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終わった人 の商品レビュー

3.7

173件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

    5

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    5

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2017/02/12

私は女性で定年も迎えていないのに、主人公に共感というか解る解ると思ってしまう。作家さんの魔法だ。 途中二人の社長が出てくるのだけど、地味で小さくやってる社長の方がベントレー乗って役員に週三日勤務で年棒800万とかド派手な事やってる社長より、リーマンショックの後生き残ってたなぁと思...

私は女性で定年も迎えていないのに、主人公に共感というか解る解ると思ってしまう。作家さんの魔法だ。 途中二人の社長が出てくるのだけど、地味で小さくやってる社長の方がベントレー乗って役員に週三日勤務で年棒800万とかド派手な事やってる社長より、リーマンショックの後生き残ってたなぁと思い出したり。 後半、主人公が故郷へ野球を見に帰ってかつての同級生と再会する場面はもう色々な意味で涙涙。 最後、少しビターな読後感。各所に石川啄木の句が出て哀愁を感じる…。

Posted byブクログ

2017/02/06

共感する人続出!という謳い文句に惹かれて読んでみました。 主人公は東大卒の超エリートサラリーマン。 バリバリ働き役員目前だったが出世競争から脱落し、不本意なまま子会社に転籍させられる。 その後も返り咲きを志し奮闘するも結果を出せず、そのまま定年を迎えるところから物語は始まります...

共感する人続出!という謳い文句に惹かれて読んでみました。 主人公は東大卒の超エリートサラリーマン。 バリバリ働き役員目前だったが出世競争から脱落し、不本意なまま子会社に転籍させられる。 その後も返り咲きを志し奮闘するも結果を出せず、そのまま定年を迎えるところから物語は始まります。 趣味はなく、仕事が生き甲斐で家庭を顧みない生活を送っていたせいで妻子とも距離があり・・・そんな主人公の定年後の戸惑いが上手に描かれており、ステレオタイプな人物像ではありますが、それが逆にウケているのではないか、と肯定的にとらえてあげたくなる面白さです。 超エリートではありませんが、私の父を思い出しました。 定年直後は、わざわざ1時間以上かけて勤務していた職場の近くの東京の病院にスーツで出掛けてしまう(!)ところとか、主人公と通じるものが(笑) 今は町内会でゴルフクラブを立ち上げたり、生涯大学に通ったりしています。 父のことが頭にあるせいか、「いくらエリートでも畑違いの業種で代表者出来ないでしょう」「資産の名義替えくらいやっておくでしょう」「最後は故郷だなんて安直過ぎない?!」などなど、よく考えると突っ込みどころが満載なんですけど、内館さんが書いたものですし、コメディタッチの連ドラを観てる感覚だと思えば、なんでも許せてしまいました☆ 面白かったけど、父にはオススメ、しないかなあ。。

Posted byブクログ

2017/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 東大法学部を卒業し、メガバンクに就職。出世街道まっしぐら…のはずが、結局子会社の専務として定年をむかえる。御年63歳。  さてここからが物語の始まり。定年し、いわゆる「終わった人」を受け入れられない田代は、ジムをに通ってみたり、就活に挑戦してみたり、大学院受験をめざしてカルチャーセンターへ行ってみたりと涙ぐましい。若い女性にアプローチをかけてみるもののうまくいかず、自分の生きがいは仕事でかけずり回ることだとあらためて認識する。  定年してから9ヵ月後、状況は一変する。ジム仲間のIT企業社長鈴木から乞われてその会社の顧問になり、それからわずか3ヶ月で鈴木が亡くなり社長として超多忙な日々を送ることになる。が、それもつかの間、取引先の倒産で負債をかかえることになり、ついには鈴木から預かった会社をつぶしてしまう。社長としての個人負担額9千万円。果たして社長業を受けたことが良かったのかどうか…。  しかしIT企業に入ってから倒産までの2年間、田代は充実していた。輝いていた。たとえ小さくても一国一城の主になったわけだし、財産が減っても後悔はない。以前のように仕事を熱望することもなく、「終わった人」をすんなり受け入れ、いわゆる「成仏した」のだ。若いとそうゆうわけにはいかない。65歳という年齢が、最悪の状況を穏やかに受け止めるフィルターになったのだ。  が、奥様としては穏やかには受け止められない。なにせ9千万円の損失なのだ。定年後、「終わった人」としてのんびりと趣味に生きてくれていれば、豊かな生活が待っていたのに…。気持ちはよくわかる。人生台無しにしてくれたんだから。でも怒りってそんなに持続するもんなんだろうか。ずっと口をきかず、リビングで朝までうたた寝をしてしまっている旦那様にブランケットをかけてあげるぐらいの愛情も持たず、それって、会社が倒産する前から夫婦の危機が忍び寄っていたのではなかろうか。倒産はいいきっかけになっただけで、いずれは別居する運命にあったんではなかろうか。終わった旦那といきいき働く妻という構図で。  いずれにしても、別居してお互い気兼ねない暮らしをスタートさせてハッピーエンド。まったりと始まった小説だけど、中盤からめまぐるしく話が展開し、そして最後は故郷盛岡ののどかな風景で幕を閉じる。ドラマ化してほしい、良質な小説だ。

