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目の見えない人は世界をどう見ているのか の商品レビュー

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286件のお客様レビュー

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    72

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  3. 3つ

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2015/09/22

視覚障害者が世界をどのように捉えているかを身体論などをベースに説明してくれている。 健常者からの視点で考えるのではなく、視覚障害者の視点を基本として考えることによって世界に新たな意味や視点を作ることができるのが興味深い。 「障害」とは個人に属するものではなく、その性質を持つことに...

視覚障害者が世界をどのように捉えているかを身体論などをベースに説明してくれている。 健常者からの視点で考えるのではなく、視覚障害者の視点を基本として考えることによって世界に新たな意味や視点を作ることができるのが興味深い。 「障害」とは個人に属するものではなく、その性質を持つことによって「社会で生活しにくくなること」が「真の障害」なのである。

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2015/09/06

目から鱗の読書体験ができました。「見えない人の美術鑑賞」は、絵を描く方も、観るのが好きな方も、必読の内容。と、思ったので、絵を描く友人に贈りました。多くのイラストも理解を深める(イメージを把握する)助けになってくれます。「手やお尻も、目と同じ働きを持つ」「ブラインドサーフィン──...

目から鱗の読書体験ができました。「見えない人の美術鑑賞」は、絵を描く方も、観るのが好きな方も、必読の内容。と、思ったので、絵を描く友人に贈りました。多くのイラストも理解を深める(イメージを把握する)助けになってくれます。「手やお尻も、目と同じ働きを持つ」「ブラインドサーフィン──視覚を使わずにどうやって波に乗るか」「陶器だと言われた瞬間に陶器になる」…… どうでしょう。小見出しを見ただけでも、惹かれませんか?

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2015/08/28

視覚情報を利用しない人がどのように世界を把握するか,また,そういう人とのコミュニケーションについて書かれている.当たり前のように使っている視覚情報がない場合,人はどのように状況をとらえるか.実際に想像しながら読むと面白い.

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2015/08/20

見える人と見えない人の「差異」を「面白がる」ことをきっかけとする、コミュニケーションの橋を作る本。 空間。感覚。運動。言葉。そして、ユーモア。 このユーモアという視点が大事で、本書を「読んでよかった」を思わせるのはここだ。 世界という情報があるだけではない。 情報を受け容れて解釈...

見える人と見えない人の「差異」を「面白がる」ことをきっかけとする、コミュニケーションの橋を作る本。 空間。感覚。運動。言葉。そして、ユーモア。 このユーモアという視点が大事で、本書を「読んでよかった」を思わせるのはここだ。 世界という情報があるだけではない。 情報を受け容れて解釈することで意味が発生する。 その意味は個別のもので、見えない人の生活は本人にとってはごく当たり前のもの。 できないことを自虐することで「痛」「快」なユーモアが生まれる。 また個別の生活感覚に寄り添うことで、具体的なエピソードが豊富なのも理解の助けになった。 ちょっとだけ「変身」させてもらいました。

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2015/07/20

目の見えない人、つまり視覚に頼らない生活を送っている方々の生活実態を通して、いかに人間があるひとつの見方に縛られているかを示した一冊。 議論の射程は幅広く、身体論を深めようとヴィトゲンシュタインまで絡めた論説が続くと思いきや、フロイトのユーモア論を持ち出して、 現代社会の障害者の...

目の見えない人、つまり視覚に頼らない生活を送っている方々の生活実態を通して、いかに人間があるひとつの見方に縛られているかを示した一冊。 議論の射程は幅広く、身体論を深めようとヴィトゲンシュタインまで絡めた論説が続くと思いきや、フロイトのユーモア論を持ち出して、 現代社会の障害者の方々への見方に対する問題提起が始まる。 今までにない視点をたくさんもらって学びになったという感想に加え、伊藤さんのいろんな立場の方々への強い愛を感じた、読んでて気持ちよい本。

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2015/07/15

障害者に対して上から目線で助けてあげようではなく、できない部分をどうやってカバーし、どう物事を捉えているのか、その違いを面白がって興味をもつというアプローチが提案されていて個人的には斬新だった。目が見える人には見えない景色があるのだろうか。

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2015/07/13

昔から目がとても悪く、高校のときには網膜が弱くなっていると言われてレーザーを当て、最近では人よりもかなり早く白内障になって手術をすることになったので、視覚についてはちょっと人よりも気になる。 目の見える人は世界を二次元で捉え、目の見えない人は世界を三次元で捉える、というのはなる...

