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生還者 の商品レビュー

3.7

66件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

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2020/06/20

びっくりのどんでん返し。 主人公の信じていたものは雪よりも儚い。 加害者とされていた人物が実は被害者であった。

Posted byブクログ

2019/06/14

雪崩事故から生還した二人が話す異なる遭難者たちの人物像。遭難者の弟と女性ジャーナリストが真相を追います。4年前に遭難事故で婚約者を亡くしサヴァイバーズ・ギルドを感じている兄がなぜまた山に登ったのか。山岳ミステリですがひとつにはこのサヴァイバーズ・ギルドをテーマとして読者をぐいぐい...

雪崩事故から生還した二人が話す異なる遭難者たちの人物像。遭難者の弟と女性ジャーナリストが真相を追います。4年前に遭難事故で婚約者を亡くしサヴァイバーズ・ギルドを感じている兄がなぜまた山に登ったのか。山岳ミステリですがひとつにはこのサヴァイバーズ・ギルドをテーマとして読者をぐいぐい引っ張ります。実際は技量や日程などかなり突っ込みどころはあるのですが一気に読み進めてしまいました。エピローグも良かったです。過去の遭難事件の一部だけは後味が悪くて好きになれませんが三作目にしてこのパワー、これからも楽しみです。

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2019/05/13

プロローグで遭難者を助けた男が雪崩に巻き込まれる。これが誰なのか?後々まで気になる。 ネパールのカンチェンジュンガで雪崩が発生し、増田の兄を含む日本人が巻き込まれた。 そのザイルには意図的に切られた跡があった。何があったのか、増田は真相を追う。 生還者が2名帰国し、最初の高瀬は...

プロローグで遭難者を助けた男が雪崩に巻き込まれる。これが誰なのか?後々まで気になる。 ネパールのカンチェンジュンガで雪崩が発生し、増田の兄を含む日本人が巻き込まれた。 そのザイルには意図的に切られた跡があった。何があったのか、増田は真相を追う。 生還者が2名帰国し、最初の高瀬は加賀谷を称賛したが、2人目の東は卑怯者とし正反対の発言。 兄、東、他3名は数年前に白馬岳で猛吹雪に会い、妻らを失った。その時のガイドが加賀谷だった。 サイバーズギルトの会で再開した5人は加賀谷とともにカンチェンジュンガに挑んだ。 加賀谷は死ぬつもりで軽装で参加した。 そこで遅れを取り、高瀬が加賀谷を助けたのがプロローグであった。 切れたザイルの相手は加賀谷であり、加賀谷が狙われていた。 雪崩にあった妻たちも実際には加賀谷を捨てて女性だけで逃げようとして巻き込まれた可能性も高くなった。 岡高同窓会の行き返りで一気読み。 どんでん返しもあり、楽しく読めた山岳ミステリーだった。

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2019/01/20

全く身体を動かす事のしない私が、この本で登山の魅力に惹き込まれた。 専門用語から始まり、登山の楽しさ、雪山の危険さ、登山する為の事前準備、仲間との信頼·····それを、スピード感あり!無駄な描写なし!で本当にワクワク、ドキドキした。 増田が最後、真相に気付いた時はビックリでし...

全く身体を動かす事のしない私が、この本で登山の魅力に惹き込まれた。 専門用語から始まり、登山の楽しさ、雪山の危険さ、登山する為の事前準備、仲間との信頼·····それを、スピード感あり!無駄な描写なし!で本当にワクワク、ドキドキした。 増田が最後、真相に気付いた時はビックリでした。山に登る人が何故、危険と知りながら挑戦し続けるのか、その魅力に少しでも触れる事が出来て知ることが出来た。 読むのが止められなかった一冊でした。

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2018/09/16

ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩事故が発生し、登山をやめたはずの兄が犠牲になった。 兄の遺品のザイルには、細工のされていた。 奇跡的に生還した高瀬と、その後生還した東は、まるで逆のことを話す。 雪山で、一体何があったのか。 登山の知識はまるでなかったですが、面...

ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩事故が発生し、登山をやめたはずの兄が犠牲になった。 兄の遺品のザイルには、細工のされていた。 奇跡的に生還した高瀬と、その後生還した東は、まるで逆のことを話す。 雪山で、一体何があったのか。 登山の知識はまるでなかったですが、面白く読みました。 後半で、人間関係が明らかになって、またプロローグ読み直しましたが、まだ全容は判明できず、最後まで来てようやく理解した次第。 ミステリーとしても面白かったですが、人間ドラマとしても魅力的なストーリー。 楽しい読書でした。

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2018/04/02

カンチェンジュンガ山群の未踏峰を登山中に雪崩で遭難し、奇跡の生還を遂げた二人の人物の証言の食い違いを、その時に亡くなった登山パーティーの一人の弟である益田直志と雑誌記者の八木澤恵梨奈が解明していく物語。 いくつもの謎が示され、それが真相説明では矛盾なく解決されており、最後には予想...

