツリーを出していなくても、ヘガティーの心の中にいる。 麦くんもヘガティーも、幼いながらも自分でたくさん考えて毎日を懸命に生きている。その時には絶対に忘れないと思った小学生の日々が微笑ましく懐かしく、彼らの強さは私の憧れになった。 麦くんがクラスメイトにつけたニックネームや出てくるものものたちによって、海外のお話を読んでいるような気持ちなる。 セリフが多くて読みにくい部分もあるけど、大人にこそおすすめしたい一冊。

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2026/01/11

小学生の男の子、女の子が主人公の話がひとつずつ収録されている。 特に後半の話で、感情が整理できてなくてぐるぐる考えてしまう時、こういうふうだよなあ、と、共感できるとこが多かった。そこが今まで読んだ他の小説とは違う気がして、とても良かった。

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2025/10/15

おならが紅茶の匂いだから"ヘガティー"。 ひどいあだ名だけど、なんだかかわいい。 アオのセリフ以外は、あまり最近の川上未映子さんらしからぬ雰囲気だな、と思ったけど、そうか、10年前か。そこまで昔ではないのだな。 ヘガティーと麦が幼く感じられて、小6よりは小...

おならが紅茶の匂いだから"ヘガティー"。 ひどいあだ名だけど、なんだかかわいい。 アオのセリフ以外は、あまり最近の川上未映子さんらしからぬ雰囲気だな、と思ったけど、そうか、10年前か。そこまで昔ではないのだな。 ヘガティーと麦が幼く感じられて、小6よりは小4くらいの設定がいいのでは…?とそこが引っかかったのだけど、『あこがれ』というタイトルにそぐう美しくてきらめいたもの(手作りの苺ジャムや、9年前からそのままになったクリスマスツリー、壁一面の映画のDVD、ふかふかの絨毯や、ウールとコットンという名前の犬たちなど)がちりばめられていて、甘美な気持ちになれる小説。それでもヘガティーや麦彦の葛藤が等身大で綴られている人間味のようなものも感じられる。 かなり良かった。

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2025/08/27

麦くんとへガティーには、ずっと仲良しでいてほしいなと思った。ヘガティーのお姉さんに会いに行った帰りに、自分だけが何も知らなかったことがわかり、悲しくてバカバカしくて泣きながら走るところがウルっとした。でもすぐに落ち着いて、一緒に来てくれた麦くんに謝れるところが、まだ小学生なのに感...

麦くんとへガティーには、ずっと仲良しでいてほしいなと思った。ヘガティーのお姉さんに会いに行った帰りに、自分だけが何も知らなかったことがわかり、悲しくてバカバカしくて泣きながら走るところがウルっとした。でもすぐに落ち着いて、一緒に来てくれた麦くんに謝れるところが、まだ小学生なのに感情をコントロールできててすごかった。ヘガティーというあだ名の由来が面白かった。

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2025/05/02

初めて川上未映子さんの作品を読んだ。 麦くんとヘガティーの関係性の美しさはもちろんだが、ミスアイスサンドイッチの存在に強く心惹かれた。 きっと、特に美人でもない、すごい経歴を持ってるわけでもない、でも独特の存在感と美しさを持ったサンドイッチ屋さんの店員。1人の小学生の男の子をあそ...

初めて川上未映子さんの作品を読んだ。 麦くんとヘガティーの関係性の美しさはもちろんだが、ミスアイスサンドイッチの存在に強く心惹かれた。 きっと、特に美人でもない、すごい経歴を持ってるわけでもない、でも独特の存在感と美しさを持ったサンドイッチ屋さんの店員。1人の小学生の男の子をあそこまで魅了する魅力がある。 脚光を浴びなくても、「なんでもないけどすごい人」は街に沢山いて、こういう人に焦点を当てる小説に何者でもない私は「私もこの世界にいていいんだ」と思わされ救われる様な気持ちになる。

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2025/01/26

二人の子供の視点で描かれた二章構成。大人世界の不思議さや憧れを小学生の言葉で描かれ読みやすく仕立てています。うれしかったり、傷ついたりと子供ならではの感受性で体験しやがて大人へと成長していく物語。ヘガティーのネーミングは笑えました。

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2025/01/13

小6の時の、これから未知の中学に解き放たれる不安なあの気持ちを思い出しながら読んだ タイトルのあこがれとは麦くんにとってはミスアイスサンドイッチで、ヘガティーにとっては亡くなったお母さんなんだろうな 1章ではヘガティーが麦くんに『会いたいときに、会いたい人がいてさ、会えるんだ...

小6の時の、これから未知の中学に解き放たれる不安なあの気持ちを思い出しながら読んだ タイトルのあこがれとは麦くんにとってはミスアイスサンドイッチで、ヘガティーにとっては亡くなったお母さんなんだろうな 1章ではヘガティーが麦くんに『会いたいときに、会いたい人がいてさ、会えるんだったら、ぜったい会っておいたほうがいいと思うんだよね』と言って背中を押していたのに、2年後の2章では反対に麦くんがヘガティーの背中を押していてグッときてしまったよ

Posted byブクログ

2024/11/24

読みやすかった 小学生の麦くんとヘガティ 自分の力ではどうすることもできない出来事や大人の事情に、子供なりに頭を悩ませ考え対応していく 1人じゃなくて良かった アルパチーノと言い合える友が居て良かった

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