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の商品レビュー

4.1

163件のお客様レビュー

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2023/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

●あらすじ 台湾新幹線の着工から開業までの巨大プロジェクトに、商社員や整備士、湾生の老人など日台の人々一人一人を巡るドラマが絡んでいきます。政治では問題を抱えていても、日本と台湾の間にしっかりと育まれた個人の絆を、台湾の風土とともに色鮮やかに描き、大きな感動を呼ぶ、著者の渾身作です。 (文藝春秋BOOKSより) なんかすごく爽やかだった。 吉田修一ってもっとミスリードがあるというか、ひとつの物語を群像劇で拗れさせるのが上手い印象があったけど、これは拗れることもなく爽やかに進んでいきました。台湾の空気、オフィスの空気、人と人の間に漂う空気。そういう「空気」を書くのがすごく上手だなと思います。 安西とユキの関係性が良かったなぁ。あと主人公カップル(?)が最後まで恋愛に落ち着かなかったのもすごくほっとした。だよね。もう付き合うとか、そういうふうに簡単に出来る話じゃないよね。

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2023/07/05

台湾新幹線の開通を目指す奮闘物語と思いきや、それだけでなく友情話あり恋愛話ありと色々楽しめました。それでもやはり新幹線時速300kmを達成した場面は感動します。プロジェクトを成功させようと頑張る様子は程よい緊張感があり読んでいても心地良いです。新幹線開通を背景に、どんどん台湾の生...

台湾新幹線の開通を目指す奮闘物語と思いきや、それだけでなく友情話あり恋愛話ありと色々楽しめました。それでもやはり新幹線時速300kmを達成した場面は感動します。プロジェクトを成功させようと頑張る様子は程よい緊張感があり読んでいても心地良いです。新幹線開通を背景に、どんどん台湾の生活や習慣に馴染んでいく駐在員達、兵役後はバイトでのんびり過ごしていた台湾人青年が整備工場に就職して新幹線を支える立場になったりとそれぞれの成長していく様も楽しめました。 また、街並みや店内の雰囲気、市民の家の中の様子の描写が巧みで、光景が目に浮かびました。

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2023/06/03

NHKでドラマ化されたものを観たこともあり、原作である、こちらの本も読んでみました。 ストーリー全体としては若干強引さを感じたので「★★★☆☆」かも、と思ったのですが、部分部分での人間関係の描き方については、胸が熱くなったところが多かったこともあり、「★★★★☆」としました。 ...

NHKでドラマ化されたものを観たこともあり、原作である、こちらの本も読んでみました。 ストーリー全体としては若干強引さを感じたので「★★★☆☆」かも、と思ったのですが、部分部分での人間関係の描き方については、胸が熱くなったところが多かったこともあり、「★★★★☆」としました。 個人的には、「台湾新幹線を実現する上で、欧州連合と日本連合が折り合いをつけていく具体的な過程や技術的なところをもっと厚くしてほしい」と思いながら読んでいました。 が、おそらく、著者としては、ここ100年ぐらいの日本と台湾の関係を軸にした人間模様や台湾の人々や風景を描きたかったと思われるので、「この本のような内容にならざるを得ないよなぁ」とも思いながら読み進めました。 とりあえず、この本を読んで、台湾に少し興味が湧いたので、本を読むなどして、ちょっと勉強してみたいと思います。

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2023/05/26

読み進めていくにつれ台湾の情景がくっきり浮かんで見えて台湾の虜になりました♩ これまでの日本と台湾の関係とか、作者の台湾を大好きな気持ちとか、この本が台湾で話題を呼んだこととか、まるっとぜんぶが愛やねえ

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2023/04/29

新幹線の海外輸出というと、中国の高速鉄道のことが頭を占めていて、台湾高速鉄道のことはほとんど記憶にない。 改めて新幹線の海外輸出について知るいい機会になった。 ただ、登場人物の名前や台湾の地名に苦戦し、メモに取った地名や料理名を見返す度にストーリーが途切れ、内容に集中できなかった...

新幹線の海外輸出というと、中国の高速鉄道のことが頭を占めていて、台湾高速鉄道のことはほとんど記憶にない。 改めて新幹線の海外輸出について知るいい機会になった。 ただ、登場人物の名前や台湾の地名に苦戦し、メモに取った地名や料理名を見返す度にストーリーが途切れ、内容に集中できなかったのでいつかリトライしなきゃ・・・。

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2023/03/18

この作品を読んで、吉田修一さんの文章から、あたかも目の前で起こっていることがありありと浮かんでくる様な感じを受けました。台湾に行ってみたくなりました。

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2023/02/25

とにかく人豪と春香の2人の関係が堪らなく切なくて愛おしい。 たった半日だけだったから、ここまで2人の気持ちを熱くさせたのだろうし、たった半日だけだったから、あまりに長すぎた月日は、その関係を2度とは戻してくれなかった。ギュッと胸が痛くなるけど、少し心地よくて、僕はこの月末で良か...

