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下流老人 の商品レビュー

3.6

85件のお客様レビュー

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2021/01/22

下流老人 オペレーションZの参考文献リストにあり、兼ねてから興味があったため、購入し、読んでみた。 下流老人とは、筆者である藤田氏の造語であり、生活保護受給レベルで生活を行っている老人のことである。実は、日本には生活保護受給レベルでありながらも生活保護を申請することなく、極めて...

下流老人 オペレーションZの参考文献リストにあり、兼ねてから興味があったため、購入し、読んでみた。 下流老人とは、筆者である藤田氏の造語であり、生活保護受給レベルで生活を行っている老人のことである。実は、日本には生活保護受給レベルでありながらも生活保護を申請することなく、極めて低い収入で暮らしている老人が存在する。それらの人々は、まずは自らが生活保護受給レベルにあることに関しての認知もなく、さらには社会的な繋がりも持たずに生活している為、実際に孤独死してしまう方もいる。 本書では、下流老人になってしまった方々のこれまでの経緯と、生活保護についての知識、そして、今後非正規雇用として高齢者となる日本の現在の若年~中年層に向けて、警鐘をならす。 本書で興味深かった点が、下流化してしまう老人は、多くの場合もともと正社員として働いており、それなりの貯蓄もあった人々であるということである。彼らは、病気による医療費支出や、引きこもりの子供の養育費用等、ある種のアクシデントにより、下流化してしまうのである。また、親の介護をきっかけに介護離職したことにより、年金保険料の未納期間がかさみ、結果として年金が極めて少ないというケースもある。 多くの人々は、普通の暮らしぶりをして、老人となるのだが、上記の様なリスクを乗り越えられず、下流化するのである。私はこれまで、保険会社、保険ブローカーで働いてきたが、やはり生命保険や就業不能保険で救えるのではないかと職業柄考えてしまう。本書では、保険の様な自助ではなく、公助を充実させることを提唱しているが、ある種、保険に入っていればこの人々は救えるのではないかと考えることはある。 私はどちらかと言えば個人に対して保険を売るのではなく、法人に対して、法人の従業員向けの保険制度を導入することを生業としているが、最近では介護離職期間中の収入補填の保険商品などもある。介護と仕事の両立ということが本商品で促進されれば、介護離職期間の年金保険料の未納を原因とする年金の減少を押されることが出来るのではないかとも思う。

Posted byブクログ

2020/11/12

帯のコメント見て恐怖を覚え手に取る。老後破産は誰にでも起きうる問題で、他人事では無い。今現在、社会保障でまかない切れないとなれば、国の見直しも必要なのだが難しいだろうね。著者が見てきた実態がリアル!将来を見据え、生活の見直しを始めよう!

Posted byブクログ

2020/08/07

若いうちに読んでおいてよかった。不安な気持ちにもなるが、これから自分がどう行動して行けば良いか考えるきっかけになりました。 キーワードのひとつは「意識」。いまの生活でなんとなくやっていけるだろうくらいに思っていると、痛い目を見る事になるかもしれない。 好きな事・やりたい事を仕事に...

若いうちに読んでおいてよかった。不安な気持ちにもなるが、これから自分がどう行動して行けば良いか考えるきっかけになりました。 キーワードのひとつは「意識」。いまの生活でなんとなくやっていけるだろうくらいに思っていると、痛い目を見る事になるかもしれない。 好きな事・やりたい事を仕事にするのか、金銭・福利厚生面を重視するのか。。 仕事について悩んだ時に、岸見一郎さんの「アドラーに学ぶよく生きるために働くということ」と併せて読むのがオススメです。

Posted byブクログ

2019/07/27

年金がらみの老後2000万円問題が話題になってるので読んでみた。 ちなみに老後2000万円ひつようだってのはおそらくほんとで、年金なんかあてにしてたら成り立たないっていうのは常識だったと思う。隠す必要もなければ、いまさらびっくりしてる人ものんきだわ。 でも、2000万円ためるのは...

