大奥(第十二巻) の商品レビュー
大奥第12巻。 家斉が赤面疱瘡の熊痘接種を実施するなど将軍らしくなったと思ったら、母の治済が病に臥せった後は暴走気味。 一方、治済に息子を殺された御台は気がふれた振りをしつつ娘を殺されたお滋賀と結託して、治済への復讐を謀る。特に毒味役のお滋賀は自らの命を懸けて。二人の母としての思...
大奥第12巻。 家斉が赤面疱瘡の熊痘接種を実施するなど将軍らしくなったと思ったら、母の治済が病に臥せった後は暴走気味。 一方、治済に息子を殺された御台は気がふれた振りをしつつ娘を殺されたお滋賀と結託して、治済への復讐を謀る。特に毒味役のお滋賀は自らの命を懸けて。二人の母としての思いに心打たれたが、その事がばれて以降、家斉の心が御台から離れてしまう。理不尽でならない。。
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こうして黒木良順は天文方翻訳局の翻訳官筆頭として初めて幕府のお抱えの蘭学者になったのである 高橋景保はその後樺太周辺の地図を手に入れる為に自ら製作した日本地図をシーボルトに渡した廉で死罪を言い渡され獄死する 母・治済と全く同じ理由で家斉は将軍の座を男子である家慶に譲ったのである ...
こうして黒木良順は天文方翻訳局の翻訳官筆頭として初めて幕府のお抱えの蘭学者になったのである 高橋景保はその後樺太周辺の地図を手に入れる為に自ら製作した日本地図をシーボルトに渡した廉で死罪を言い渡され獄死する 母・治済と全く同じ理由で家斉は将軍の座を男子である家慶に譲ったのである 家斉の五十五人もの子供の内成人迄生き延びた者は半数に満たなかった よって歴史書には赤面疱瘡に関する記述は一切残らず儂は女色に溺れ幕府の財を使い果たした無能な将軍として一生を終わる
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ついにきた 浦賀に黒船が 大奥の位置付けが どんどんと変わっていく中で 外圧がかかり始める まだこの巻は走り この先はどうなっていくのか? 気になるところで終わります
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黒木さんたちの態度がきっぱりしていて良い。 高橋景保のキャラは予想外だったがとても良かった。 赤面疱瘡の再流行というそれ時代は良くない出来事だが 彼らを後押しすることになる流れに 運命というようなものを感じもする。 青史郎くんがとてもしっかりしていて 危険だとわかっているのに自分は孫次郎くんに付き添ってしまうところが切なく だからこそ助かってくれて本当に良かった。 期待していた種がかさぶただったこと、 隠密の人は出来る限りしてくれたものの 内心気落ちしても仕方ないのに、冷静で労いもしてくれる黒木さんの人となりが素晴らしく この親にしてこの子ありなのだろうと思う。 おるいさんも青くんが無事だったことがわかってすぐ 景保の家に行く所が素晴らしい。嫉妬していた相手でもあるのに。 だが残念ながら時既に遅く、非情である。 瓦版という発想が、平賀源内ならどうしたか という考えによっていたことも泣ける。 景保を初めみなが協力的なところも感動した。 御台所の姿が気の毒でならない。 子供のように泣く御台様に、 「あんなに幸せであったのに」と謝る上様のシーンで泣いてしまった。 松方さんの気転が非情に良かったが それで集めた男たち相手に、色に耽るのではなく またしても命を弄ぶ治済が気持ち悪すぎるし 何故彼女の味方をする者が一人でもいるのか という気持ちになってしまう。 上様が接種の様子を見に行って、こっそり黒木さんに謝るところや 番号札を発案するところが地頭と人の良さを感じる。 それなのにどうして母親には逆らえぬのだろう。 過去の経験で毒が入れてあるだろうことはわかっていて 御台が食べてしまうのを突き飛ばしてでも止めもせず。 いくらお飾りとは言え、将軍なのにどうしてこうも治済が好きに振る舞えるのか。 外から見ていたら目に見えて可笑しいことが 中にいると分からないものなのだろうが。 御台様もお志賀さんも賢い方たちなので芝居ではないかと期待していたので 実際そうであったことは嬉しかったが、お志賀さんまで命を落としてしまうのは辛い。 御台様がお咎めを覚悟していると告げる姿、 母を助けたいという上様の言葉に「誰かある」と声を上げる姿 とても凛々しく恰好良かった。 上様の熊痘政策が苛烈なものであったことも辛い。 人の良さが取り柄だったようなものなのに 裏切られた思いも手伝ってなのだろうが人が変わってしまった。 これも治済の残した負の遺産のひとつだろう。 邪魔な者は殺せば良いという発想を幕府に残したことも酷いことだ。 こんなことになるもっと前に、治済自体をなんとかできなかったものか。 結果御台とお志賀だけに任せることになったのも随分酷い事態だった。 景保のその後がモノローグだけで語られるコマも印象的である。 青くんが青順と名乗って医者を続けていることも、 子供の名前が源三郎なところも、続いているという感じがして先の明るさを少しでも感じられる演出が良い。
