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下流老人 の商品レビュー

3.6

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2017/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2016年、37冊目です。 現役時代にある程度の収入があり、老後は何とかなるだろうと思っている人が多い。 しかし、現実はそうは安穏としていられないと警鐘を鳴らしている内容です。 マスコミでもしばしば取り上げられ、NHKテレビなどでも特集され、話題になりました。 老後に予期しない(自分には起こって欲しくない)重荷を背負うことになると、 到底今現在保証されている社会保障のレベルでは、対応できないということです。 病気や障害、介護や教育費の支援などのために、安穏な生活は保障されず、 現実に、厳しい生活を強いられている人が増えているとのことです。 そのため、下流老人問題は、個人の不運や準備怠慢だけで論ずるのではなく、 社会問題としてとらえるべきとの趣旨です。 国家財政の中で、確か社会保障費は30兆円を超えていたと思う。下流老人問題を社会保障の枠組みで考えていこうとすると、この予算の面からも厳しい状況のように思います。自己防衛をできることはしておかなくてはと思います。 まずは病気をしないことですが、これは既に手遅れの感があります。 本中にもありましたが、「早く死んだ方がいい」という気持ちにならないように、 自分自身を”生かして”おけるかが根っこの部分で大切かなと感じました。 おわり

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2016/06/02

全体としてよく書かれていると思います、納得の一冊。 個々の内容については、限られたスペースであり、やむを得ませんが、問題だらけです。まず用語の使用がかなりルーズで、データは頻繁に参照されますが、その都度、都合のいい数字を引っ張ってきている感が否めません。書き方も、後術と提言が多く...

全体としてよく書かれていると思います、納得の一冊。 個々の内容については、限られたスペースであり、やむを得ませんが、問題だらけです。まず用語の使用がかなりルーズで、データは頻繁に参照されますが、その都度、都合のいい数字を引っ張ってきている感が否めません。書き方も、後術と提言が多くて気になります。ボートの例えは何が言いたいの???認知症の傾向って何、発症してるのしてないの?特にひどいのは、ケアマネジャー(介護支援専門員)の職務に対する誤解、質云々の話ではなく、制度の問題であり、著者が言う職務を行うのは、特定施設であれば、別途、生活相談員が配置されています。また、なぜ「養護老人ホーム」なのか?ほとんど休眠状態ともいえる施設を取り上げるのも理解しかねます。有料老人ホームの経営母体も、介護付は民間が多いのは事実ですが、住宅型は社会福祉法人や医療法人、NPOも多いです。「特別養護老人ホームは大きな利益は見込めない」と書かれていますが、昨年介護報酬が改定(下げられた)された一因は、特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人の内部留保の多さではなかったですか?補足性の原理も、「家や土地を保有していると生活保護を受けづらくなる」としても、今年、大阪府H市からは、可能であると回答を得ています。身寄りがなかったり、認知症を患っていたりして、本人が売却処分などできない場合、保佐人や後見人を立てる等、時間がかかる場合もあるでしょうが、まずは相談してみることです。自己防衛策はお粗末、前の章とも整合性がありません。

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2016/05/23

世間でやたら「下流老人」と言う言葉が取りざたされていたので読んでみた。 現役の頃 「自分はそこそこ中流世帯」と思っていた一億総中流世代なのに・・・ パラサイトシングルや就職氷河期の子供たちを支え、 政治は「年寄りの貯蓄をもっと 使う子供世代へ」の号令のもと 孫への非課税を決め...

世間でやたら「下流老人」と言う言葉が取りざたされていたので読んでみた。 現役の頃 「自分はそこそこ中流世帯」と思っていた一億総中流世代なのに・・・ パラサイトシングルや就職氷河期の子供たちを支え、 政治は「年寄りの貯蓄をもっと 使う子供世代へ」の号令のもと 孫への非課税を決め、 親の援助は当たり前、でも 同居や介護は無理・・・ そして 熟年離婚 う~ん 日本はどこへ向かっているのか・・・ 貧困高齢者の現実は著書を読むと ひしひしと伝わってきたが、あまりにも大きな問題すぎて、解決策は見つかっていないのが現実。 ただ お金はなくても親戚やご近所仲が良いと 生活自体は「寂しい老後」にはならないというのは、不変のもののようだ。 そして 健康維持ですね。 お金はコツコツためるとして、熟年離婚しないよう まずは夫婦仲良く、友人を大事にして、子供にはできるだけ頼らないで、健康で頑張ろうっと。

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2016/05/03

ぼちぼちと将来のことを考えなければいけないと思い、漠然とした不安があったなか、本書をみつけて購入。 具体的な事例をもとに、下流老人となる過程についての記載があったことにより、現状をイメージすることはできた。 第6章の自分でできる防衛策について、もう少し踏み込んだ記載があれば、...