年金がらみの老後2000万円問題が話題になってるので読んでみた。 ちなみに老後2000万円ひつようだってのはおそらくほんとで、年金なんかあてにしてたら成り立たないっていうのは常識だったと思う。隠す必要もなければ、いまさらびっくりしてる人ものんきだわ。 でも、2000万円ためるのはかなりきびしくて、そのあたりもこの本に書いてある。うちなんか教育資金以前に老後資金貯めろとかFPに言われて、もっともなんだけどなんか何のためのお金、貯蓄か、ってかんじ。 この本すごくためになって怖くなって、著者の熱さもすばらしくていい本。国民全員読むべき。そして制度作る人たちは猛省して改正にかかるべきでは。 以下メモ。 p29 平均貯蓄額について ごく一部の富裕層が平均値を高めているため、多くのひとの実際の貯蓄額はもっと低くなる(統計の中で「平均」という言葉が出てきたら、要注意だ。平均はあくまで合計額を構成数で割った数字であり…) →かっこ内が大事。発表者の作為を感じろ、ということだね! P30 下流老人の特徴 頼れる人間がいない 関係性の貧困。社会的に孤立している姿が見えてくる p70 るので読んでみた。 ちなみに老後2000万円ひつようだってのはおそらくほんとで、年金なんかあてにしてたら成り立たないっていうのは常識だったと思う。隠す必要もなければ、いまさらびっくりしてる人ものんきだわ。 でも、2000万円ためるのはかなりきびしくて、そのあたりもこの本に書いてある。うちなんか教育資金以前に老後資金貯めろとかFPに言われて、もっともなんだけどなんか何のためのお金、貯蓄か、ってかんじ。 この本すごくためになって怖くなって、著者の熱さもすばらしくていい本。国民全員読むべき。そして制度作る人たちは猛省して改正にかかるべきでは。 以下メモ。 p29 平均貯蓄額について ごく一部の富裕層が平均値を高めているため、多くのひとの実際の貯蓄額はもっと低くなる(統計の中で「平均」という言葉が出てきたら、要注意だ。平均はあくまで合計額を構成数で割った数字であり…) →かっこ内が大事。発表者の作為を感じろ、ということだね! P30 下流老人の特徴 頼れる人間がいない 関係性の貧困。社会的に孤立している姿が見えてくる p70 支援しても減らない下流老人 12年間で生活困窮の相談者は一向に減らない 穴の開いたボートに浸水してくるかのよう これまでの活動は水を書き出していた。この穴をどうしたらふさげるかを考えなくてはならない 対処療法(ここは"対症療法"が言葉としては正しいのでは。)ではなく、社会問題として根本から対策を立てなければ、手遅れになる 生活相談を受け、支援を行うことをミクロ実践 マクロ実践を展開し、制度や政策、人々の意識や考えを変えない限り、下流老人の問題はなくならないのだ。 p127 「生活困窮者を救うべきなのか」「そのような支援活動は必要なのか」というような否定的な意見、あるいはもっと直接的に支援活動を止めるように促す意見をいただくこともある。むしろ反対意見、否定的意見のほうが圧倒的に多い。 芯で言い人間など一人もいない。貧困が理由で命を奪われるいわれはないし、強制労働に従事させる正当性もない。当たり前だが、貧困は罪ではないのだ。 p133 ひっそりと死んでいく下流老人たち たとえば、アンテナを張って周囲を見渡してみてほしい。あなたの家の隣の住人はどうだろうか。隣の隣の家のおじいちゃんは孤立死していないだろうか。向かいにあるアパートや公営住宅で独り暮らししている高齢者はいないだろうか。ゴミ屋敷化している家はないだろうか。昔お世話になったおじいちゃんやおばあちゃんを最近見かけたことはあるだろうか。これら身近な人の状況を現実感として自分の中に取り込むことが、まず必要なのだと思う。 p157 介護保険サービスが各家庭の経済状況を加味した上で設計されていないという問題もある。…ケアマネージャーが立てるケアプランがひどい。 有料介護付き施設は金持ち向け。低料金な特養は長い順番まち。無料・定額宿泊施設は悪徳なところがあるらし。 p214 若者は老後に対する不安から貯蓄を優先し、消費を控える傾向が表れている。こうした傾向がすでに実体経済に大きな影響を与え始めている。成熟社会。…成熟…

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2019/06/18

2015年の新書だが、まだまだ新鮮に読める。 一部の貧困層だけではなく、今は大丈夫と思っている大多数の日本国民が老後に破産し、健康で文化的な最低限の生活さえも送れなくなる可能性があることに警笛を鳴らした本。 資本社会である限り、貧困は個人のせいではなく、社会のせいである。というの...

