Aではない君と の商品レビュー
「あの時、あの電話に出ていれば…」 本作は、時期的に間に合えば、今年の、あちらこちらの『ミステリーベスト10』に入るだろうし、しかも、かなり上位にランキングされると思いますね。 とても、『丁寧』に書かれている作品です。 以前、そんなことは、『自明の理』 小学生でさえも訊いて...
「あの時、あの電話に出ていれば…」 本作は、時期的に間に合えば、今年の、あちらこちらの『ミステリーベスト10』に入るだろうし、しかも、かなり上位にランキングされると思いますね。 とても、『丁寧』に書かれている作品です。 以前、そんなことは、『自明の理』 小学生でさえも訊いてはこないはずなのに… 『何故、人間を殺してはいけないのか?』 虚を突かれたために、その場に居た大人たちがうろたえてしまい、 満足に答えられなかった、質問。 そして、それ故に、少年犯罪者たちに利用されてきた 問いかけ。 …それに対する『誠実な答え』…が、この作品に…あります。 詳細は、⇒ http://noinu.blog.fc2.com/blog-entry-121.html
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14歳の息子が同級生を殺した。取り調べにも何も語らない-- そんな子供に親はどう向き合えばいいのか。親の責任とは。 人を殺した罪を一生背負って生きるとはどういうことなのか。少年の更生とは何なのか・・・ 色々なことを深く考えさせられた作品。 最後は、涙が止まらなかった。
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薬丸さんの本を初めて読みました。裁判でも傍聴しているかのような立場で読んでしまっている感覚に陥り、少年犯罪の加害者、被害者、そして両親、近隣者、弁護士の気持ちや立場がよく伝わってきました。特に、加害者の親の立場や心理状態が細かく書かれており、子を持つ親が読むともっと切実に色々と考...
薬丸さんの本を初めて読みました。裁判でも傍聴しているかのような立場で読んでしまっている感覚に陥り、少年犯罪の加害者、被害者、そして両親、近隣者、弁護士の気持ちや立場がよく伝わってきました。特に、加害者の親の立場や心理状態が細かく書かれており、子を持つ親が読むともっと切実に色々と考えさせられるなぁ、と思ったり。未成年の時に犯罪を犯してしまった男の子が青年に成長した時、罪のあまりの重さにやっと気がつく。ラストは加害者、加害者の親に対して誠実に詫びる姿が印象的でほんの少しですが、救われた気持ちになりました。
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加害者も被害者だった。いつその辛い立場から逃れられるかわからない。誰にも助けを求めることが出来ず追い詰められたとき、取り返しのつかないことが起こりうる。
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薬丸さんの作品はテーマが重く、読んでいて辛いのだけれど ページをめくる手を止められなくなるのは今回のも一緒。 子を持つ親として、加害者側,被害者側…いろんな立場で考えさせられた。 吉永の父親の言葉が深い。
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子を持つ親であれば是非とも読んでおくべき名著。我が子が同じような状況で加害者になった時、果たして俺は100%全力で子供を守ってやれるのか、考えさせられました。「身体を殺すと罪に問われるのに、心を殺すのは許されるのか?」、その問いに返す答を俺は持ちません。
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「物事の良し悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたかを考えるのが親。」「子供のことを知ろうとしないということは子供を捨てたことと同じこと。」読み進むこと能わず本を閉じしばし嗚咽のような感動に浸った。 「結婚して子供が生まれて死ぬまで自由がないのか。食事をつくったり家事をする...
「物事の良し悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたかを考えるのが親。」「子供のことを知ろうとしないということは子供を捨てたことと同じこと。」読み進むこと能わず本を閉じしばし嗚咽のような感動に浸った。 「結婚して子供が生まれて死ぬまで自由がないのか。食事をつくったり家事をすることだけで一生終わってしまうのか。」女性であれば誰もが抱く葛藤。人それぞれの乗り越え方について、そのありようというものを考え直させられた。隠された真相を知りたい欲に抗えず日付変更線の超えるのも忘れてしまった。夫婦のありよう、他者への目配り、人と人との関係性・・・・・様々なテーマで省察を迫られた。
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よく知っているはずの息子のことを全く知らなかった。これは加害者にも被害者側にも当てはまると思う。 「心と体どっちを殺すほうが悪いの?」 このセリフに、ドキッとした。即答できなかった。
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薬丸岳さん、真骨頂。 中盤から後半にかけての畳みかけるような展開に、 ページをめくる手が止まらず、 読了後は暫しぐったり。 私には子供がいません。 だから、子を持つ親の真の思いを推し量ることは、難しいのかもしれません。 それでもこの本の、被害者と加害者とを簡単に線引きできない、 それぞれの親の苦しみは理解できました。 この前の作品『アノニマス・コール』を読んだとき、 薬丸さんの魂を揺さぶられるような話を、また読みたいと思いました。 でも、そうは思ったものの本当に苦しかった。 少年が自分より弱い者に、もっと小さくて弱い命を奪わせる…。 翼の宝物のペロちゃん…。 正直、読み飛ばしたくなるほどキツかったです。 人間であっても動物であっても ”命”の大切さや重さは変わらないはず…。 そして、こころを殺すことと、からだを殺すことの、 どこに違いがあるんだろう…。 ”罪とは償いきれるのか” ”赦すとはどういうことなのか” また考えました。 答えは出ないとわかっているんですが。。。
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ある日、離婚して妻に育てられていた中学生の息子が殺人事件の犯人として逮捕された父親・吉永の目線から描いた作者の得意な少年犯罪もの。息子が逮捕されたことで、仕事も新しい恋人も失いながら、息子とひたむきに向き合っていく姿は、とても考えさせられる。子供を持っている親が読んだら、また自分...
ある日、離婚して妻に育てられていた中学生の息子が殺人事件の犯人として逮捕された父親・吉永の目線から描いた作者の得意な少年犯罪もの。息子が逮捕されたことで、仕事も新しい恋人も失いながら、息子とひたむきに向き合っていく姿は、とても考えさせられる。子供を持っている親が読んだら、また自分とは違う感想になるのかもしれないが、子供がいなくても、子供と向き合うことを教えてくれる作品。
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