Posted byブクログ

2017/02/02

自分はまだ定年には遠いけれど、きっと高学歴で大企業に勤めバリバリ企業戦士としてやって来たサラリーマンの心持ちは多かれ少なかれこんな心境あるんだろうなあと思わずにはいられなかった。 定年退職した男の仕事に対する未練や社会から取り残されるという焦燥感、その一方で「終わった人」と思われ...

自分はまだ定年には遠いけれど、きっと高学歴で大企業に勤めバリバリ企業戦士としてやって来たサラリーマンの心持ちは多かれ少なかれこんな心境あるんだろうなあと思わずにはいられなかった。 定年退職した男の仕事に対する未練や社会から取り残されるという焦燥感、その一方で「終わった人」と思われたくがないための見栄と意地、同じ境遇にある人に対する「俺は違う」という見下し感。身も蓋もないっちゃあ身も蓋もないけれど、でも人間ってこんなもんだよね。ただ、これは高度成長期を体験したサラリーマンのお話だからこうなるのであって、今の若い人が退職する頃にこういう感覚の人は確実に今よりは少なくなっているだろうなとも思う。

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2017/01/31

今だに頼っていた母が、私が守る立場になって、自分の定年も見えてきた。私も「終わった人」ソフトランディングするって難しい。50でパパになる人もいる中、感慨深い話でした。

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2017/01/11

読後がなんとも好きになれず。結末はこういうものだとしても、ストーリーが浅くて展開が色々と急すぎたからかと。言われてるほどオススメはしないかな。

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2016/12/29

定年退職後の人生。今の自分にかぶって感情移入して物語に引き込まれた。好きになった久里と友人のトシの関係は、いかにもこじつけたドラマ向けの設定だが、何もすることがなくなり自分をもてあます心境やどのように過ごしたらよいか迷うところなどその通りだと思う。人間、社会に役立つ存在である時が...

定年退職後の人生。今の自分にかぶって感情移入して物語に引き込まれた。好きになった久里と友人のトシの関係は、いかにもこじつけたドラマ向けの設定だが、何もすることがなくなり自分をもてあます心境やどのように過ごしたらよいか迷うところなどその通りだと思う。人間、社会に役立つ存在である時が一番充実感があるが、終わった人はこれまでの社会では受け入れられない。別のやり方で社会に貢献できる方法を探っていくしかないのだろう。若い時に社会的な地位が高かった人ほど、プライドが強く新しいポジションにソフトランディングするのが難しい。衰え、弱くなることを受け止める品格をもつこと。

Posted byブクログ

2016/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

定年後仕事という生き甲斐をなくすと、どうやって時間を潰したらいいのか。終わった人と表される言葉とともに、いずれ自分もその立場になるのだろうかと暗くなる。

Posted byブクログ

2016/12/21

何だか後味が個人的にはどうも悪くて、 人間生きていって、定年迎えたらそんなもんなのかなぁ…と思ってしまった。 でもきっと飾らずありのままの人生を書けばきっと人間行き着く場所はみんな同じだからある意味とってもリアルな小説なのかも。 社会から定年と共にいきなり放り出される感じは分かる...

何だか後味が個人的にはどうも悪くて、 人間生きていって、定年迎えたらそんなもんなのかなぁ…と思ってしまった。 でもきっと飾らずありのままの人生を書けばきっと人間行き着く場所はみんな同じだからある意味とってもリアルな小説なのかも。 社会から定年と共にいきなり放り出される感じは分かるけど、長年連れ添った伴侶に対してまで冷めきった関係にはなりたくないな…大切にしよう。 と、心に密かに誓った。

Posted byブクログ

2016/12/20

内館牧子「終わった人」読了。 内館ファンには悪いけど、シナリオの下書き、絵コンテを文字に表したよう。主人公の心の機微に表現も浅薄。内容も、一ヶ月テレビ漬けになったら、ネタを集められそう。ドラマ化するんでしょうね。

Posted byブクログ