Aではない君と の商品レビュー

薬丸岳(著者)

2016/08/18

加害者側の目線に立って描かれる薬丸岳の小説は、正直読んでてすごくしんどい。楽しむ読書が好きな俺には正直「しんどい思いして読んでオモロいか？」と思ってしまうことしきりである。そのしんどさが【文章が難しい】とか【ボリュームたっぷり】とかなら「挑んでやろうじゃないか！」って意気も上がるし、【つまらない】のであれば、とっとと見切りをつけるのだが。

【他人事とは思えない】っていうんだから始末に悪い。俺も親のはしくれである、幸い娘は至極まっとうに育ってくれているが、いつなんどき、どういう風になるか分からない。この小説みたいになる可能性だってあったわけである。いや、これからだって…。

息子が友達を殺害した、そのとてつもないショックを抱え（乗り越えるなんてとんでもない）つつ、何を感じ、何を考え、どう行動するのか。その一挙手一投足に感情移入し過ぎてツラすぎる。

世の中では各種の未成年による悪辣な犯罪事件が慢性的に発生している、いや、成人による犯罪にしろ、そいつには親がいるわけで。よく「親の顔が見てみたいわ」というが、殺人犯の親は、一体どういう顔をしたらいいんだろうか。人の命を奪った罪を償うって何をどうすれば、させればいいのか。

そういう一つ一つがグイグイ突き刺さってほんと重い小説だった。グイグイと読ませる出来の良い小説である。しかし【楽しかった】という読後感は全くない。ただ、こういう小説も読んでおいて損はない。絶対に損はない。

2016/07/28

加害者の親、加害者である少年、日々起こる事件の当事者はどう過ごすのかに興味があったので、さくさく読んだ。
この作品は被害者にも若干非があるような設定だったけど、現実には、ただ人を殺したかった、というような事件もある。
その加害者、被害者、関わる人たちの気持ちになるとなんとも言えない。
時代にマッチした本だった。

2016/07/22

人の命を奪うのと、動物の命を奪うのはどちらが罪深いの？心を殺すのと、体を殺すのは、どちらが罪深いの？

2016/07/19

2016/7/19

離婚し、別居している中学生の息子が遺体遺棄容疑で逮捕された。
少年事件の加害者の父親。
読んでいるとやっぱり被害者よりの心情になってしまって、加害者の親として謝罪を1番に考えてしまうけれど、加害者である息子の理解者であり味方でなければならない。難しいなぁ。
「正解は何年、何十年経ってからでないとわからない」本当にそうだろうな。

2016/07/17

久しぶりに読んだ薬丸岳さん。
やはりテーマは少年犯罪。
最初はなかなか展開していかずに、どうなるのかと思いながら読み進めた。
殺人を犯しても反省するでもなく、語らない中学生の息子。
対峙する父親が等身大で引き込まれる。
今の子は分かりにくい…なんて言うけど、表立った言葉を語らなくてもみんないろいろ考えて懸命に生きてる。
動物大好きな私には少年の気持ちや言葉には共感できる面も多々…。
真摯に向き合う事と贖罪と更生。
どれも難しくて重たい。

2016/07/13

7月-5。4.0点。
離婚して母と住む14歳の息子が、友人を殺害したと
逮捕される。接見に行く父親にも、何も言わない息子。
警察にも無言を貫き、審判へ。
面白かった。相変わらず暗めだけど、グッときた。
次作も期待。

2016/07/08

子供を育てるって難しい…
今の時代、何処にでもあり得る設定だと思う。自分が加害者、被害者の親だったら…と思うと怖すぎる。

2016/06/14

最近はフィクションとは思えないような事件が沢山あり、
自分の周りでもすぐに加害者、被害者になってしまうような時代。
まだ子どもは居ないが、全く無関係ではないという読後感があり、ずーんと重くクル作品だった。

2016/09/21

翼は弁護士に何も話さない
どうなるんだろう、誰かをかばってるのかな
と思いながら、読み進めていった。
読後に、なにかすっきりしない感が残った。
止めることができたのだろうか
自分が加害者側だったら、被害者側だったら
２年で更生できるのか、２年で許すことができるだろうか
翼が殺人まで追い込まれた虐め、
優斗にも理由があったのだろうか
少年法について考えさせられる。

2016/06/07

今年１番グサッときた、、、「物事の良し悪しは別として、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ。」

親になったからか、こういう話に弱くなったか。

人を殺してしまった息子と、付添人になった父。

あのときあーすれば、こうしておけばと考えてももう遅い。どう子供と寄り添っていけばいいのか。考えさせられる本でした。