「学力」の経済学 の商品レビュー
学力について統計情報を基に、非常に分かり易く解説されており、小さな子供がいる方にはぜひ読んでみてほしいと思える本でした。
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まず、政策の効用分析の重要性は同感。 が、具体的な説明にあたり、本書には例えば「少人数学級が、学力・所得に与える影響は、費用対効果の面で、効果の薄い手法」と叙述される部分がある。 しかし、その分析過程が判然とせず。他要因の介在の不存在など統計学的に精緻か?という疑問が浮かんだ。 また、より根本的には、少人数学級が図らずも実現してから、これらの判断が可能な程の時間は経過していないのでは?という疑問も。 もっと、有り体に言えば、ゼロ年代、すなわちゆとり教育の是非を巡り様々な議論が展開される中、苅谷剛彦その他の教育社会学の論者による、統計的・重回帰分析を軸とした教育問題の分析の方がずっと精緻な印象なのだ。勿論、小塩隆 士氏のように教育を経済学的に切り取った著作は、既にあって、本書が嚆矢というわけではない。 後は特記事項なし。読みたい本からは除外。
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経済学者の著者が教育にまつわる様々なことについてデータから検証し、本当の教育についてどうするべきかを書いた一冊。 子どもを褒めることや教育の費用対効果などデータによるエビデンスをもとに信ぴょう性の高い理論を展開されていて、非常に勉強になりました。 また、経済学の理論から教育にアプローチされている箇所もあり、非常に興味深いものでした。 本書の中で、用語として「非認知能力」の重要性については、仕事に対して知識以上重要な能力が「非認知能力」であり、この能力の高い子どもが将来の成功に繋がることを知ることができ、非常に勉強になりました。 日本の教育の政策が実証のないものが多くあることや海外では教育に対して非常にデータから政策を考えていることなど格差を感じたのは印象的でした。 南アフリカ政府のデータに関する方針などは非常に国家としても良い姿勢であると感じました。 今まで教育に関してすぐには結果に出ず、迷信のように語られていたことが本書によって真実が見えてくる道筋が示されたと思います。著者が本書の中で何度も繰り返し言われているように教育にデータに基づいたエビデンスをもとに政策を策定し、そしてこの国の将来が明るいものになって欲しいと感じた一冊でした。
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20161204 教育経済学という学問がある事をしらなかった。考えてみれば国の税金の一番の投資先であるべき教育に関して費用対効果を分析するのは大事なことだと改めて思った。
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非認知能力が重要 -自制心 -やり抜く力 モラルは勤勉性を伸ばすのにきく 能力のある教員は遺伝・環境の効果を帳消しにするほど影響が大きい
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統計に基づいて、教育に関するいくつかのトピックについて解説。 「インセンティブは結果じゃなくてプロセスに」的なところは確かにそうだなと気づきました。 著者的には、統計データをもっとオープンにして! といった啓蒙も目的とした本ですね。 なお、政治家は分かってなくても、業界が動けば...
統計に基づいて、教育に関するいくつかのトピックについて解説。 「インセンティブは結果じゃなくてプロセスに」的なところは確かにそうだなと気づきました。 著者的には、統計データをもっとオープンにして! といった啓蒙も目的とした本ですね。 なお、政治家は分かってなくても、業界が動けば(政治家は権威のある教授とかの影響を受けて)ついてくるもんだと思いますけどねぇ。
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子育ての通説が本当かどうかを考えさせる本であった。 物事や通説、人の意見などを色んな方向から見て、相関関係にあるだけなのか?因果関係にあるのかを考えることの大切さ、楽しさが見えた。 それを考えることで質の良い問いかけができると思う。
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人の成功例は必ずしも一例。 統計で見ると確かにいいなと思いました。 小さいときにこそお金やら労力やらを!
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これ読むと、日本の教育が馬鹿馬鹿しいものだと感じる。 影響された親世代の人は ↓ 子供にご褒美で釣ってはいけない 誉めて育てる ゲームは悪い 三歳までは親と一緒にいるべき 保育園はかわいそう とかきっとお母さん達は言われたことがあろうが それを覆す根拠をもったデータに驚いた ...
これ読むと、日本の教育が馬鹿馬鹿しいものだと感じる。 影響された親世代の人は ↓ 子供にご褒美で釣ってはいけない 誉めて育てる ゲームは悪い 三歳までは親と一緒にいるべき 保育園はかわいそう とかきっとお母さん達は言われたことがあろうが それを覆す根拠をもったデータに驚いた どんだけみんな勘違いしてるのだろう 自分の経験だけで文科省や祖父母たちには 何の根拠もない エビデンスのない因果効果を証明するための実験をしてるだけ 海外ではこのエビデンスがすごい 特にペリー幼稚園プログラムのように就学前から40年も続き、どのような差がでたかまで統計した。就学前幼児教育は長年に続き効果を発する。 幼児教育への財政支出は割りのよい投資であるという 今まで思い込んでいた概念が違ったり、 とても参考になりました 著者も日本ももっと、税金で使った統計データなど有効活用し教育にエビデンスや知見が必要だと言います。
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言わずと知れたベストセラーですが、本書の本質は「学力」「教育」といったところにあるのではありません(「学力」や「教育」について参考にできる記載は多数あります。が、もっと本質的なことを本書は提起しているという意味です)。 その本質は、本書の以下の言葉に集約されていると思います。 ...
言わずと知れたベストセラーですが、本書の本質は「学力」「教育」といったところにあるのではありません(「学力」や「教育」について参考にできる記載は多数あります。が、もっと本質的なことを本書は提起しているという意味です)。 その本質は、本書の以下の言葉に集約されていると思います。 「人間はだませても、データはだませない。収集したデータを分析し、社会の構造を明らかにすることが、いかに自分たちの生活を大きく変える可能性があるか、理解してほしいのです。」 また、本書で西内啓氏の以下の言葉が紹介されていますが、自分に思い当たるフシがありすぎて・・・読んでいて恥ずかしくなりました。 「不思議なもので、教育という分野に関しては、まったくといっていいほどの素人でも自分の意見を述べたがるという現象がしばしばおこる。」 私に大きく不足しているものを補う機会を与えてくれる、貴重な出会いを本書は私に提供してくれました。 実践にどこまでつなげることができるか、が私のこれからの課題です。 【初代ドイツ帝国宰相 オットー・フォン・ビスマルク】 愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ。 ーーー
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