中野のお父さん の商品レビュー
主人公は老舗文芸誌の編集者田川美希(元バスケ部)。著者が消えた賞の大賞作、作家の往復書簡、俳句の解釈、文芸誌愛読者の過去の体験談など、仕事で遭遇する<謎>を解くのは国語教師のお父さん...という文芸ミステリ。父娘のやり取りにほのぼのしつつ、こたつの中で「安楽椅子探偵」ぶりを発揮...
主人公は老舗文芸誌の編集者田川美希(元バスケ部)。著者が消えた賞の大賞作、作家の往復書簡、俳句の解釈、文芸誌愛読者の過去の体験談など、仕事で遭遇する<謎>を解くのは国語教師のお父さん...という文芸ミステリ。父娘のやり取りにほのぼのしつつ、こたつの中で「安楽椅子探偵」ぶりを発揮するお父さん≒北村薫氏 の相変わらずの博覧強記に素直に感心する。連作短編集なので読みやすく、氏の入門書にもピッタリ。 デビュー作「空飛ぶ馬」からのリアルタイム読者なので11/7(木)に松岡和子氏との対談を伺うのをとても楽しみにしていますが、今からもう緊張状態です...。
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北村作品お初でした。 もっと小難しい小説を書くものと思い込んでいたのだが想像以上の読みやすさ。 もっと早くに手にとってて良かった。 最初の風の風車が面白く、その勢いで一気読み。 数年前から落語にハマったばかりなので、ちょこちょこ落語ネタが差し込まれていたのも嬉しい。 直前に読ん...
北村作品お初でした。 もっと小難しい小説を書くものと思い込んでいたのだが想像以上の読みやすさ。 もっと早くに手にとってて良かった。 最初の風の風車が面白く、その勢いで一気読み。 数年前から落語にハマったばかりなので、ちょこちょこ落語ネタが差し込まれていたのも嬉しい。 直前に読んでいた本に萩原朔太郎の詩が登場しており、ちらりと登場した同じ名前の偶然にもあら、と面白く思った。志賀直哉は馴染み深い作家だし。 本ヲタらしい蘊蓄の数々は勉強になりました。
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続編がいくつか並んでいたから面白いかも、そして増田ミリのイラストが可愛かったので思わず手に取った。 雑誌の連載らしく、短編作品。何も考えずにだらだらと読める。これくらいなら連載が長く続きそうな気もする(重さもそうだし、ネタの尽き具合も含め)。 筆者の北村薫が中野のお父さんよりけ...
続編がいくつか並んでいたから面白いかも、そして増田ミリのイラストが可愛かったので思わず手に取った。 雑誌の連載らしく、短編作品。何も考えずにだらだらと読める。これくらいなら連載が長く続きそうな気もする(重さもそうだし、ネタの尽き具合も含め)。 筆者の北村薫が中野のお父さんよりけっこう先輩。話題が所々古めかしいというか、これ本人の趣味かな、というような内容やもののチョイスが多いと感じた。 でも、主人公がたびたび実家で父と話すなんて、もうほっこり空間。安楽椅子探偵ならぬ炬燵探偵。頭はキレてるけれど終始穏やかなテンポなのが可愛らしい。めっちゃ娘のこと好きやん。
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北村薫の中野のお父さんを読みました。 中野のお父さんシリーズの最新刊の紹介があったので調べたら、シリーズは4巻あるらしく、最初は中野のお父さんらしい。 それならシリーズ最初の中野のお父さんさんから読もうと読み始めました。 主人公は出版社の文芸部に勤める体育会系の女子美希。 困った...
北村薫の中野のお父さんを読みました。 中野のお父さんシリーズの最新刊の紹介があったので調べたら、シリーズは4巻あるらしく、最初は中野のお父さんらしい。 それならシリーズ最初の中野のお父さんさんから読もうと読み始めました。 主人公は出版社の文芸部に勤める体育会系の女子美希。 困ったことがあると、実家の父に相談します。 父親は国語の先生であり、蔵書も凄く、ミステリーを瞬く間に解いていきます。 人気の作品から色々読んでみたくなりました。
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「中野のお父さん」シリーズ第1巻目。 主人公は出版社に勤める田川美希と国語教師の彼女の父。美希が運んでくる日常生活のミステリーを父は鮮やかに解決してしまう。 ミス・マープルのようなアームチェア・ディテクティブ! 本作では八つの謎解きがそれぞれのエピソードで語られる。 中でも「闇の...
