意識はいつ生まれるのか の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一般人にも読みやすく、かつ著者の人文科学的素養もあって、楽しく読める。内容的には意識は大脳皮質系の複雑で統合的な活動によって生まれるのではないか、ということを科学的に証明した本。タイトル通り「意識はいつ生まれるのか?」を証明した本です。
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統合情報理論、理論としては面白いけど、それが意識の根源になっているというのはどうかなあ、直感的には信じられない。読み物としてはよくできていて面白かった。
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意識を生みだす基盤は、おびただしい数の異なる状態を区別できる、統合された存在である。つまり、ある身体システムが情報を統合できるなら、そのシステムには意識がある。
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「意識」というものに対しては、小さい頃からずっと不思議に感じている。 「意識=自分=人生そのもの」のように思ってきた。 意識って何なんだろう? サルや猫や魚や虫に意識はあるのか? どこまであってその境界は? 死んだら意識はどうなるのか? 肉体と意識は分離できるのか?本当に一体の...
「意識」というものに対しては、小さい頃からずっと不思議に感じている。 「意識=自分=人生そのもの」のように思ってきた。 意識って何なんだろう? サルや猫や魚や虫に意識はあるのか? どこまであってその境界は? 死んだら意識はどうなるのか? 肉体と意識は分離できるのか?本当に一体のものなのか? 死んでも意識が残るということは不可能なのか? 意識をコピーできないのか? などなど… ほぼ半世紀生きてきたが、意識に対するクエスチョンマークは一向に減ることはない。この間、ニューロンやシナプスの構造や働きが解剖学的・生理学的に解明されてはきたが、意識の謎は解明されない。 しかしこの本は少し手がかりが見える。 特に植物状態や昏睡状態に陥っている人の意識の問題は深刻で、かつ示唆に富んでいる。それは、意識のある状態とない状態の境界に位置する問題だからだ。 情報量と伝達の構造と多様性(複雑性)が鍵になる。 これは組織の在り方や人間社会の在り方のヒントにもなる。
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他の臓器と、脳。デジタル機器と脳。何が違って意識が生まれるのか。 仮説と検証、データ解析をしながらその謎に迫ります。 実験の一つに「電気はついているか、あるいは消えているか」を答えるものがあり、それによってわかったことがとても印象的でした。「電気がついているか、消えているか」なん...
他の臓器と、脳。デジタル機器と脳。何が違って意識が生まれるのか。 仮説と検証、データ解析をしながらその謎に迫ります。 実験の一つに「電気はついているか、あるいは消えているか」を答えるものがあり、それによってわかったことがとても印象的でした。「電気がついているか、消えているか」なんて考えなくてもわかることだと思いきや、人はそれ以外の要素を排除していたことがわかったからです。 検証の結果は必ずしも期待した結果が得られるわけではありません。それでも、それではいけない、足りないということがわかるところは、神経科学に従事していないものにも通じることだと思いました。 この本は、前半は問い。後半はその答えとなっていて、構成が工夫されていたところも面白いかったです。
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意識とは何かを論理的に説明している。これは凄い。本の半分までは一気に読み進めることができる。難しい内容も含んでいるが、わかりやすく書かれている。具体的なエピソードが多く含まれイメージがしやすい。 意識の正体を統合情報理論で解き明かす。数値化による説明と検証実験により統合情報理論...
意識とは何かを論理的に説明している。これは凄い。本の半分までは一気に読み進めることができる。難しい内容も含んでいるが、わかりやすく書かれている。具体的なエピソードが多く含まれイメージがしやすい。 意識の正体を統合情報理論で解き明かす。数値化による説明と検証実験により統合情報理論が間違いだとの結論は導けない。 意識と知能は同じものなのか?AIに関する話も多くでてくるが意識と知能が同じものと明言はしていない。しかし、後半を読み進めていくと意識は知能だと明らかに解釈できる。そうであれば統合情報理論はシンギュラリティに対しある条件を示していると考えることができる。
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舟をこぎつつ、夢うつつのまさに意識と無意識が主導権争いをしているなかで読んでいたところ、104ページのこの1行から面白くなりました。 「意識がいまここ生まれるためには、外部世界との交渉を必要としない。意識は脳の産物である」 脳は究極のリア充というか、自分で世界をつくれちゃうんだか...
舟をこぎつつ、夢うつつのまさに意識と無意識が主導権争いをしているなかで読んでいたところ、104ページのこの1行から面白くなりました。 「意識がいまここ生まれるためには、外部世界との交渉を必要としない。意識は脳の産物である」 脳は究極のリア充というか、自分で世界をつくれちゃうんだから『マトリックス』である。
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[関連リンク] 科学の最重要未解決問題『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』 - HONZ: http://honz.jp/articles/-/41483
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「一なるもの」から意識が生まれるという考え方。この考え方であれば、コンピュータ上にも意識を作ることは可能。しかし、その意識は外界に対して反応するものなのでは、とか、自分のモチベーションというものは何に由来するのか、というところは見えてこない。 でも、専門家でなくても、こんな思考議...
「一なるもの」から意識が生まれるという考え方。この考え方であれば、コンピュータ上にも意識を作ることは可能。しかし、その意識は外界に対して反応するものなのでは、とか、自分のモチベーションというものは何に由来するのか、というところは見えてこない。 でも、専門家でなくても、こんな思考議論ができるほど、噛み砕いてわかりやすく書いてくれてる本は、ありがたい。なんにしても、興味深く、引き続きウォッチしていきたい領域。
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脳が意識をなぜ持つのかについて書かれた本。意識を持つのは視床下部-皮質系であり、シナプスの複雑な繋がりによる。統合情報理論というものに基づき、意識を検証、考察している。脳神経が多様な相互作用をもち、かつ統合され、統合された情報量が最大となるときに意識が出現するという。その情報量の...
脳が意識をなぜ持つのかについて書かれた本。意識を持つのは視床下部-皮質系であり、シナプスの複雑な繋がりによる。統合情報理論というものに基づき、意識を検証、考察している。脳神経が多様な相互作用をもち、かつ統合され、統合された情報量が最大となるときに意識が出現するという。その情報量の単位をφと定義している。つまり意識の発生は複雑ネットワークにより多様な情報が処理され、なおかつそれが全体に共有されている状況で発生すると考えられる。それはとても納得のいく考えだ。脳神経のネットワークはスケールフリーでスモールワールドとなっている。しかし、シナプスの電気信号の全体、そのもやもやしたものが、1つの意識として表出されるメカニズムにはまだまだ謎があり、興味が尽きない。
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