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意識はいつ生まれるのか の商品レビュー

4.2

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

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2024/09/04

ここ数年で読んだ本の中で、最も苦戦した内容でした。 もともと脳みそに興味や知識があったわけではないので専門用語や解釈に苦労したところもあった。 ただそれ以上に、読めば読むほど謎が深まる脳みそが自分にも搭載されているんだと実感したとたんなんだか気持ち悪くなった…ダイオード実験の...

ここ数年で読んだ本の中で、最も苦戦した内容でした。 もともと脳みそに興味や知識があったわけではないので専門用語や解釈に苦労したところもあった。 ただそれ以上に、読めば読むほど謎が深まる脳みそが自分にも搭載されているんだと実感したとたんなんだか気持ち悪くなった…ダイオード実験のくだりの描写がエグすぎて読むのを止めようかと思ったほどです(こんな経験初めて) 時間はかかりましたが、読んでよかったと思える本であり、このカテゴリーに興味を抱くきっかけをいただきました。

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2024/07/15

意識はいつ生まれるのか、タイトル通りの疑問を解決したかったため手にとった。本の構成がとても魅力的で、序盤も最後も非常に興味深く読めた(ただし、第6章は少し難しい)。工学的に意識が作れるとしたらどのようなものか、というのをいつも考えているが、それについても第8章で触れられていた。し...

意識はいつ生まれるのか、タイトル通りの疑問を解決したかったため手にとった。本の構成がとても魅力的で、序盤も最後も非常に興味深く読めた(ただし、第6章は少し難しい)。工学的に意識が作れるとしたらどのようなものか、というのをいつも考えているが、それについても第8章で触れられていた。しかしその箇所よりも、質量の例をあげて観測されなければ意識はないという考えを否定したところに最も感銘を受けた。自分以外の他人に意識はほんとうにあるのか疑わしいと思うような人はぜひ読んでみるといいと思う。

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2024/05/12

当たり前に捉えられている意識の不思議と、意識が生じる源となるものは統合情報量であるとする統合情報理論(IIT)について書かれた本。著者の1人がIITを考案したジュリオ・トノーニであったためIITについて詳しく書かれているかと思っていたが、どちらかというと意識の不思議に主眼を置いた...

当たり前に捉えられている意識の不思議と、意識が生じる源となるものは統合情報量であるとする統合情報理論(IIT)について書かれた本。著者の1人がIITを考案したジュリオ・トノーニであったためIITについて詳しく書かれているかと思っていたが、どちらかというと意識の不思議に主眼を置いた内容であった。 個人的に面白いと思ったのは以下の3点である。 ①意識の研究には実用性が薄いと感じていたが、臨床現場での患者の意識状態(昏睡、植物状態、最小意識状態など)を判別するために、「意識とは何か?」という問いに答えるのは医療現場では喫緊の課題であるということが分かった点。 ②臨床での意識状態の判別結果と、TMS脳波計測によるTMS刺激の脳全体への広がり方に強い相関が見られたという点。 ③睡眠時と覚醒時のTMS脳波計測で、刺激の広がりに違いがあったという点。

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2024/03/18

読み心地がすこぶる快適で、ミステリー小説を読み進めるような構成の妙。 直前にダマシオの『自己が心にやってくる』を読んで翻訳物の神経科学は僕には早いかもと打ちのめされてたところ、救世主のような救いの手を差し伸べてくれました。しかし、カバーデザインからは堅苦しい印象を受けてたので、...

読み心地がすこぶる快適で、ミステリー小説を読み進めるような構成の妙。 直前にダマシオの『自己が心にやってくる』を読んで翻訳物の神経科学は僕には早いかもと打ちのめされてたところ、救世主のような救いの手を差し伸べてくれました。しかし、カバーデザインからは堅苦しい印象を受けてたので、読み手を選ぶだろうなと少し惜しい気持ちがある。 意識とは何か?という壮大なテーマに「統合情報理論」という手法によって挑む。解き明かされる謎もあるし、まだ霞が晴れない議論(意識分布図、統合や情報を司るコアなるものの解明)がある。それでも、意識というぼんやりしたでもクリティカルな問題に対して着実に解像度が上がること間違いなし。この議論の現在の展開が知りたいけど、参考図書あるかなー探してみよう。

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2023/02/12

「意識」についての脳の研究 ごく当たり前のごとく扱われているが、 非常に不思議なものである「意識」を、 脳を調べることによって解明していこうという試み。 その定義や、科学的な研究方法の確立、検証、考察と、脳科学だけに収まらない内容。 もちろんはっきりしたことは少ないのだが、 ...