カンチェンジュンガ山群の未踏峰を登山中に雪崩で遭難し、奇跡の生還を遂げた二人の人物の証言の食い違いを、その時に亡くなった登山パーティーの一人の弟である益田直志と雑誌記者の八木澤恵梨奈が解明していく物語。 いくつもの謎が示され、それが真相説明では矛盾なく解決されており、最後には予想外の事実や解釈が示されるなどの意外性もあるが、ミステリーとしてよりも、人間ドラマに重点が置かれていると感じた。 何人もの生還者が登場し、それぞれがサバイバーズ・ギルトで苦しんでおり、その思いがカンチェンジュンガ山群での出来事につながっている。 山岳場面の描写は臨場感があって、風景描写も的確で、とてもすばらしいと感じた。登山用語や技術に関しては、わかりやすい説明があるので、登山に詳しくない人でも十分に楽しめると思う(登山に関する知識があった方がより楽しめることは間違いないが)。 いくつか、疑問に感じたことがある。 ソロクライマーは雪崩に遭っても自分を助けてもらいたいとは考えていないし、軽量化を優先するので、ビーコンを携帯したりはしないと思う。 日本の冬山では、ダウンジャケットを持たずに、ビバーク中でもアウターのままというのは普通にあることだと思う。 また、直志がザックを失った際に、恵梨奈のザックからシュラフが2つ出てくるのはおかしい、ご都合主義ではないかと感じた。

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2018/03/14

内容(「BOOK」データベースより) ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、4年前に登山をやめたはずの兄が34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺され...

内容(「BOOK」データベースより) ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、4年前に登山をやめたはずの兄が34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのか―?相次いで二人の男が奇跡の生還を果たすが、全く逆の証言をする。どちらの生還者が真実を語っているのか?兄の死の真相を突き止めるため、増田は高峰に隠された謎に挑む!新乱歩賞作家、3作目の山岳ミステリー! 山岳小説とミステリーの親和性の高さは過去に存在する名作の数々で立証されています。この本もそんな中に置いてもおかしくない本です。本格的な登山はしたことが無いし、したいと思っていないのですが、山岳小説のなんとワクワクすることか。 誰がどうして嘘をついたのか、これは何も予備知識なしで読んでいただきたい。このレビューで予測したりしないようにして頂きたいので核心に迫るような事は書きませんが、一面の角度から見ていたことが、角度を変えてみる事によってがらりとその顔を変える。それを無理なく描きつつも、びっくりするくらいダイナミックに場面が変わっていきます。最後のエピローグの書き方だけプチ叙述になっていて、10秒くらいやられた感があって、読後感も良いです。

Posted byブクログ

2017/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者初読み。 最近、山岳小説にハマっており、その流れで読んだ作品。 デビューから3作目で、しかも、著者にとって初の山岳小説だったらしいが、今まで読んだ山岳小説とはまた違う雰囲気でなかなか楽しめた。 山の小説だと、山が舞台になるが、今作は大きな雪崩が起きた山から生還した人の発言を巡るサスペンス。 序盤はどんどん謎が深まり、何が真実なのか、全く見えない展開についページをめくるペースが進む。 この雪崩で兄を喪った増田と、雑誌記者の恵利奈が事件の真相に迫って行くが、事件の背後にあったのは、サバイバーズ・ギルドに悩む人たちの苦悩。 サスペンスとしても、もちろん読み応えがあるが、個人的にはいろいろ考えさせられることも多い作品だった。

Posted byブクログ

2017/11/19

エンタメ性を削ぎ落としている分、深みを感じる。 『闇に香る嘘』は読んでいるこちらまで、盲目のドキドキ感を感じたが、本作もクレパスや凍死といった一瞬で死に至る恐怖を感じながら読み進められた。 どこか不安定になる要素を一本入れておく、筆者の作風は好み。

Posted byブクログ

2017/08/12

20歳の頃、山小屋で一緒に働いていた、山好きに誘われ、エベレストを見に行った事を思い出した。現地でひとりガイドを雇って計四人で。カトマンズからバスで山の麓まで行き、そこから1週間かけてトレッキング、毎日代わり映えしない米、ジャガイモ、葉っぱとチャイの食事で頑張って歩いたが、見えた...

20歳の頃、山小屋で一緒に働いていた、山好きに誘われ、エベレストを見に行った事を思い出した。現地でひとりガイドを雇って計四人で。カトマンズからバスで山の麓まで行き、そこから1週間かけてトレッキング、毎日代わり映えしない米、ジャガイモ、葉っぱとチャイの食事で頑張って歩いたが、見えたのはまだ遠くの山あいにエベレストの山頂がチョロッと。でもまあそれでも達成感。星空は最高に綺麗だったな。 登山が難しい山第三位と言われる「カンチェンジュンガ」日本人登山者が雪崩にあい、生還者が見つかった。彼の証言と、その後に生還した者が食い違う証言をする。同じ登山部隊で雪崩にあい、戻って来なかった登山者の弟がこの謎に立ち向かう話。 読むほどに謎が深まっていき、読んでいて楽しかったな。山への登山者への敬意も感じ、心に残る一冊。 サバイバーズ・ギルト

Posted byブクログ