昔から目がとても悪く、高校のときには網膜が弱くなっていると言われてレーザーを当て、最近では人よりもかなり早く白内障になって手術をすることになったので、視覚についてはちょっと人よりも気になる。 目の見える人は世界を二次元で捉え、目の見えない人は世界を三次元で捉える、というのはなるほどと思わされた。大岡山や富士山の話を聞いて納得。 もう少し深堀りもできたテーマかも。たとえば、生まれたときから全盲の人と、途中で失明した人とでは視覚や、世界の構成についてもずいぶんと違うはずだが、その違いについてはあまり深く触れられていなかったように思う。

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2015/07/11

本書では、「見えない」特殊な体からの「身体論」を、「美学」(芸術や感性的な認識について哲学的に探求する学問。言葉にしにくいものを言葉で解明していこうとする)を専門にされている研究者が論じています。 自分にとっての「当たり前」から離れてみること。 目をつぶり視覚情報を遮断し、視...

本書では、「見えない」特殊な体からの「身体論」を、「美学」(芸術や感性的な認識について哲学的に探求する学問。言葉にしにくいものを言葉で解明していこうとする)を専門にされている研究者が論じています。 自分にとっての「当たり前」から離れてみること。 目をつぶり視覚情報を遮断し、視覚の欠如を感じるのではなく、視覚抜きで構成されている世界を感じてみること。 その世界を想像してみること。 視覚がないから、死角がないこと。 「表」も「裏」もないということ。 「内」と「外」が等価であること。 自分がいかに2つの「目」に縛られてきたか、視点に縛られてきたかに気付かされました。 そこから自由になったとき、何が見えるのだろう。何を感じるのだろう。 不思議な気持ちになりました。 器官と能力を結びつける発想を手放してみること。 それは例えば、目で聴くこと。耳で見ること。 触覚で見ること。 そして、拡張する体。 触覚面を通して、相手の体、あるいは物とひとつになる感覚。 自分以外の人や物と同調して、一緒に仕事を成し遂げること。 身体の本質として、シンクロする力があるということ。 福祉のものの見方から離れて、目の見えない世界を想像してみること。 自分がいかに思い込みの中で生きてきたかを知らされました。 世の中にはまだ、私の知らないものの見方、考え方があるんだろうな、と思いました。

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2015/06/26

人間の可能性の拡張のヒントになり得る認知についての考えを改めさせてくれる良書である。 ダイアローグ・イン・ザ・ダークという体験プログラムがある。これは真っ暗闇に放り込まれて様々な体験をするものである。ある縁で体験したのだが、その時のことを鮮明に思い出せた。 このプログラムのガイド...

人間の可能性の拡張のヒントになり得る認知についての考えを改めさせてくれる良書である。 ダイアローグ・イン・ザ・ダークという体験プログラムがある。これは真っ暗闇に放り込まれて様々な体験をするものである。ある縁で体験したのだが、その時のことを鮮明に思い出せた。 このプログラムのガイド役の人は全盲でなのだが、真っ暗になって右往左往する我々6人を前後左右、距離を含めて正確に把握するなどそのスキルに驚いた。 視覚に頼りすぎていることを思い知らされ、聴覚、触覚、皮膚に感じる風や温度、嗅覚などでこんなにも豊かに世界を捉えることが出来るということを改めて知ることが出来た。 この本がスッキリと納得出来るのは、正にその時の感覚を見事に目の不自由な人達からのヒアリングで再現していることが理由なのだろう。 イヤホン、ヘッドホンで音楽を聴くのが趣味な私は、そういう意味では現実逃避、バーチャル旅行をしているようなものなのだろう。音質が良い機器は、より世界を正確に描写できる。改めてオーディオとは面白い趣味なのだと思った。

Posted byブクログ

2015/06/19

なんだかもやっとした感覚を言葉で的確に表現することを研究する美学の専門家の著者。 見えないひとの見えないものを説明する表現力が確かな感じ。でも決して変わった言葉を使うわけでもなく、馴染みのある表現ばかりで読みやすい。 視覚障害を持つ人たちの障害ではなく、見える人たちとの違いを、...

なんだかもやっとした感覚を言葉で的確に表現することを研究する美学の専門家の著者。 見えないひとの見えないものを説明する表現力が確かな感じ。でも決して変わった言葉を使うわけでもなく、馴染みのある表現ばかりで読みやすい。 視覚障害を持つ人たちの障害ではなく、見える人たちとの違いを、体の使い方、言葉の使い方、感じ方、ユーモアなどの切り口で比較。 なんとなくタブーに感じがちな、なかなか聞けないけど気になることを説明してくれています。 障害とは見えないことではなく、見えないことによって出来ないことがあること。 社会の在り方や人々の考え方によって、障害と言うものはなくなるかもしれない…?

Posted byブクログ