1,800円以上の注文で送料無料

服従 の商品レビュー

3.7

70件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2018/12/24

フランスにおいて、大統領選で、イスラーム政党党首が当選する過程とその社会の変容についてを背景にした小説。 ハリー・ポッターシリーズのように、序盤は、説明が多くて退屈だけれども、中盤にさしかかると面白い展開になってくる。 文学について詳しいともっと楽しめるのだろうと思うけれど、わ...

フランスにおいて、大統領選で、イスラーム政党党首が当選する過程とその社会の変容についてを背景にした小説。 ハリー・ポッターシリーズのように、序盤は、説明が多くて退屈だけれども、中盤にさしかかると面白い展開になってくる。 文学について詳しいともっと楽しめるのだろうと思うけれど、わからない部分を読み飛ばしても納得できる本だった。 「茶色の朝」を思い浮かべてしまう。 描写の仕方は少しだけ村上春樹に似ている。 札幌市の図書館で借りた本。

Posted byブクログ

2018/02/18

コレ、いわゆるフランス知的階層のブラックユーモアとでも捉えたらいいの?全然笑えないんすけど。 どなたかが本書を女性蔑視の物語だと評し憤慨しておられたが、それ以前に、コレ、めちゃめちゃイスラム蔑視じゃないですか。どう見てもイスラムをリスペクトしてるから、脅威に感じてる、てな物語...

コレ、いわゆるフランス知的階層のブラックユーモアとでも捉えたらいいの?全然笑えないんすけど。 どなたかが本書を女性蔑視の物語だと評し憤慨しておられたが、それ以前に、コレ、めちゃめちゃイスラム蔑視じゃないですか。どう見てもイスラムをリスペクトしてるから、脅威に感じてる、てな物語ではないですよね。極右政党がヤダから、イスラム政党、うっかり選んじゃいました的な。そういうやり方、性格悪いなぁ。 他の方のレビューにある、今フランスに横たわる閉塞感を良きにせよ悪しきにせよ、破壊する「何か」を表現するための代理物として、本作ではイスラムを利用しただけであり、要はなんでも良かったのだ、という説明でわかったようなわからないような。(もちろん、タイムリーにもシャルリーエブドの事件が起こったことからも、そもそも当時そういう空気が漂っていて、今にも「事件」が起きそうな飽和状態であった所へもって作者がしたたかに時制を読み、あえて「イスラム」を選び、そして見事に発売当日、事件は起き話題の本となった。そう考えるとウェルベックの先見性は尊敬できないけどすごい、とは思うが。) とにかく、主人公がいい歳こいてモラトリアムみたいな田崎つくるキャラなのもヤダし、イスラム教に改宗すべきが否かの葛藤の主題が一夫多妻制のことばっかりで...他に考えることもあるだろうに。読んでて始終イライラ。 本作を数々の著名人が絶賛されている意味がよくわからないまま…ついに読み終えてしまいました。 それとも、その、主人公が研究しているユイスマンスとやらに本作の理解の鍵が隠されているんでしょうか。 私にはちとむつかしかったですね。

Posted byブクログ

2017/12/23

テロ当時かなり話題になってましたが、今の状況ではムスリムが欧州のどこかで政権を握るのではというのはずっと言われているし「未来を見越した」的な印象はそこまで受けませんでした。簡単に宗旨替えするチャラい現代人達を強烈に揶揄する、いつものウエルベック節炸裂。初期の作品ほど不快感もなく、...

テロ当時かなり話題になってましたが、今の状況ではムスリムが欧州のどこかで政権を握るのではというのはずっと言われているし「未来を見越した」的な印象はそこまで受けませんでした。簡単に宗旨替えするチャラい現代人達を強烈に揶揄する、いつものウエルベック節炸裂。初期の作品ほど不快感もなく、最近は新作が楽しみ♪

Posted byブクログ

2017/12/18

ひじょうにおもしろい本だけどとても疲れる。というのが率直なところ。読む価値がないとか、読まなきゃ良かったとかはまったく思わないし、読んでよかったと思う。ただ、気が滅入ってくるのでそのへん含めて読むことができそうなら是非。という感じ。

Posted byブクログ

2017/12/16

内容はよくわからない。その日常で気が付くと、ヨーロッパのインテリがイスラムに改宗している。キリスト教・仏教に比べてイスラムはなんと入りやすいのか。 インテリは非常に弱い。ソ連崩壊後、忠実な共産党員だった教授・研究者が一瞬にして反共主義者になった。目の前の「世界」を「あるがまま」う...

