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大奥(第十二巻) の商品レビュー

4.4

56件のお客様レビュー

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2015/06/27

いやもうそういう問題じゃないかもしれないけどとりあえず言わせてほしい…女は怖い。 それにしてもようやく、ようやくここまで来ましたか…。この作品をこの作品足らしめていた問題の根本が解決し、いよいよ正史と重なっていくのかと思いきや… 次の巻が気になります!

Posted byブクログ

2015/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この巻で物語の柱の一つであった赤面疱瘡の克服に一区切りがつけられる。 吉宗が見つけた始まりの記録、それにより吉宗がまいたあらゆる種を彼女が見出した田沼が育て、皮肉なことに吉宗自身によく似た面差しを持った定信がそれをいったん潰し、逆転して以来初の男性の将軍である家斉がそれをもう一度育てる。 将軍家や幕閣という読者にとっては遠い存在の間のドラマだけではなく、そこには三巻かけて描かれるマイノリティや市井の人々の熱い戦いがある。 よしながふみの最大の強みは構成力だと思うが、12巻でこの内容を過不足なく詰め込む技量は同世代の作家には正直見られないと思う。多すぎたり少なすぎたり冗長だったりするものだから。 御台所と滝沢の策略は読者の半分以上は読んでいたと思う。けれど、治済のサイコパスぶりのすさまじさにはらはら感を最後まで持ち続けられた。 家斉を殺すことに決めた彼女の表情、共感性のかけらもない化け物が我が子に裏切られたと知った時、それは悲しみではない純粋な怒りの表情。 狂った妻が赤面疱瘡特効薬の話に目を潤ませ『男の子の母親すべてが持つ病の恐怖からの解放』だと感激するのを、家斉は胸をつかれたような表情を見せる。それまでの誇らしげな晴れやかさではない。 そうではない母親を彼はひとり知っていたからだ。 そしてすべてが終わった時、彼があんなにも愛していた妻を遠ざけたのはそんな母親を救ってしまった自分の弱さを直視したからだろう。 子供は彼の子供でもあるのに、彼女たちは仇討を彼に持ちかけなかった。 一人は命すら捨てたのにもかかわらず、自分の懇願を聞き届けた。 優しさはもちろんだが、彼女たちは自分の弱さに気づいていてそれを許せるほど強かった。 御台は自分が彼を裏切ったからしようがない、と理解しているが、おそらく彼は恥じていたのではないかと思う。 愛も知らない子供の仇の化け物をただ母だというだけで、殺せない弱い自分を許せなかったのだろう。 だからこそ、臨終の際すべてが終わったとき、幸せだった二人の姿でその時は描かれた。 同じころ黒木も息を引き取る。 尊敬していた友人たちや、ともに歩んでくれた朋と飲みあい、愛した女に別れを告げて、そのすがすがしい最期は同じやり遂げた男であっても家斉のものとは違う幸福感に満ちている。 そして今から怒涛の幕末編だ。 敢えて女将軍に戻し、さらにあの阿部正弘を女幕閣として登場させる。 どうなるか非常に楽しみだ。

Posted byブクログ

2015/06/27

鎖国~ペリー来航をこうつなげたか! 女老中たちが、だから男に政治は荷がおもい、と口にする。でも、時代をかえたのは、弱者とされた男たちの才能と熱意であり、弱者を信頼し支えた女性たち。深いよね!

Posted byブクログ

2015/06/27

赤面疱瘡なくなっても話が続くとは思ってなかった。男女の力関係がいったりきたりして面白い。これから幕末に向かうのかと思うと益々楽しみ。

Posted byブクログ

2015/06/26

産みにまつわる苦しみ、ジェンダー、美醜など、将軍の代替わりごとになんとなくテーマが示されてきたけれど11巻12巻通してのテーマは「母親」だったと思う。 怪物・徳川治斉 御台所・茂姫 町医者の嫁・黒木るい この3人の生きざまを対比することによって、治斉の異常さ、御台の壮絶なまで...

産みにまつわる苦しみ、ジェンダー、美醜など、将軍の代替わりごとになんとなくテーマが示されてきたけれど11巻12巻通してのテーマは「母親」だったと思う。 怪物・徳川治斉 御台所・茂姫 町医者の嫁・黒木るい この3人の生きざまを対比することによって、治斉の異常さ、御台の壮絶なまでの我が子への愛情、そしてるいの強さ優しさがより引き立った。 彼女たちの他にもお志賀や高橋景保、江戸市中の男の子をもつおっかさんたちなど、多くの母親が登場し、母としての矜持を見せた。 また、黒木が望んだものとは最終的に少し違ったかたちになってしまったが、青沼や源内が遺したものが次世代に引き継がれ、実を結んでいく様子は涙なしには読めない。 そしてついに物語は幕末へ。見開き1ページの予告だけで期待感が半端ない! 80歳くらいになった伊兵衛がまだぴんしゃんしてたら嬉しい。伊兵衛大好きなので。

Posted byブクログ

2015/06/26

よしなが先生の和風SF(ちょっと不思議)作品も早12巻。 今だその面白さは健在です。 治済の最後には色々と考えさせられましたが一段落の巻となりました本作..... 以降もこの面白さを維持できるか.....まぁ、するんでしょうね。よしなが先生ですもの。

Posted byブクログ