ワンダー の商品レビュー
物語はほとんど読まないけれど、カミさんが勧めるので読んでみた。 物語としては、トリーチャーコリンズ症候群をモデルにしたと思われる少年と、その少年をとりまく周囲の人のモノローグで話は進む。 ページ数は多いが文章がこなれていて読みやすく、それでいて読後感も良い。 出会って良か...
物語はほとんど読まないけれど、カミさんが勧めるので読んでみた。 物語としては、トリーチャーコリンズ症候群をモデルにしたと思われる少年と、その少年をとりまく周囲の人のモノローグで話は進む。 ページ数は多いが文章がこなれていて読みやすく、それでいて読後感も良い。 出会って良かったと思える一冊。児童書として子供だけに読ませるなんてもったいない。
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手術で顔がぐちゃぐちゃな男の子の話。 周りの人に普通じゃないことを受け入れてもらえない社会を著していると思った。結構読んでいて苦しかったけど優しい友達がいたので大丈夫だった。
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顔に障害を持って産まれたオーガスト。 優しい両親と姉と愛犬に囲まれて暮らしている。 その“奇妙な顔”のせいで、不当な差別を受けてきたオーガスト。 嫌なことがあっても、優しい家族が守ってくれた。 けれどいつまでも甘えてるわけにはいかない。 多くの人がそうであるように、オーガストも...
顔に障害を持って産まれたオーガスト。 優しい両親と姉と愛犬に囲まれて暮らしている。 その“奇妙な顔”のせいで、不当な差別を受けてきたオーガスト。 嫌なことがあっても、優しい家族が守ってくれた。 けれどいつまでも甘えてるわけにはいかない。 多くの人がそうであるように、オーガストもいつかは1人で生きていかなければならない。 そしてその日はやって来た。小学校に入学するのだ。 ************ まずは表紙のデザインがとても良いですね。 内容も良かったです。 主人公のオーガストは、自分の外見が変わっていることを理解しているけど、同時に自分の「中身」は他の人と同じ普通であると思っている利発な子です。 ヴィアがとても良いお姉ちゃんです。 オーガストの事が弟として大好きなんだけど、“奇妙な顔”のせいで「奇形児の姉」と言われることに傷つき、疲れている。 弟につきっきりの母親にも気を使い、甘えることを我慢している。 でもおばあちゃんだけがヴィアを「1番」だと言ってくれた。 そしてそんな自分の気持ちを「いけない感情」だと蓋をして、悩んでいる。 オーガストの友人のジャックもいいやつです。 この小説の良いところは、「良い人」ばかりじゃないところ。 優しいママもイライラすることもあるし、パパだってそう。 優しいお姉ちゃんも限界が来ちゃうこともある。 普通の御涙頂戴小説だと、顔が変だと言わずに「普通じゃん?」とか言いそうなんですけど、良い人も嫌な奴も、オーガストも、オーガストの顔が「変」ということは共通の認識であるんです。 変に隠そうとせず、認められているんです。 でも最初は変な顔だと思っている友人も、話してみるとオーガストの性格を好きになる。 いじめや暴力は理解できないけれど、自分の身近にオーガストと同じ症状の人がいた時、ヴィアやサマー、ジャックのように振る舞えるかな、って考えました。 きっと私には同じようにはできないと思う。 でもこの本のおかげで、少しだけでも読む前よりも偏見を無くして接せるようになれると思いたいです。
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オーガストからだけでなく、周りの面々からの視点で語られていく形式好き。ただ、どうしてもそんなうまいこと行くかね?と思ってしまう。いやまあ嫌な展開を見たいわけでもないし、もちろんベタにエンターテイメントしてほしいんですけど、うーん、たぶん自分の中でリアルとエンタメのバランスがはかれ...
オーガストからだけでなく、周りの面々からの視点で語られていく形式好き。ただ、どうしてもそんなうまいこと行くかね?と思ってしまう。いやまあ嫌な展開を見たいわけでもないし、もちろんベタにエンターテイメントしてほしいんですけど、うーん、たぶん自分の中でリアルとエンタメのバランスがはかれなかったのかもしれぬ。難しいところだ。 ジュリアンの格言になんかぐっと来てしまった。
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オーガストはふつうの男の子。ただし、顔以外は。このキャッチコピーが全てを表わしています。オーガストの顔を見た人はまずは驚き、次にそっと目をそらし敢えて何もないかのように振る舞う。もしくはそっとその場を離れる。もしくはおぞましい言葉を投げ掛ける。オーガスト自身自分の外見については嫌...