「意識」についての脳の研究 ごく当たり前のごとく扱われているが、 非常に不思議なものである「意識」を、 脳を調べることによって解明していこうという試み。 その定義や、科学的な研究方法の確立、検証、考察と、脳科学だけに収まらない内容。 もちろんはっきりしたことは少ないのだが、 こういった第一歩のような挑戦をきっかけに 将来的に解明されていくのかと思うと、 今読めて良かったと感じる。 それと、 教養を要するような内容で、しかも翻訳本であるのに非常に読みやすい。 一般人向けに書かれたためか、イタリア人の文章がまわりくどくないのか、翻訳者が凄いのか。 とてもすっきりしていてわかりやすい。

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2023/01/29

マルチェッロ・マッスィミーニ、ジュリオ・トノーニ「意識はいつ生まれるのか」読了。意識は大脳皮質のニューロンが統合と情報の状態を両立する場合に生じる。その統合情報理論は磁気刺激法と脳波計を組合せたTMS脳波計により覚醒と睡眠や植物状態を明確に判別できる。意識に対し多くの気づきを得た...

マルチェッロ・マッスィミーニ、ジュリオ・トノーニ「意識はいつ生まれるのか」読了。意識は大脳皮質のニューロンが統合と情報の状態を両立する場合に生じる。その統合情報理論は磁気刺激法と脳波計を組合せたTMS脳波計により覚醒と睡眠や植物状態を明確に判別できる。意識に対し多くの気づきを得た。

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2022/10/31

物質としての脳からどのようにして主観的な意識体験(クオリア)が生じるのかを説明する「統合情報理論(φ理論)」の解説 ●未解決問題 人間の意識には ・「脳内で情報がどのように処理されているか」という物理的過程を扱う「意識のイージープロブレム」と ・「物質および電気的・化学的反応...

物質としての脳からどのようにして主観的な意識体験(クオリア)が生じるのかを説明する「統合情報理論(φ理論)」の解説 ●未解決問題 人間の意識には ・「脳内で情報がどのように処理されているか」という物理的過程を扱う「意識のイージープロブレム」と ・「物質および電気的・化学的反応の集合体である脳から、どのようにして主観的な意識体験が生まれるのか」 という二つの問題がある 後者はほぼ解明されていない ●「意識の情報統合理論」 トノーニの研究チーム 脳波計 ・「わたし」という主観的な意識は、その意識が体験する身体の所有者にのみ存在するという考え方からスタートし、主観的に体験する情報が統合されて初めて意識が生じることになる。 ・トノーニは、ある物理系が意識を持つためには、ネットワーク内部で多様な情報が統合されている必要があるとする ●情報統合理論 基本的な命題は、 ある身体システムは、情報を統合する能力があれば、意識がある、というもの。p111 ●公理から導き出されるもの 意識を生み出す基盤は、おびただしい数の異なる状態を区別できる、統合された存在である。つまり、ある身体システムが状態を統合できるなら、そのシステムには意識がある

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2022/05/08

初心者には難しかったが、大変読み応えのある本だった。情報統合理論をちゃんと説明出来ないが、「脳って凄い」という事は分かった。その点で言えば著者の企みは成功しているのではないか(本当はダメだけれど)。「意識の単位φ」や地球上に存在するあらゆるものに意識はあるのかという問いも興味深い...

初心者には難しかったが、大変読み応えのある本だった。情報統合理論をちゃんと説明出来ないが、「脳って凄い」という事は分かった。その点で言えば著者の企みは成功しているのではないか(本当はダメだけれど)。「意識の単位φ」や地球上に存在するあらゆるものに意識はあるのかという問いも興味深い。図や写真が豊富で見てて楽しかった。

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2021/06/05

意識という重大にして永遠の課題みたいなテーマがまず面白いし、統合情報理論についても大まかな理解が得られたと感じたからよかった。数式も用いられてないので誰でも読めます。

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2020/12/31

本の3/2程が意識が生まれるための条件の話、そこから本の副題にもある統合情報理論を導き出し、残りの3/1で理論の裏付けや今後の話をしている。 臨床例が多く説明がわかりやすい。専門的な単語が出てくるが、あわせて解説もしてくれているので素人でも理解することができた。 多少話が回りくど...

本の3/2程が意識が生まれるための条件の話、そこから本の副題にもある統合情報理論を導き出し、残りの3/1で理論の裏付けや今後の話をしている。 臨床例が多く説明がわかりやすい。専門的な単語が出てくるが、あわせて解説もしてくれているので素人でも理解することができた。 多少話が回りくどく、この場面でその例は本当に必要なのか?と思うところが多々あったが、内容自体は興味深く濃いものだった。

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