2015年の新書だが、まだまだ新鮮に読める。 一部の貧困層だけではなく、今は大丈夫と思っている大多数の日本国民が老後に破産し、健康で文化的な最低限の生活さえも送れなくなる可能性があることに警笛を鳴らした本。 資本社会である限り、貧困は個人のせいではなく、社会のせいである。というのが著者の一貫した主張。そのため、年金で足りない分は、生活保護をもらうことをためらってはダメ。高齢者になるまで、税金を払ってきているので、生活保護を受ける権利はある。 日本人で問題なのは、社会から施しを受けるのは嫌、親族に迷惑をかけるのは嫌という理由で生活保護以下の生活をし、孤独死をしてしまう老人が多いということ。自己責任論、生活保護受給者叩きなどは、日本特有の概念。 著者の主張は非常に理解できるし、納得できる。日本の社会保障について考えさせられた1冊。ただ、中流階級の自分からしたら、年金だけでは足りないのは分かってることなので、老後の準備はやはりやっておくべきだし、自己責任だよなぁ、不公平だなぁというモヤモヤ感は否めない。私も漏れなくthe日本人的な感覚。もう少し広い心を持たないとな…

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2019/05/21

年金が足りなくて、多くの人が貧困状態に陥るという警告 そのとおりなんだけど、対策が取りにくいんだよね。 人数の大きな集団に対して、手厚い資金供給はむりと思う。 長寿の対価として、相対的貧困層の増加はやむをえないんじゃないだろうか。

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2018/11/23

下流老人の問題は、個人の選択やモラルではなく、社会構造の問題。ゆえに下流老人対策は若者の対策(就労支援や賃金上昇、住宅対策)を含まなければならない。老人を若者と対立させる論調が多い中、すべては連関しているという視点は重要だ。

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2018/09/16

収入が少ないため、十分な貯蓄がないため、頼れる人間がいないために、 仕事を引退後、孤立してしまい、貧困に陥ってしまう、「下流老人」の話をまとめた本。 「普通」から「下流」に落ちないために自分がいかにリスク分散をしていくかを考えさせられたし、老人だけではなく、若者も当事者になる可...

収入が少ないため、十分な貯蓄がないため、頼れる人間がいないために、 仕事を引退後、孤立してしまい、貧困に陥ってしまう、「下流老人」の話をまとめた本。 「普通」から「下流」に落ちないために自分がいかにリスク分散をしていくかを考えさせられたし、老人だけではなく、若者も当事者になる可能性は十分あるので、 ミニマルな生き方、横との繋がりを重視した生き方などを考えんとだと思った。

Posted byブクログ

2018/07/03

近年、生活保護世帯が確実に増加している。特に、高齢者世帯で。生活保護支給の問題点や課題、使いにくさ、世間からの見られかた、一方で、住宅費の異常な高さに対する補助への欠陥等々。年金支給年齢が引き上げられ、年金支給額が引き下げられ、生活保護支給額も減り、文化的で最低限度の生活レベルも...

近年、生活保護世帯が確実に増加している。特に、高齢者世帯で。生活保護支給の問題点や課題、使いにくさ、世間からの見られかた、一方で、住宅費の異常な高さに対する補助への欠陥等々。年金支給年齢が引き上げられ、年金支給額が引き下げられ、生活保護支給額も減り、文化的で最低限度の生活レベルも恣意的に引き下げられる現状について説明・解説されている。

Posted byブクログ

2018/06/07

文字通り、今後年金生活が破綻して増えるであろう下流老人の話。 たとえ定年まで普通に仕事をしてても、あっという間に下流社会に転落する危険性があることがよくわかった。

Posted byブクログ