ぼちぼちと将来のことを考えなければいけないと思い、漠然とした不安があったなか、本書をみつけて購入。 具体的な事例をもとに、下流老人となる過程についての記載があったことにより、現状をイメージすることはできた。 第6章の自分でできる防衛策について、もう少し踏み込んだ記載があれば、自分にあてはめて考えられることができたとは思う。 仕事以外の人間関係の構築、健康、本業を頑張ること、自分はこの3つを当面行うことにより、中流老人になれればいいなというのが感想。

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2016/04/29

かつて一億総中流と謳っていた日本も、今は格差社会が顕在化して持たざる者と持つ者の二極化社会です。その差はますます広がる社会の仕組みが問題となっています。 この本では特に低所得層の高齢者の現実に焦点を当ててその実態と対策について述べています。 実例では、様々な理由で人生の終わりの時...

かつて一億総中流と謳っていた日本も、今は格差社会が顕在化して持たざる者と持つ者の二極化社会です。その差はますます広がる社会の仕組みが問題となっています。 この本では特に低所得層の高齢者の現実に焦点を当ててその実態と対策について述べています。 実例では、様々な理由で人生の終わりの時期に厳しい現実を突きつけられた人たち。彼らは特に怠惰だったわけでもなく、中流意識でこれまで人生を過ごしてきたのですが、親の介護、成人の子どもの面倒、病気、離婚など、想定外の事態で経済的に行き詰まり、支援を受けることになった経緯を紹介しています。 これを読むとこのような事態は決して他人事ではないことがよくわかります。ましてや、自己責任論で生活保護を受ける人をバッシングするなど、個人的な問題として済ませるのはもっての他ということです。 人類の歴史史上経験のない超高齢社会と人口減少が重なったこの社会では、今までの制度にすがるのはもう限界があるのは自明です。公助も充実、共助、自助がバランス良く働けば住みよい社会になると思いますが‥云うは容易く行い難しです。 余談ですが、仕事一筋できた男性は妻に逃げられてはいけない、とあるのを読んで不謹慎ですが笑えました。こうした男性は生活能力が低く、外食など無駄にお金を使いがちで節約しようとする意識も持てない、とあるのがミクロレベルの肝心な問題だと思いました。

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2016/04/22

傍観者から当事者になるための本、社会を見るための入門書といった感じ。興味がない人にこそ読んでもらいたい一冊。生活保護の一部保険化など提言も興味深い。

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2016/04/12

危機感を煽るだけ煽って現実味のある解決策が提示されないので、「で?」というのが率直な感想。 いかにも現場にいる人っぽいかんじです。(弱者が目の前にいるので、問題点はいくつも挙げられるけど具体的な解決策は何もない) 生活保護を受けるのは恥ずべきことではない、としながらもじゃあ生活保...

危機感を煽るだけ煽って現実味のある解決策が提示されないので、「で?」というのが率直な感想。 いかにも現場にいる人っぽいかんじです。(弱者が目の前にいるので、問題点はいくつも挙げられるけど具体的な解決策は何もない) 生活保護を受けるのは恥ずべきことではない、としながらもじゃあ生活保護を受ける人が増えた場合その財源どうするの?っていうところまで示さないと意味がないのでは。 結局建設的なことといえば予防・コミュニティづくりが大事っていうだけの誰もが判ってる結論しか見えてこない。 正直偏りすぎているし、不安になるだけで学びや気づきは少なかったのでイマイチ。キャッチーなタイトルと不安を煽る文章で話題になっただけか、と遠目。

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2016/04/10

題名通り主な内容は”老人の貧困”問題だが、それを日本における様々な問題(障害者、女性、子ども、若者 の貧困や差別)の一部と捉えている。若者と老人のどちら側に富(税金)の再配分を行うのかというありがちな議論ではなく、”若者の貧困”=”老人の貧困”予備軍とした連続的視点で捉えることに...

題名通り主な内容は”老人の貧困”問題だが、それを日本における様々な問題(障害者、女性、子ども、若者 の貧困や差別)の一部と捉えている。若者と老人のどちら側に富(税金)の再配分を行うのかというありがちな議論ではなく、”若者の貧困”=”老人の貧困”予備軍とした連続的視点で捉えることにより、”老人の貧困”に対する予防(処置)と(是正)対策を論じている点が興味をひいた。作者が30代で、NPO法人代表として”老人の貧困”にかかわっているゆえに持てる視点なのか。こういった優秀な若者が続出することを期待したい。 以下、引用省略

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2016/04/09

老後の貧困はひとごとではない。 そう警報を鳴らすのは、生活困窮者支援のNPO法人「ほっとプラス」の代表理事で社会福祉士である本書の著者、藤田孝典さん。 本書では下流老人を「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義しています。 私も高齢分野で相談援助職をし...