とにかく人豪と春香の2人の関係が堪らなく切なくて愛おしい。 たった半日だけだったから、ここまで2人の気持ちを熱くさせたのだろうし、たった半日だけだったから、あまりに長すぎた月日は、その関係を2度とは戻してくれなかった。ギュッと胸が痛くなるけど、少し心地よくて、僕はこの月末で良かったと思います。 その他2人の主人公、威志と勝一郎も魅力的な存在。それにしても、吉田修一さんは複数主人公を上手く絡ませるなぁ

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2023/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

台湾新幹線を題材にしながら、それにかかわる人間の人間模様を描く 吉村昭みたいな新幹線事業を主題にしたような話とおもっていたのでちょっと肩透かしをうけた気になったが、多彩な登場人物によって台湾での生活や国民性が身近に感じられた イチャモンを亀毛というのにはちょっと笑った 長い物語だが、新幹線という縦軸があるおかげで、散漫になりがちな多様な人間模様がいい具合に繋がってすいすい読める。

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2023/01/29

文庫の表紙が素敵だったので 映像化もされていることだし(見れてないけど) 著書が吉田修一さんだし…と思って読んだ  最後になって物語の主だった人達が絶妙に交錯する感じがなかなかおもしろいなと感じた 人生って こういう風に最後には交錯する部分が大いにあるんじゃないかな?と期待! ...

文庫の表紙が素敵だったので 映像化もされていることだし(見れてないけど) 著書が吉田修一さんだし…と思って読んだ  最後になって物語の主だった人達が絶妙に交錯する感じがなかなかおもしろいなと感じた 人生って こういう風に最後には交錯する部分が大いにあるんじゃないかな?と期待!  物語は台湾に日本の技術を持って時速300キロの新幹線を台北から高雄(カオシュン)まで走らせるという大掛かりな計画を遂行するものだ 日本と台湾の背景がうまく表現されている その新幹線の計画に関連している人物のそれぞれの生き様や 恋の行方も読みどころとなっている 舞台設定は2000年〜2007年で 年ごとに章が分かれており 章の初めはそれぞれ台湾高速鉄道に関する新聞記事となっている 物語はフィクションだそうだが この記事は本物なのかな? そこは分からない…  台湾の場所や人名には ルビがふってあるけれど しばらくすると『えーっと、なんて読むんだったっけ?』とページを戻る 時間がゆっくり過ぎていくような読書だった  『東京でも台北でも嫌なものを見ようとすれば、どこにでもある。ただ美しいものを意識的に求めれば、それだってどこにでもあるわけで、せっかく開いた目で見るのであれば、美しいものの方がいいと春香は思う。』 (本文より) 上記は私がこの物語の主題ではないかと思った部分だ 台湾は他の国に支配された歴史を持つが 日本の植民地であった時代もある 春香のような心を持って目を開けば 世界はもう少し平和になるのではないか もっとみじかなところで考えると 自分の生き方はもっとたおやかになれるのではないか…と考えた 春香にこう言わしめた吉田修一さんはすごい! 『気持ちなどというものは、自分がどうしようかと決めて動くものではないのだが、それでも自分が何か方向性を決めてやらないと、自分の気持ちが「どう動いていいのか分からない」と途方に暮れるのだ。』 (本文より) これも名文! まったくそうだ その通りだよ!と思う 日々がこの連続! まず これって悲しむところか 前向きに捉えるところか 塞ぎ込んじゃうところか 笑って済ますところか… 方向性を決めてやらないと 泣くに泣けず 笑うに笑えず モヤモヤして苦しむ期間がある もう どうにでもなれ!っていうのも 結局は悩みに悩んだ結果 潔く受け止めてあとは自然に任せようという方向性を決めた後の話だ  モヤモヤして悩むっていうのは「方向性を決めてやる」時間なんだよきっと ほんとなら 1年後に台湾に行きたいと思ってた ◯◯歳になったら 台湾旅行しようと友達と話して 夢みてた けど…コロナが発祥したあたりから 雲行きがあやしくなり コロナが収束でなく共存となる方向の現在も のびのび安心して台湾に行ける気持ちにはなれない  だからこの本でいっぱい 台湾を感じたよ 美味しい屋台の料理を味わったよ 昔懐かしいような風景をスクーターで走ったよ お弁当を買って 台湾新幹線に乗って穏やかな時間を過ごしているよ もしかしたらこの新幹線の中で目的地に着くまでに 私も同郷の誰かに偶然出会って著者が記した『説明しがたい安心感』を得ることになるのかもしれないな 物語の中の私

Posted byブクログ

2023/01/22

吉田修一っぽくはない。でもとても良い。 台湾に日本の新幹線が走る。その巨大プロジェクトに、それぞれの国の人々の個々に抱いてきた想いが繋がっていく群像劇。

Posted byブクログ