「中野のお父さん」シリーズ第1巻目。 主人公は出版社に勤める田川美希と国語教師の彼女の父。美希が運んでくる日常生活のミステリーを父は鮮やかに解決してしまう。 ミス・マープルのようなアームチェア・ディテクティブ! 本作では八つの謎解きがそれぞれのエピソードで語られる。 中でも「闇の吉原」という作品が興味深かった。 「闇の夜は吉原ばかり、月夜かな」という芭蕉の弟子、榎本其角の句が落語「文七元結」という落語の中に挿入されることが多いのだが見方(区切り方)によってその句の意味が二つの正反対に読める。 泡坂妻夫、幸田露伴、三遊亭円生などの名前と蘊蓄が山盛りになって北村薫さんらしい。 この一編だけは謎解きの匂いは無く、この句の解釈についての変遷を見てもわかるように、物事は視点を変えればいかようにも変化するかもしれない、という本作品の全部の謎解きに通じる著者の思いなのだろうかと感じた。
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「オール読物」の連載中で気になっていた本。シリーズ1で2013~2015年の作品だったが、この辺りは読んでいたと思ったら、読んでいなかったようだ。ジャンルは推理小説なのだろうか、それとも蘊蓄の本だろうか? 編集者の娘と国語教師の父の物語。珍しいくらい二人の仲が良い。仕事に絡んで...
「オール読物」の連載中で気になっていた本。シリーズ1で2013~2015年の作品だったが、この辺りは読んでいたと思ったら、読んでいなかったようだ。ジャンルは推理小説なのだろうか、それとも蘊蓄の本だろうか? 編集者の娘と国語教師の父の物語。珍しいくらい二人の仲が良い。仕事に絡んで疑問が出てくると父親に相談しに行くのだが、即結論が出てしまう。ドラえもんのポケットのように関連した本や書類が次々出てくる。この歳でこの記憶力は羨ましい。 「冬の走者」では空白の時間の明快な推理まで。推理が凄いので何でも解決してしまう。歌舞伎、落語など、色々な分野の蘊蓄も勉強になる。
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出版社に勤めている美希。出版界に持ち上がるちょっとした謎を、定年間近の美希のお父さん、中野に住んでいるお父さんが解く。 お父さんは高校の国語の先生だから?博識で、美希の持ち込んだ謎を解けるのだけど、その知識は半端ない。 興味ある謎もあったけど、読書を趣味にしてるだけで文学について...
出版社に勤めている美希。出版界に持ち上がるちょっとした謎を、定年間近の美希のお父さん、中野に住んでいるお父さんが解く。 お父さんは高校の国語の先生だから?博識で、美希の持ち込んだ謎を解けるのだけど、その知識は半端ない。 興味ある謎もあったけど、読書を趣味にしてるだけで文学について無知な私には、ウーンな謎も。文学に興味ある人には楽しいんだろうなぁ、
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内容もサクッとしてて、ときどきクスッと笑えて良いんだけど、ときたま小難しい古典文学や落語の深い話になって付いていけず飛ばし読みもしてしまいました。。。中野のお父さんの知恵とひらめきが凄い!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
北村先生お得意の「日常の謎」を解く新シリーズでしょうか、8編の連作短編集。 内容的には少し日本文学よりで、「円紫さんと私」シリーズに近いでしょうか、”謎”とも言えないものを深読み、解説してくれる中野のお父さんが、最高です。 ただ、連載雑誌の特長でしょうか、枚数制限のせいでしょうか、解決までが速い! じっくり考えさせるところもなく謎解きが終わってしまう。うーーん、時代が即答を求めているのか、な? 『鏡の世界』 ”反転画像・裏焼き”の妙。自分の最新の姿は、鏡の顔に慣れている?は、ちょっと強引かな?でも、私たちは意外とその通りかな。写真に写った自分の顔に違和感を感じるのは、そういうことだったのかも、と。自分のことを知らないのは、自分なのか。 『闇の吉原』 「解釈は色々あるから面白いんだ」と、語るお父さんに納得です。「闇の夜は~」でこれだけの話になるんですね。そちらの方が、もっと驚きです。「こうしてあれこれ考えること自体が楽しい」おっしゃる通り。かつて文学論の花を咲かせた、懐かしき学生時代はもう遠い昔になってしまった。 『数の魔術』 宝くじの謎は別として、「人は歴史に学ぶ」と称して、中学バスケットボールの試合で、双子の背番号を交換するくだりには、拍手喝采です。日の丸女子バレーの作戦も、納得です。情報戦が進むと、選手は人ではなく背番号になってしまうのですね。
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出版社勤務の娘、美希の周辺で起きたちょっとした謎を、中野の実家に住む高校教師の父親が名推理で解き明かす。安楽椅子探偵の第一作。二作目を先に読んでいたのだけれど、三作目が出版されたということで、一作目を読んでみることにした。なかなか薀蓄のあるお父さんだ。美希との距離感もいいなぁ。
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