オーガストはふつうの男の子。ただし、顔以外は。このキャッチコピーが全てを表わしています。オーガストの顔を見た人はまずは驚き、次にそっと目をそらし敢えて何もないかのように振る舞う。もしくはそっとその場を離れる。もしくはおぞましい言葉を投げ掛ける。オーガスト自身自分の外見については嫌というほどわかっており、「きみがどう想像したって、きっとそれよりひどい」と述べている。 幼い頃から手術の繰り返しのため学校に行ってなかったオーガストが学校に通うことになることから物語は始まります。オーガスト自身、そして姉のヴィア、親友、姉の友達や彼氏の視線で物語は語られます。それによってオーガストが置かれた立場だけでなく、オーガストのそばにいることの意味がより深く語られます。 学校でのオーガストは否応なく目立ち、目立つが故に孤立します。大抵の人たちはあからさまな悪意を発しはしないが近付きもしない。一部の人は自分から遠ざけようとし、また一部の人は積極的に悪意をぶつける。そんな中ではじめから外見を気にせず近付いてくれる女の子や、はじめは先生に頼まれたから世話を焼いていたが、次第にオーガストの内面に惹かれて親友となる男の子などの存在がオーガストの世界を広げていきます。 また姉の視点では弟のオーガストを愛するが故にオーガストがいなければオーガストの存在を知られなければという思いが膨らみ、膨らむ思いに自己嫌悪に陥る姿も描かれます。 出てくる人物はみんなオーガストを通じて己の心を見せられることとなります。しかしオーガストは決して他人の道徳心を計るための道具ではないのです。みんなオーガストの外見に関わらず、オーガストがオーガストであるから付き合っていきます。だからこれを読んだ人もオーガストを己の道徳心のはかりとするのでなく、オーガストの勇気、そして周りの人の愛と葛藤をそのまま受け容れてそれこそを己の心の糧とできればいいのかも知れません。
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主人公のオーガストは、顔以外は普通の10歳の男の子。 嫌がられたり、イジメられたりしながらも、 家族や校長先生、友達など、ステキな人に囲まれて、精一杯生きていく。
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1年間の学校生活の中で、いじめや嫌なことを言われたり、友人ができたり。初めは同情から声をかけたけれど、つきあいの中でユーモアなど内面に惹かれて友情がはぐくまれたり。学校に対して苦情を言う保護者もリアル。弟のことが心から大切で愛しているけれど、良心が弟に時間と労力を割くことを理解し...
1年間の学校生活の中で、いじめや嫌なことを言われたり、友人ができたり。初めは同情から声をかけたけれど、つきあいの中でユーモアなど内面に惹かれて友情がはぐくまれたり。学校に対して苦情を言う保護者もリアル。弟のことが心から大切で愛しているけれど、良心が弟に時間と労力を割くことを理解し自分のことは自分でやる姉であることに寂しさを感じ、また障がい者の兄弟がいることを知られない新しい学校生活に心地よさを感じてしまったことに罪悪感を感じる兄弟もリアル。小説なので、上手くいく結末はリアルでないかもしれないが、描かれるエピソードはとてもリアル。 この本の体裁は、オーガストと彼の周りの人たちが、順に一人称で語っていく形。なので、例えばある事件、ある場面を複数の人が自分の視点から語り、その心情は同じで合ったり異なっていたりする。読者にはそれがわかるが、登場人物同志はそれを相手に伝えないうちは、当然思いは伝わらず誤解していたりもする。 「普通」である、「普通」でないという言葉が繰り返し出、また同じことを人によって「普通か普通でないか」異なる評価をしていたり、「普通」とは何だろう?と考えさせられる。「普通」とは絶対的な評価ではなく、相対的な評価、主観的な評価によるものなのだ。
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お姉ちゃん視点で涙腺が崩壊する。 誰もが知らず知らずのうちに人を傷つけてしまって、自分を責めて、どうしようもなくなってしまう、、
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先天性の顔面奇形の小さな5年生が初めて学校に通った1年間の話。本人の視点,仲間の視点,家族の視点から物語が構成される。暗い話でもなく,明るい話でもない。本人だけでなく周りの人間も成長する物語。物語の視点それぞれに共感しながら読める。
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オギーと家族が素晴らしいのはもちろんだけど、ジャックが普通にいい子で良かった。いい子のふりをするわけじゃなく、子供なりのいろんな思いでオギーと接することができるクラスメイトがいて良かった。大人がちゃんとわかってるのも良かった。余分な親切か…難しい。
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