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残穢 の商品レビュー

3.6

418件のお客様レビュー

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    77

  2. 4つ

    138

  3. 3つ

    117

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残穢とは・・・

一つの怪異の原因を調べ始めた久保さんと作家の私。始めは、単なる事故物件のマンションの、単純な幽霊話かと思われたのだが、真相は二人の予想を遥かに超えた複雑怪奇なものだった。 二人がたどり着いた或る土地に関わる不幸な出来事、人の死が、時を経ても怪異となって、全く関係の無い人に影響を...

一つの怪異の原因を調べ始めた久保さんと作家の私。始めは、単なる事故物件のマンションの、単純な幽霊話かと思われたのだが、真相は二人の予想を遥かに超えた複雑怪奇なものだった。 二人がたどり着いた或る土地に関わる不幸な出来事、人の死が、時を経ても怪異となって、全く関係の無い人に影響を及ぼしているあたりがゾッとする。触れてはいけないものに触れようとする、過去の真実を掘り起こす過程が、ドキュメンタリータッチで描かれており、尚更恐怖心を増幅させる。

ミルク

2024/06/13

山本周五郎賞を受賞した、小野不由美氏の描くドキュメンタリー・ホラー小説。 編集プロダクションに勤務している久保は、引っ越した賃貸マンションの一室で怪奇現象が起きていることを、以前から交流のあるホラー作家「私」に共有する。 その内容はサッ…サッ…と何かで畳を擦る音が和室から聞こえ...

山本周五郎賞を受賞した、小野不由美氏の描くドキュメンタリー・ホラー小説。 編集プロダクションに勤務している久保は、引っ越した賃貸マンションの一室で怪奇現象が起きていることを、以前から交流のあるホラー作家「私」に共有する。 その内容はサッ…サッ…と何かで畳を擦る音が和室から聞こえるというものだった。背後に気配を感じるものの、振り返っても何もない。視線を向けているときだけ音は止むものの、視線を和室から外すと再び聞こえ始めるという。 読者から怪談や都市伝説の類を手紙として収集していた「私」は、この話に既視感を覚える。その後、夫との同居を考え荷物の整理をしていた「私」は、過去に屋嶋という人物から受け取っていた手紙に目を留める。その手紙に記されていた賃貸マンションの住所は、現在久保が住んでいる場所と同じものだった。 語り部であるホラー作家の「私」は、久保とのやり取りや取材の中で浮かび上がった怪奇現象に対し、整合性や現象の理屈を重視した考えで淡々とそれを紐解いてゆく。 いたずらに読者を困惑させず心強い反面、作中全体を通して不気味な雰囲気が漂っているにもかかわらず、いまひとつ盛り上がりに欠ける。良く言えばじっくりと練られた設定、悪く言えばだらだらと土地の話をしている印象だった。 また、浮き上がっていく過去の住居者の数が多すぎる上に、そのほとんどが取材対象者の口から語られるだけの存在のため非常にややこしい。作中に登場するマンションや団地の見取り図がないのも個人的にはマイナスポイントで、過去の住居者の話も含めると、どの賃貸や借家にどの年代に誰がいたかがパッと分からず、「この人が住んでいた家では何が起きたんだっけ…?」と困惑した読者も多いのではないだろうか。 雰囲気は最高だが、各所で絶賛されているほどではないというのが正直な感想だった。2016年に映画化されているようなので、あらすじを頭に入れた今こそ、映画版もぜひ見てみたい。

Posted byブクログ

2024/06/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

映画を観た後に小説を読みました。 映画ではマンションだけでしたが、小説では団地も出てきて登場人物も増えた為、だれがどの部屋に住んでどこに引っ越したのか、そしてその後どうなったのかの時系列などのメモをとりながら読みました。 小説にしかないゾッとするシーンもありました。 映画を先に観たので、読んでいる時に映像が頭に浮かんできて怖かったです。 引っ越しても呪いがついてくるから逃げ場もなく、祓う方法もない、ただホラー小説を読んでいるだけなのに、自分の身にも何か起こってしまうのではないかと…本棚にこの本を置いておくのが少し怖くなりました。

Posted byブクログ

2024/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドキュメンタリー形式の小説で読みやすい。どこまでが事実でどこからが創作かは解らないらしいけど、途中に出てきた新耳袋とか読みたくなった。