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家斉は母治済に気付かれないように、熊痘接種の整備を支援する。気弱に見えて実は気概がある。 どんどん肥えていく治済が怖い。 この巻の見どころは、御台と志賀の結託。ややドラマ仕立てが過剰だが、まったく見破れなかったし、面白かった。 そしてついに熊痘接種が成功し、赤面疱瘡を恐れる必要もなくなった。黒船来航にぎりぎり間に合ったりー。 将軍は男子家慶、女子家定と受け継がれる。 家定がなぜ女になったのかはまだ明らかにされていないが、ハリスとの対面シーンなど、なんとなく見えてきたぞ。
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全巻までは、次期将軍争いのため、生きていて欲しい人も亡くなってしまった。赤面疱瘡の予防注射もできるようになったが、次は何が起こるか。
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赤面疱瘡根絶なるか? 【内容】 黒木良順は11代家斉に請われ赤面疱瘡の研究をすることになる。圧倒的な権力をふるう治済の眼から隠れて。 【感想】 これまでの赤面疱瘡との闘いが集約していく感がある中でそれを無にさかねない治済への恐怖感も増してきます。 (2017年07月26日読了...
赤面疱瘡根絶なるか? 【内容】 黒木良順は11代家斉に請われ赤面疱瘡の研究をすることになる。圧倒的な権力をふるう治済の眼から隠れて。 【感想】 これまでの赤面疱瘡との闘いが集約していく感がある中でそれを無にさかねない治済への恐怖感も増してきます。 (2017年07月26日読了)
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2017.5.20市立図書館(長女) →2020.7購入 御台茂姫とお志賀の方、モンスターのような治済に立ち向かうとなると、そうするしかなかったのだな...それは11代将軍家斉への掩護射撃にもなり赤面疱瘡の研究と予防の確立にもはずみがつくものの...母という重石のとれた家斉が強硬な手法に転じてしまったのはなにゆえなのか、そこはやはり血だったのか男の性急さなのか(予防接種の普及と赤面疱瘡の撲滅が悲願だったということは理解できるのだけれど)。 源内や青沼の無念を背負った黒木良順が活躍し、天文方の高橋景保のような魅力的な人物が現れるも、男が上に立つ社会がもどってきて、さらに黒船来航で混迷の時代にはいっていく感あり。 表紙は黒木良順・青順親子 *** 2023年ドラマ10「大奥2」(脚本:森下佳子)をみながら読み返している。 8巻終盤から始まったシーズン2医療篇、第三回までで赤面疱瘡撲滅チームが悲劇的幕切れを迎え、四巻で家斉の治世となり五回目はこの巻からで、だいたい最後までやって医療編は幕を閉じ、あれこれとばして次の巻の真ん中へんが引き。 志はあっても母親にはどうしても強く出られない家斉、息子を支配する治済、そして共闘する茂姫とお志賀、みなよかった。黒木が天文方でであう高橋景保がちらっと映るだけだったのは惜しいが、しかたないのだろう。でも、源内の後を継ぐというか面影を彷彿とさせるあのキャラもぜひみてみたかった。
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話しがつながらないな、と思ったら、11巻を読んでいなかった…。11巻を買ってから読み直すこととします。◆良い意味で、後味の悪い展開が続く。が、一方、熊痘のくだりはなかなか熱い。
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毒母治済。 権力に酔った結果と思いきや、幼少からの性質。 公人としても私人としても、将軍の母という立場に立っての所業。恐ろしい。 その毒母に従順になろうとせず、為政者として赤面疱瘡撲滅へ水面下で動き続けた家斉。あの母親から、優しさをどうやって受け継ぐことができたのやら。晩年の苛烈...
毒母治済。 権力に酔った結果と思いきや、幼少からの性質。 公人としても私人としても、将軍の母という立場に立っての所業。恐ろしい。 その毒母に従順になろうとせず、為政者として赤面疱瘡撲滅へ水面下で動き続けた家斉。あの母親から、優しさをどうやって受け継ぐことができたのやら。晩年の苛烈な政策実行で赤面疱瘡撲滅を目指すところは、青沼たちへの罪滅ぼしが行き過ぎた結果でしょうか。 水面下で動いていたといえば、治済暗殺のたくらみ。 熟年離婚のドキュメントで、女性は復讐のために何年も準備することができる、みたいな話を聞いて心底震えたのと同じ心持になりました。 女のひとって、怖い。 そして、舞台は激動の幕末へ。
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