目の見えない人は世界をどう見ているのか の商品レビュー
盲目の人と接することがあり、何か得られないかなと読んでみたが、易し過ぎて特に新しい発見はなかったかな。これが初見ならばいい入門書なるのかもしれない。 読むのならば、目の見えない白鳥さんと~でいいと思う。追加でコテンラジオの障害の歴史やヘラルボニーの活動を知ると、より理解が深まると...
盲目の人と接することがあり、何か得られないかなと読んでみたが、易し過ぎて特に新しい発見はなかったかな。これが初見ならばいい入門書なるのかもしれない。 読むのならば、目の見えない白鳥さんと~でいいと思う。追加でコテンラジオの障害の歴史やヘラルボニーの活動を知ると、より理解が深まると思う。
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間違いなく良書。視覚に障がいのある方のイメージがひっくり返ると思いますし、いかに薄っぺらいイメージで理解した気になっていたかと、読了後猛省しました。
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社会モデル(「障害が問題なのではなく、障害があることで抱える不自由を解決できない社会が問題なのだ」という考え方)がとてもよく理解できる名著だった 僕たちの社会は多様性とか言いながら、マジョリティの視点を捨て切れていないんだ
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本川達雄「ゾウの時間ネズミの時間」 時間感覚は生き物ののサイズによって違う。ゾウにとっての一秒はあ、にも満たないかもしれないが、アリにとっての一秒はあーっというふうに長い。時計のような絶対的な時間は本当はないものであって、個々の生きもののサイズに対応した主観的な時間があるのみであ...
本川達雄「ゾウの時間ネズミの時間」 時間感覚は生き物ののサイズによって違う。ゾウにとっての一秒はあ、にも満たないかもしれないが、アリにとっての一秒はあーっというふうに長い。時計のような絶対的な時間は本当はないものであって、個々の生きもののサイズに対応した主観的な時間があるのみである。 足りない部分を想像力で補って、さまざまな生き物の時間軸を頭に描きながら、他の生き物と付き合っていくのが、地球を支配し始めたヒトの責任ではないか。この想像力を啓発するのが動物学者の大切な仕事だろうと私は思っている。(138項) フランス語ジュヌセクワ(je ne sais quoi)いわく言い難いもの。例えばモテる人の魅力のように、感じ取る事はできるけど、言葉にしにくいもの。分からなぃのではなく、分かってはいるんだけど、言葉にできないもの。 美学は、要はこのジュヌセクワに言葉でもって立ち向かっていく学問。痒いところに手を届かせようとする学問。 同じ空間でも視点によって見え方が全く異なります。同じ部屋でも上座からと下座から。ノミの視点で床から見たり、ハエの視点で天井から見下ろしたら、全く違う視点が広がっているはず。私たちが体を持っている限り、一度に複数の視点を持つことはできません。 耳で見て目で生生端で物空手口で書かねば上をわからず。出口鬼三郎 ダイアログインザダーク 自立とは依存先を増やすことである。自立と言うと、依存を少なくしていき0にすることだと思いがちです。しかし、周りの人から切り離されることではなく、様々な依存可能性をうまく使いこなすことこそが障害者の自立であると。健常者=自立している人と思いがちですが、その実態は自立しているふりをしているだけなのです。そう考えると、周囲のスポーツサポートをうまく生かしながら生きている障害者とは、むしろ依存のスペシャリストであると言えます。 ソーシャル・ビュー 作品を見て、新しい発見があったりだとか、気づきがあったりだとか、感動した時が行って良かったと思う時だ。美術館に行って良いと思う時。 鑑賞するとは、自分で作品を作りなおすことなのです。見えない人がナビゲーターと呼ばれます。見える人から言葉を引き出し、その場を作り出しているのは見えない人の存在です。
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「障害を面白がる」という様々に誤解を生みそうなスタンスの重要性を、具体的な事例を多数挙げつつ説いている。「見る」という認識作用は、必ずしも「眼」という器官で「見る」ことに限られない、ということを実例をもって示していて、目から鱗である。
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目の見えない人に、何を聞いてみたいだろうか。 そこは暗闇の世界なのか。 聾唖の人をどのように区別し、愛するのか。 寡黙な優しさを感じられるのか。 盲目の世界において、美しさとは。 価値観はどのように変わるのか。 残念ながら、本著はそういう観点では、インタビューをしない。また、登...
