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Aではない君と の商品レビュー

4.1

141件のお客様レビュー

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    42

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

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2015/10/26

中学生の息子が……絶句してしまう。 うろたえて、どうしたらいいのか? p209「物事のよし悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ」 という吉永の父親の言葉にジーンときた。 ”どうして”というところを一緒に考えないと、起こってしまったことを元に戻すというこ...

中学生の息子が……絶句してしまう。 うろたえて、どうしたらいいのか? p209「物事のよし悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ」 という吉永の父親の言葉にジーンときた。 ”どうして”というところを一緒に考えないと、起こってしまったことを元に戻すということはできないのだから。

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2015/10/25

少年が同級生を殺害。加害者側の視点で描かれた作品。親子とは更正とは加害者と被害者とはと問い掛ける重い内容ながら物語に引き込まれた。何故少年は殺人を犯したかというミステリー要素もある著者らしい読み応えのある一冊。ラストが圧巻で容赦なく何ともやるせない。

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2015/10/17

吉永の息子・翼が死体遺棄容疑で逮捕された。しかし翼は弁護士に何も話さない。吉永は少年法10条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける「付添人制度」があることを知り…。 久しぶりに読み応えのある、薬丸岳らしい社会派ミステリーだった。自分の子供がこんな犯罪を犯したら親は…想像を絶す...

吉永の息子・翼が死体遺棄容疑で逮捕された。しかし翼は弁護士に何も話さない。吉永は少年法10条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける「付添人制度」があることを知り…。 久しぶりに読み応えのある、薬丸岳らしい社会派ミステリーだった。自分の子供がこんな犯罪を犯したら親は…想像を絶するが、父親の取った行動は十分に理解できるものだった。ネコが辛い目に合うのだけが私の気に入らない点だが、それを上回る力が確かにこの作品にはあった。 (A)

Posted byブクログ

2015/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

薬丸岳を読むのはこの作品が2作目なのだが、とてつもなく重たくて考えさせられる内容だった。ある日からいきなり、自分の子供が『少年A』と呼ばれるとは親としては夢にも思っていなかっただろう。少年犯罪は少年法に守られていて、表向きには実名公開などはされないがSNSが発達をした今、ネットでの実名公開などいとも簡単にされてしまうのだ。どんな理由があるにせよ、人を殺すのは良くない事だ。

Posted byブクログ

2015/10/14

さすが薬丸岳先生。「心を殺すのは許されるのにどうしてからだを殺しちゃいけなかったの?こころと体と、どっちを殺したほうが悪いの?」重い。読了後、なぜだか涙止まらない。

Posted byブクログ

2015/10/14

離婚して母親と暮らしている中2の息子が死体遺棄容疑で逮捕された。 しかし息子は誰にも何も話さない。 父親は少年法10条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける「付添人制度」があることを知る。 著者が得意とする、少年犯罪の物語。 父親が付添人になる事が、物語のポイントになっている...

離婚して母親と暮らしている中2の息子が死体遺棄容疑で逮捕された。 しかし息子は誰にも何も話さない。 父親は少年法10条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける「付添人制度」があることを知る。 著者が得意とする、少年犯罪の物語。 父親が付添人になる事が、物語のポイントになっている。 子供を持つ親の気持ちの葛藤と、罪を犯した本人が罪を償い更正することが如何に難しいかが重く淡々と綴られている。

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2015/10/12

子を持つ親にしてみたら、他人事ではない。 私は常に、もしも子供が事故にあったら?そして死んでしまったら?よもや殺されたりしたら?ということを常に考えながら生きてきた。怪我をさせられたり、怪我をさせたり、いじめにあったり、ということもあった。 人それぞれ、思うこと、考えることは違う...

