1,800円以上の注文で送料無料

中野のお父さん の商品レビュー

3.6

107件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    38

  3. 3つ

    39

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/01/23

作者の深い文芸全般に対する造詣を土台に、それでいて主人公とお父さんの愛情ある軽妙な掛け合いが魅力的でした。文体も優しく軽やかで、ヨイ加減に力が抜けている感じのおかげで、とても気楽にリラックスして読める一冊でした。

Posted byブクログ

2021/09/05

【内容】 ・主に、本にまつわる、エッセイのようなミステリ。なかなか珍しいタイプ。 ・出版社で編集者やってる娘の抱え込んできた謎を、ふつうのおっさんやけど百科事典タイプの人物でなんでも知ってる父親が軽く解く。 【感想】 ・気らくにあっさり読める。本好きな人だと楽しめると思う。 ...

【内容】 ・主に、本にまつわる、エッセイのようなミステリ。なかなか珍しいタイプ。 ・出版社で編集者やってる娘の抱え込んできた謎を、ふつうのおっさんやけど百科事典タイプの人物でなんでも知ってる父親が軽く解く。 【感想】 ・気らくにあっさり読める。本好きな人だと楽しめると思う。 ▼簡単なメモ 【うっかり】百合原ゆかりいわく「しっかり者が、うっかり者に転落するのは簡単よ」p.187 【お父さん】田川未希の父。五十八歳で高校の国語教諭。いろんなことを知っている百科事典タイプの人物。年々お腹が大きくなっている。 【亀山太四郎/かめやま・たしろう】『小説文宝』の定期購読者の中でもおそらく最高齢の人。昔、郵便配達員だった。 【国岡学/くにおか・まなぶ】作家。連載中の中国古代を題材にした大作は未希の担当。 【国高貴幸/くにたか・たかゆき】文宝出版の推理新人賞応募作『夢の風車』を書いた。五十八歳。 【塩谷一刀/しおたに・いっとう】作家。運動不足を痛感してランニングに目覚め熱が入っている。直接の担当者は百合原ゆかり。 【小池】ミステリ作家。 【小説】お父さんいわく「小説ってのはせんじ詰めれば筋じゃない。どう書くかだろう」p.27。個人的にもそう思う。極端に言えば文章がよければ中身が多少陳腐でも楽しめる。 【田川未希/たがわ・みき】→未希 【虎谷紫苑/とらたに・しおん】未希より少し年下の編集者。ボーイッシュなタイプだったが女性週刊誌に異動して化けた。 【蜂川光起/はちかわ・こうき】文学史上重要な作家。 【丸山】『小説文宝』編集長。細長い顔に眼鏡。眼鏡はちょこちょこ変えている。文宝社長に、俺はなる! とシラフで叫んでいたらしい。 【丸山の姉】美人。一人娘に有香がいる。 【未希】田川未希。主人公。文宝出版編集者。二十代後半。大学でバスケットボール部のレギュラーやってた。バスケ協会公認コーチの資格も持っている。 【八島和歌子/やしま・わかこ】『別冊文宝』編集者。ゆかりと同期。背の高い素敵な美人。「ドラえもん」のことならなんでも知っている。 【有香/ゆか】丸山の姉の娘。びっくるするほど可愛い。サンタさんにダッフィーをもらいたい。 【ゆかり】百合原ゆかり。未希の先輩。我が道をゆく女って感じ。 【百合原ゆかり/ゆりはら・ゆかり】→ゆかり 【落語家さん】売れっ子でイケメン。歌もうまい。 【若森瑠璃子/わかもり・るりこ】晩年の蜂川光起に気に入られていた知的な作風の作家。

