「学力」の経済学 の商品レビュー
2017/1/10 この本も初耳学の中で林修先生が一部分紹介していた本だったので読んでみた。 教員は確かに感覚で指導している部分がたくさんあると思うし、今の教育形態もだいぶ古い観念?を引きずっている感は否めないと思う。そうしたもの全てをデータを基にして真っ向から否定していく、とい...
2017/1/10 この本も初耳学の中で林修先生が一部分紹介していた本だったので読んでみた。 教員は確かに感覚で指導している部分がたくさんあると思うし、今の教育形態もだいぶ古い観念?を引きずっている感は否めないと思う。そうしたもの全てをデータを基にして真っ向から否定していく、というか、新しい考え方を提唱しているのが学力の経済学というタイトルに込められているのではないだろうかと思う。 教育学と経済学を組み合わせた干渉分野である。 まだ少ない自分の経験から、そうだなあ、確かに。と思うものもあったし、今まで考えていたことと全然違うし、アメリカではしっかりとしたデータがあるんだというのを知ることができたものもあったし 。例えば、ご褒美をあげて勉強を頑張らせることが意外と有効で、大事なのはアウトプットに対してご褒美をあげるのではなくインプット(やろうとしたこと)に対してご褒美をあげると学力が上昇する研究成果が出ていることや、少人数学級でなく習熟度別の学級でないと学力の上昇に効果が現れないとかというようなことである。また、学校の資本と家庭の資本についても、学校の資本という、学校で提供できること以上に家庭の資本、家庭での勉強に対する親の関心の高さや、教育に対する投資、親の経済力や学力なども子供の学力には大きな要因となっていることも再確認できた。 幼少期の小学校入学前までの年齢の子に、様々な体験や経験などをさせたり、学習として子供に投資していくと、何十年か後になって利益となることも研究成果としてすごく興味深いものだった。もう少し教育と経済学の組み合わさった教育経済学の分野が日本でも広がっていくといいなあと思う。
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実験の事例がわかりやすくかかれている。特に 就学前の「非認知能力」を高めることが社会収益率を高める話が参考になった。
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いわゆる教育経済学の本。データを用いて科学的に分析する、経済学の基本であるが、こと教育の分野ではこれが全く蔑ろにされているとのこと。なるほど、プロセスが異なればここまでアウトプットも異なるのかというほどに、教育分野でこれまで確からしいと捉えていた見解との相違が要所要所で見て取れる...
いわゆる教育経済学の本。データを用いて科学的に分析する、経済学の基本であるが、こと教育の分野ではこれが全く蔑ろにされているとのこと。なるほど、プロセスが異なればここまでアウトプットも異なるのかというほどに、教育分野でこれまで確からしいと捉えていた見解との相違が要所要所で見て取れる。ただ、差異点があるというわけで、全く否定しているわけではない。データをみるということは、あらゆる可能性と論理を考慮して分析の精度を上げるということ。ご褒美必要理論は、何もモチベーション3.0的なオートノミーと両立し得るように。
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キャッチーで読みやすい本。教育経済学の入門書ですかね。 前半は子どもを持つ親に受けそうな内容、後半は教育政策論で位置づけがだいぶ違うような印象を受けました。とは言え、それぞれわかりやすく説明されているので良いのではと。 昔、「反社会学入門」を読んだときにも感じたのですが、データ...
キャッチーで読みやすい本。教育経済学の入門書ですかね。 前半は子どもを持つ親に受けそうな内容、後半は教育政策論で位置づけがだいぶ違うような印象を受けました。とは言え、それぞれわかりやすく説明されているので良いのではと。 昔、「反社会学入門」を読んだときにも感じたのですが、データをしっかり押さえて根拠を持って説明することと、データに振り回されないことはとても大事。自分の日々の暮らしや仕事でも、気をつけていかないと。
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ずっと読んでみたかった本。 著者が仰るとおりもっと日本の教育もエビデンスを大切にすべきだと思いました。 小さな子供がいる友人たちにもおすすめしたいです。
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学力をミクロ経済学の分析道具で分析した好著。こどもの学力という現実問題に苦闘する大人に現実的な行動の指針を与えてくれる。勉強するインセンティブに勉強するプロセスでの報酬が有効であることなど、実証的に示されており、興味の尽きない内容だった。この内容で解決できない学力に苦労する子供た...
学力をミクロ経済学の分析道具で分析した好著。こどもの学力という現実問題に苦闘する大人に現実的な行動の指針を与えてくれる。勉強するインセンティブに勉強するプロセスでの報酬が有効であることなど、実証的に示されており、興味の尽きない内容だった。この内容で解決できない学力に苦労する子供たちもいるだろう。ミクロ経済学で学力を分析してもこどもたちというマクロの集団に解決の処方箋を提示していることになるわけで、次作では、さらに切り込んだ分析に期待したい!
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林先生が某番組で絶賛していたのを本屋で思い出して、立ち読みしていたらいつのまにか購入していた。 教育というある意味誰もが経験している上に、誰もがそれなりに不満があったりする分野に関する、データを示しながらの経済学的なアプローチ。 経済学と銘打っているように、ふわっとしたイメージ...
林先生が某番組で絶賛していたのを本屋で思い出して、立ち読みしていたらいつのまにか購入していた。 教育というある意味誰もが経験している上に、誰もがそれなりに不満があったりする分野に関する、データを示しながらの経済学的なアプローチ。 経済学と銘打っているように、ふわっとしたイメージしかない経済学への入門でもアリ、おもしろかった。 人文科学全体の入門でもあるね。 様々なデータで示される数々の知見は、個人的にこれからちゃんと考えて、実戦していかなきゃな、と思わせるものだった。というか、実はその辺は目くらましと言っちゃ何だけど、実際に著者が伝えたかったのは、ちゃんとした方法で取得された評価可能な指標を基に、これから考えていかなければならない、と言うことで、その面もちゃんと実行したいですよ。 とはいえ、「この本の次」にどうしたら良いのか、たとえば今後発展していくかも知れない日本の教育にかんするこれらの知見を、どう取得するのか、どう改善したら良いのか、に対する回路があったら、もっと良かったなぁ。
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とにかく小さいときに、「集中力」「やり抜く力」「我慢すること」など生きるための基礎力を身に着けなければならないのか。語学などは後からついてくる。
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学力について統計情報を基に、非常に分かり易く解説されており、小さな子供がいる方にはぜひ読んでみてほしいと思える本でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まず、政策の効用分析の重要性は同感。 が、具体的な説明にあたり、本書には例えば「少人数学級が、学力・所得に与える影響は、費用対効果の面で、効果の薄い手法」と叙述される部分がある。 しかし、その分析過程が判然とせず。他要因の介在の不存在など統計学的に精緻か?という疑問が浮かんだ。 また、より根本的には、少人数学級が図らずも実現してから、これらの判断が可能な程の時間は経過していないのでは?という疑問も。 もっと、有り体に言えば、ゼロ年代、すなわちゆとり教育の是非を巡り様々な議論が展開される中、苅谷剛彦その他の教育社会学の論者による、統計的・重回帰分析を軸とした教育問題の分析の方がずっと精緻な印象なのだ。勿論、小塩隆 士氏のように教育を経済学的に切り取った著作は、既にあって、本書が嚆矢というわけではない。 後は特記事項なし。読みたい本からは除外。
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