老後の貧困はひとごとではない。 そう警報を鳴らすのは、生活困窮者支援のNPO法人「ほっとプラス」の代表理事で社会福祉士である本書の著者、藤田孝典さん。 本書では下流老人を「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義しています。 私も高齢分野で相談援助職をしていたことがあるからこそ、ここに書かれている重たい現実が、忍び寄る貧困の影が本当に存在しているものだと知っています。 一億総中流社会なんて、随分昔のお話です。今は、普通に暮らしている人の多くが貧困リスクを抱えています。 ◆下流老人が抱える3つの「ない」 下流老人は、3つの「ない」を兼ね備えてます。 すなわち、①収入が著しく少「ない」②十分な貯蓄が「ない」③頼れる人間がい「ない」 制度自体がなくなることはないでしょうが、年金収入は減り続けるばかり。収入が公的年金のみでは、国民年金なら7万円ももらえないし、厚生年金だって平均月給給与が38万円で40年間納めたとしても月に17万円もらえない。 無論、平均月給が、納付期間が少なければその額はもっと少なくなる。 必然的に、高齢期に年金収入のみに頼ると、収入は著しく少ないと言わざるを得ない。だからこそ働けるうちは働くという意識を持っている人は多いけれど(本書によると65歳以上の就業率は20%と世界で1番。フランスは2%ほど)、当たり前ながらいつまでも健康に働けるわけではないのです。 貯蓄だって、日々の生活から老後資金を十分に用意するだけの余力がある人は多くない上に、突然の長期入院などであっという間に貯蓄は目減りしてしまう。 それに自分が高齢期になる頃には親もいないだろうし、兄弟や友人だって皆高齢だ。その頃頼れる相手が、どれだけ自分にいるでしょうか。 つまりは、誰だって下流老人になる可能性は高い。まして、高度経済成長期を生き抜いた今の高齢者ですらそうなのだから、非正規雇用が40%を占める今の若者が高齢者になる頃のことを、今から真剣に考えていかなければいけないのでしょうね。 目を覆いたくなるような現実ですが、高齢者が尊重される社会であってほしいと思うので、見ないふりだけはしないようにしようと思います。 本書にも度々セーフティネットとしての生活保護に関する記述がでてきます。生活保護の基準は下げられているものの、人間が健康で文化的に生活できるだけの基準で設定されています。 本来であれば、病気や年金の不足などで十分に生活できない人がこの社会で生きる権利として申請をしてほしいものですが、まだまだ抵抗感は根強いし、耐えることが美徳とされる風潮もあることから頑張る人程利用に繋がらない現実がもどかしいです。 一方で、権利だからと受給をして不必要なほどの医療にかかる人、貰うとすぐに散財をする人を見るにつけ、やるせない気持ちにもなります。我慢をする人、遠慮をする人ほど損をする社会であっていいはずがない。 団塊世代が75歳を迎える2025年の介護問題についても国は対策に動いていますが、同時に貧困対策というのも急務ですね。ただし、公助のみでなく、自助だって必要です。もちろん、貧困はその人が怠けていた結果ではなく、社会構造上どうしても発生してしまうものです。 では、個人で何を備えておくべきかということが本書にもいくつか書かれておりどれも大切ですが、中でも頼り、頼られることのできる人間関係の構築というのは私も欠かせないものだと思っています。 問題が深刻化してから支援に繋がるケースが多いのを目の当たりにして、このまま対処療法ではいけない、というのは私も感じています。 あるいは、独居高齢者たちが異口同音に口にする「はやく死にたい」という言葉を聞くにつけ、高齢者が自尊心をもって生きられる社会を模索する必要性も感じています。では自分に何ができるのか。 抜本的な取り組みができるわけではないですが、なるべくアンテナを立てながらできることを1つずつ見つけていきたいと思います。

Posted byブクログ

2016/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イマイチパッとせず。 危機感はよく伝わってきたのですが… 結局は制度上の問題で片付いてしまった感があります。 生活保護の提案については賛同できず… この問題は今後さらに大きくなることが想定されます。自分自身、まだ把握できていないことが多いので、これから勉強していきたいなと思います。

Posted byブクログ