子を持つ親にしてみたら、他人事ではない。 私は常に、もしも子供が事故にあったら?そして死んでしまったら?よもや殺されたりしたら?ということを常に考えながら生きてきた。怪我をさせられたり、怪我をさせたり、いじめにあったり、ということもあった。 人それぞれ、思うこと、考えることは違うし、いくらシュミレーションしてみたところで、実際はどうなるかわからない。それでも、何か事の起こる前に、それぞれの立場に立って考えてみることは大事だと思う。 小説を読んでいると、普段忘れて生きていることに気付かされて、しばし考えるきっかけになったりする。 本が連れて行ってくれる世界は、楽しいばかりではない。でも、現実を離れて、別の世界に連れて行ってくれる本をこれからも読んでいこう、と改めて認識させられた小説でした。

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2015/10/08

別居中の中二の息子が少年Aになった。 親としてどう立ち向かっていくか、被害者は何故殺されなければならなかったのか。 現実の事件も、色々な出来事が交錯して起こるのだろう。自分の子供たちだけは絶対事件など巻き込まれない、とは言えない現代社会。 色々な立場で考えてみる必要があるのでしょ...

別居中の中二の息子が少年Aになった。 親としてどう立ち向かっていくか、被害者は何故殺されなければならなかったのか。 現実の事件も、色々な出来事が交錯して起こるのだろう。自分の子供たちだけは絶対事件など巻き込まれない、とは言えない現代社会。 色々な立場で考えてみる必要があるのでしょう。

Posted byブクログ

2015/09/22

自分の息子が人を殺してしまったとき、親である自分には何ができるのだろうか。答えなど出ない問題をそれでも考え続けるしかないのだろう。おざなりの答えを提示するのではなく、読者に問いかける姿勢に真摯なものを感じます。

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2015/09/16

子どもを一人前になるまで育てるのって、本当に難しい。 育てている途中でたくさんの壁にぶつかる。そして不安が次々と押し寄せる。 何をやっても、どんな選択をしても、これで正しいのだろうかと繰り返し問い続ける。いや、問い続ける暇もないほど、子どもを育てる毎日に追われているのかもしれない...

子どもを一人前になるまで育てるのって、本当に難しい。 育てている途中でたくさんの壁にぶつかる。そして不安が次々と押し寄せる。 何をやっても、どんな選択をしても、これで正しいのだろうかと繰り返し問い続ける。いや、問い続ける暇もないほど、子どもを育てる毎日に追われているのかもしれない。 学校でいじめに遭っていないか、逆に誰かをいじめていないか、何かの事件に巻き込まれるんじゃないか、事故に遭うんじゃないか。毎晩、元気な顔を見てようやく一日分の安心を手に入れる。 けれど。元気な顔の裏に、何かが隠されているとしても、多分親は気付かない。 ある日、突然、14歳の自分の子どもが友人を殺したとして逮捕されたら…私ならどうするだろう。 まずは「うちの子に限って」と否定するだろう。けれど、それが事実だと本人から告げられたら、どうする。どうしたらいい。どんなことをしてでも子どもを守ろうとするだろう。あらゆる手を使って少しでも罪が軽くなるように、と駆けずり回るだろう。そこに、被害者への悼みの気持ちはあるだろうか。未成年者の事件が起こるたび、親が引きずり出される。カメラの前で謝罪させられる。そして一身に避難を受ける。そんな子供に育てた親の責任だ、と。確かにそうだろう。未成年なのだし、親の保護下にあるのだし。けれど、親にだって子どもの全てが見えているわけじゃない。見えていないという事さえ気づかないで毎日暮らしている。とくに離れて暮らしているならなおさら。 離婚によって別れて暮らしていた息子が突然「容疑者」として逮捕された父親の苦悩。分かっていなかった自分を責め、分かろうとしなかった自分を責め、最後のSOSを受け取れなかった自分を責め。けれど、そこで立ち止まらず必死で戦おうとした吉永は「A」となった息子のかすかに残る未来をつなぎとめた。 けれど、と物語の後ろに問いも見える。つなぎとめられるのは「生きているから」。ある日突然命を奪われた子はどうなる。子どもの未来を奪われた父親はどうなる。 事件を犯した側の物語として進んでいくけれど、やり直すことさえできない被害者の親の無念もにじむ。どちらの立場に立っても辛い。親として読むには辛い。自分の子育てが正解だったかどうか、いつ答えはでるのだろう。

Posted byブクログ