Posted byブクログ

2024/05/30
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すごく怖いホラーだと聞いていたから読んだけど、怖いより可哀想が先だった…と言うか特に怖くなかった。でも面白く読めたので、なるほどなあーって紐解きミステリーみたいな気持ちで読めた。 まあどこでも人は死ぬし、そゆこもともあるよね。みたいな。あと個人的にヘルニア持ちなので共感の嵐だった。寝る体制辛いのに寝てなきゃなの人間のバグすぎない? 中身の感想とか特にないんだが…面白かったけど、自ら深入りして調べた人より不幸にもたまたまぶち当たった人の方がより悲惨な目に遭うのは、世の常よな…と思いました。あとは…なんだろ…動物が死なない世界線でそこは良かった。そんぐらい。

Posted byブクログ

2024/05/25

怖いよ…… じとーっと。 一人で夜に読んでると、嫌な空気になってきて、何も無かったはずの部屋に何かいる気がする。 そんな妄想を掻き立てられる作品。

Posted byブクログ

2024/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昨今のホラーは、ドキュメンタリー形式やモキュメンタリー方式が多くみられる。 多分に、この情報化社会の中で、どれだけ実に迫れるか、感じさせることができるかというのが一つの指針になっているとは思いますり そういう意味では、この『残穢』は、非常に綿密に背景が張り巡らされ、穢れという名の感染を、作中の人物どころかこの本を読んだ読者まで巻き込んで、逃げ場を失ったような気持ちにさせます。 ただ逆に、規模が大きくなりすぎて、やや鼻白んでしまうような感覚も得ました。 関係が連鎖しすぎて、もうよくわかんない感じになって、面倒くさくなるのは僕の悪い癖です。

Posted byブクログ

2024/05/19

読み終わった後で「手元に置いておきたくないな…」と思う程には気味が悪いです。 穢れ(けがれ)が残ると書いて、残穢(ざんえ) 日頃から「悔いのない死なんて殆どないのだから霊が実在すれば世界中霊で溢れて質量保存の法則どうなってるの?霊のエネルギー源ってなんなの?」なんて考えてしま...

読み終わった後で「手元に置いておきたくないな…」と思う程には気味が悪いです。 穢れ(けがれ)が残ると書いて、残穢(ざんえ) 日頃から「悔いのない死なんて殆どないのだから霊が実在すれば世界中霊で溢れて質量保存の法則どうなってるの?霊のエネルギー源ってなんなの?」なんて考えてしまう私でも、すんなり読めてしまうリアルな設定。 「なんか気味が悪いなぁ…くらいで、特段死者が出てるとかではないが、人の出入りが激しい物件で、手繰っても手繰っても特に思い当たるようなこともない」みたいなところがリアル 最後の方はちょっと普通のホラーもののようになってしまったけど。 「手繰って行くと根は同じ。そういう話は業が深い」

Posted byブクログ

2024/05/08

この感想。この土地に何か因縁があるか調べていくんやけど、みんな怖くてころころ居住者が変わるから何々さん、その前は何々さんって たくさん人の名前が出てきて、わけわからん。 しかもそれが1つの家を遡るなら、良いけどマンション、隣の団地までの広大な土地やから、余計人も多い。 マン...

この感想。この土地に何か因縁があるか調べていくんやけど、みんな怖くてころころ居住者が変わるから何々さん、その前は何々さんって たくさん人の名前が出てきて、わけわからん。 しかもそれが1つの家を遡るなら、良いけどマンション、隣の団地までの広大な土地やから、余計人も多い。 マンションがたつ前にたってた家の人、団地が立つ前にたってた家の人みたいな。しかもそれもころころ変わるから。 土地自体がもうだめって言いたいんやろうけど。 何か音がなったら、その音は常識的に考えて、見間違いの可能性が高いですよね。怖い体験をした人の話を聞いてた影響もあって、余計見間違いかもですよね?みたいなことを言って、ホッとして調べてたら、また怖いことが起こるの繰り返し。 怖い家が賃貸に出されてるんやから、そこに住んでみたら、面白いのにって思う。

Posted byブクログ

2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宣言通りGWに読みました。「畳が擦れる音がする!」から始まり、マンションの過去の住人を調べ、戦前、大正とその土地のあらましを調べていく。放火、自死、逮捕、殺人、行方不明、などなど、過去の「穢れ」を発見する。この穢れが伝染していた!って、どこがホラーなのかが分からなかった。。。これって怖いお話しなの?一番怖かったのは、「私」と「久保さん」が数年間もかけて過去追っかけていく執着心。このエネルギーの方が怖かった。断言しますが、絶対に夢野久作・ドグラマグラの方が怖いです。ということで、うーん?という読書でした。①

Posted byブクログ