Posted byブクログ

2021/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文藝春秋社を思わせる文宝出版の文芸誌「小説文宝」の編集者 田川美希が直面する様々な謎を、中野の実家に住む現役高校国語教師の父親があっという間に解いてしまう短編集 いわゆる「安楽椅子探偵」物でちょっと黒後家蜘蛛の会のヘンリーを思わせる 「夢の風車」 今年の文宝推理新人賞の候補となった 「夢の風車」 担当となった美希が著者の国高貴幸に電話すると、その作品を投稿したのは一昨年だ 「幻の追伸」 美希が古書店の主人から女流作家の若森瑠璃子が文豪の蜂川光起に宛てたメモ書きのような手紙を見せられる 意味深な内容で、原稿用紙の末尾の2行に当たるところが破り取られていた 取り去られた部分はおそらく「追伸」だと思うが一体何が書かれていたのか 「鏡の世界」 亡くなった作家の加賀山京介の未発表の画帳が発見されたので、美希はカメラマンと撮影に行く 父親に見せるとそのうちの1枚が裏焼きではないかと言い出す デジタルの時代にそんなことがあるのか 「闇の吉原」 「闇の夜は 吉原ばかり月夜かな」という句に関する話 作者の「本の達人」としても面目躍如だがちょっと難しかった 「冬の走者」 地方都市の市民マラソンに出場することになった「小説文宝」の編集部一同 体育会系の美希は受付のため前日入りして編集長丸山の実家に一泊する 無事ハーフマラソンを完走した美希たちだが、父は編集長丸山は本当にハーフマラソンに出場したのか疑問を呈する その理由は 「謎の献本」 尾崎一雄から志賀直哉へ志賀直哉の著書「留女」を献本したエピソード 著者への逆献本というのがあり得るのか 「茶の痕跡」 「小説文宝」に投稿してくれる高齢者の亀山太四郎に取材することなった美希 亀山は元郵便配達員でその時に殺人事件に出くわした話をする その事件の隠された真実は 「数の魔術」 中学のバスケットボール部の外部コーチを引き受けた美希のエピソードと「宝くじおばさん」が襲われた話 なぜ外れくじが狙われたのか

Posted byブクログ

2021/01/28

決して殺人が起こるわけではないけど、ある意味推理小説です。 高校の国語教諭の父と出版社に勤める娘の田川美希の会話がとても楽しい。 難解と思われる謎をあっさり推理してしまうお父さんはすごい!

Posted byブクログ

2021/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中野さんちのお父さんかと思っていたら、中野に住んでるお父さんだった。 文宝出版で編集の仕事に飛び回る美希。 仕事で、友人との会話で出会う不思議な出来事をお父さんに相談すると、「レンジに入れてボタンを押したら、たちまち答えが出たみたい」。 新人賞受賞作の謎 大作家先生の秘密の愛の手紙? 写真の違和感 其角の俳句の謎 編集長のアリバイ 献辞の秘密 戦前の殺人の動機 ハズレくじ強盗事件 会うたびにお腹が大きくなっているような、高校の国語教師のお父さん。 ひらめきと文学への造詣の深さで、美希の持ち込む謎をヒラヒラと解く。 解決後にほんわかとした気持ちになって、じんわりと癒される。

Posted byブクログ

2020/06/02

謎解きがそこまで好きなジャンルではないので隅から隅まで楽しめたとは言えないけれど、愛嬌たっぷりなお父さんに癒された。 こんな親子関係いいな。

Posted byブクログ

2020/04/22

北村氏得意の日常の謎を題材に本に絡む話に作り上げてるが、正直物足りなさの残る話が多い。設定は設定として、他のシリーズみたいに、もう少し人の気持ちに深みがあると良いんだけど。

Posted byブクログ

2020/02/18

お父さんの教養すごいな~。 やさしい文章なので、ほっこりしつつよめた。 文学の知識があれば、もっとたのしめそう。。 (あまり謎解きにはいりこめなかった…)

Posted byブクログ

2020/02/18

久しぶりに北村薫さんの作品。相変わらず穏やかで品が良く、それでいて心地よいだけではない奥行きがあって、さらに読んでいるだけで日本文学や落語やその他いろいろの知識に触れられるという良作。しかも全然格式張っているところがなく敷居が低いので気楽に読めます。編集者の娘が都内の実家をちょく...

久しぶりに北村薫さんの作品。相変わらず穏やかで品が良く、それでいて心地よいだけではない奥行きがあって、さらに読んでいるだけで日本文学や落語やその他いろいろの知識に触れられるという良作。しかも全然格式張っているところがなく敷居が低いので気楽に読めます。編集者の娘が都内の実家をちょくちょく訪れては、現国の教師をしている仲の良い父親に日頃起こったあれこれを話すと、身近な出来事の中にもあるちょっとした謎や仕掛けを父親が鮮やかに解いてくれるという短編連作です。謎の種類や状況も様々、善意や遊び心から生るものもあれば、文化伝統のように時を経るうちに自然と経年変化が起きて結果的に謎のようになったもの、と様々でどれも興味深く、楽しく素早く読了しました。続編もあるようです。

Posted byブクログ

2019/09/20

作品内に出てくる作家、作品、俳句、曲… 全ての背景が濃い。 一話一話が読みやすく直ぐに読み終える。 もっと出てくる作品に詳しければもっと楽しく読めたかも。

Posted byブクログ