目の見えない人に、何を聞いてみたいだろうか。 そこは暗闇の世界なのか。 聾唖の人をどのように区別し、愛するのか。 寡黙な優しさを感じられるのか。 盲目の世界において、美しさとは。 価値観はどのように変わるのか。 残念ながら、本著はそういう観点では、インタビューをしない。また、登場する「目の見えない人たち」は、生まれつきではないから、イメージの記憶を持つ。映像記憶の無い人に関心があったので、先の質問リストも合わせて、少し残念だった。 ジュヌセクワ。 フランス語で「いわく言いがたいもの」、言語化の対義語。暗黙知みたいな事だが、それだと、視覚障害者には伝わらない。視界から消える事で不自由に感じるもの(大多数)、逆に消える事で却って集中力を増す、または、囚われなくなるもの。 脳内で映像化し、その映像化のために言語があるとしたら、映像を持たぬ視覚障害者にとって言語とはどのような役割なのだろう。色々、消化不良な感じが拭えない。
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図書館で借りた。 タイトル通り、目の見えない人はどのように世界を見ているのか、世界を感じているのかを記された本。著者は現代アートの専門家で、目の見えない人が4人ほど本の中で登場し、インタビューなどを交えつつ、どのような見え方をするのか、またどんな意識をしているのか、はたまた無意識...
図書館で借りた。 タイトル通り、目の見えない人はどのように世界を見ているのか、世界を感じているのかを記された本。著者は現代アートの専門家で、目の見えない人が4人ほど本の中で登場し、インタビューなどを交えつつ、どのような見え方をするのか、またどんな意識をしているのか、はたまた無意識のうちにどんな考え方やどんな捉え方をするようになるのかを知ることができる本だ。 死角がない、また違った視野が広がる、体の動かし方が変わる…といった話はこの本を読むことで知れる感覚だ。面白い。 こういうのは知る・理解するという一歩が大事かなと思った。
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視覚障害者との関わりへのきっかけを生物学的な興味とし、中学のときに読んでいた本川達雄先生の「ゾウの時間ネズミの時間」を紹介している。自分もこの本を手に取ったきっかけが最近読んだ「動物たちのナビゲーションの謎を解く」の中で視覚障害者が杖を叩いて反響音で周りに何があるのか把握するとい...
視覚障害者との関わりへのきっかけを生物学的な興味とし、中学のときに読んでいた本川達雄先生の「ゾウの時間ネズミの時間」を紹介している。自分もこの本を手に取ったきっかけが最近読んだ「動物たちのナビゲーションの謎を解く」の中で視覚障害者が杖を叩いて反響音で周りに何があるのか把握するというエピソードに興味を持った同じく生物学的興味からだった。 視覚障害者が世界をどう見ているかが書かれており、美術品の鑑賞をプロセスで楽しむなど目新しい内容もあり面白い。
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目が見えない人の世界の見方を知ることで、自分の世界の見方に気づける本だ。著者の伊藤亜紗氏は大学3年のときに専攻を生物学から美学に変更、いわゆる文転した異色の経歴の持ち主。その異色さがもたらす視点であるのか、本書を読んでいると、自分が当然だと思っていた世界がまったく当然ではなかった...
目が見えない人の世界の見方を知ることで、自分の世界の見方に気づける本だ。著者の伊藤亜紗氏は大学3年のときに専攻を生物学から美学に変更、いわゆる文転した異色の経歴の持ち主。その異色さがもたらす視点であるのか、本書を読んでいると、自分が当然だと思っていた世界がまったく当然ではなかったと思わされる経験をたくさんすることができる。見田宗介氏の『時間の比較社会学』で、古代、中世の日本、ヘレニズム、ヘブライズム、近代社会の時間の観念を理解することで、初めて近代以降の時間の観念を正確に、今までとは違った形で捉えられるようになったように、本書でも五体満足ではない人の視点から自分たちの視点が相対化、明確化される。私がとても好きなジャンルの本だ。
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目の見えない人の世界が少しだけ想像できた本。 何か足りないことに嘆くのではなく、今の状況を受け入れて前へ進むことの大切さを改めて感じた。目が見えない状況でのスポーツに関して興味がもてた。
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