内容はよくわからない。その日常で気が付くと、ヨーロッパのインテリがイスラムに改宗している。キリスト教・仏教に比べてイスラムはなんと入りやすいのか。 インテリは非常に弱い。ソ連崩壊後、忠実な共産党員だった教授・研究者が一瞬にして反共主義者になった。目の前の「世界」を「あるがまま」うけいれた。日本戦後も同じ。 ・あなたはわたしがイスラームに改宗できる人間だと思っていらっしゃるのですか。 ・人間の絶対的な幸福が服従にある。服従がすべてを反転させる思想なのです。 ・ぼくは何も後悔しないだろう(イスラムに改宗する)。

Posted byブクログ

2017/07/05

 評判が良すぎて、期待しすぎちゃった……というか、自分のフランス政治関連の知識が薄くて楽しみ切れなかった感じ。オランド、ヴァルス、バイルー、マリーヌ・ル・ペンあたりしか分からない(涙)。テレビの司会者を知ってたら面白かったかも(だって、古舘さんとか池上彰さんとかが実名で登場してる...

 評判が良すぎて、期待しすぎちゃった……というか、自分のフランス政治関連の知識が薄くて楽しみ切れなかった感じ。オランド、ヴァルス、バイルー、マリーヌ・ル・ペンあたりしか分からない(涙)。テレビの司会者を知ってたら面白かったかも(だって、古舘さんとか池上彰さんとかが実名で登場してるようなもんでしょ?)。  近未来、フランスで極右政党を阻止するためにイスラム政権が誕生し……という話なのですが、実際にイスラム政権が「誕生」するのはページも半ばを過ぎてから。たぶん、世の大半の女性は、この女をなめきった主人公に腹を立てながら「まだ選挙終わんないの!?」とストレス限界に達することでしょう。  でもって、イスラム政権になっても相変わらず主人公の行動にはムカムカさせられっぱなしで、本を壁に投げつけそうになりつつ読み終わって改めてタイトルを見て「ああ、だって『服従』だもん」と納得するのです。やられたー。

Posted byブクログ

2017/06/19

小説。 フランス大統領選で国民戦線代表とイスラム系政党代表が決選に残るという究極の選択を迫られる状況にまつわる話。

Posted byブクログ

2017/06/05

2022年のイギリスを舞台に、大統領選が行われ、これまでの政党か、イスラーム政党のどちらかを選ばないとならない苦渋の選択を迫られた物語。宗教的背景や、政治的背景などが国へ多大な影響を与えている中で、国民の暮らしを平和なものにしていくのになにが必要なのか、政権が国民へ与える影響はど...

2022年のイギリスを舞台に、大統領選が行われ、これまでの政党か、イスラーム政党のどちらかを選ばないとならない苦渋の選択を迫られた物語。宗教的背景や、政治的背景などが国へ多大な影響を与えている中で、国民の暮らしを平和なものにしていくのになにが必要なのか、政権が国民へ与える影響はどのようなものなのかを考え、大統領は舵取りをしていかなくてはならない難しさや、イスラーム政権が如何に影響を与えているということがひしひしと感じられ、政治と宗教の絡み、国民の欲望、浅はかな考えが露呈されているのが伝わるものであった。

Posted byブクログ

2017/04/27

小説というよりも、一種の思考実験・シミュレーションに近い。しかし、ウエルベックの小説に出てくる人物は、なぜこうも無気力というか受動的なのだろうか。

Posted byブクログ

2017/02/19

フランスにイスラム政権が誕生するというストーリーを背景に、文学者である大学教授の行き方を通して人間の矛盾や、周囲の環境からの影響を描き出している。大統領選での極右とイスラムの対立からのイスラム系大統領誕生という国の大きな動きと、個人の職業や行き方というパーソナルな動きが、同時並行...

フランスにイスラム政権が誕生するというストーリーを背景に、文学者である大学教授の行き方を通して人間の矛盾や、周囲の環境からの影響を描き出している。大統領選での極右とイスラムの対立からのイスラム系大統領誕生という国の大きな動きと、個人の職業や行き方というパーソナルな動きが、同時並行で絡み合わさっていて、本書のテーマがより際立つ。幸福を得ようとして、得られた幸福に服従する。自由を得ようとして得られた自由に服従するものなのである。年をとるごとにこの傾向が強くなると知って軽くショックを受ける。

Posted byブクログ