革命前夜 の商品レビュー
大藪春彦賞 星3.5 私が好きなジャンルである旧共産圏もの。他の方のレビューを見て(特に文庫版のもの)、期待値が高すぎたせいか、それほど感銘を受けなかった。私の読解力不足か、音楽に対する知識不足なのか。 しかし、この本によって、旧東西ドイツに対する興味が刺激されたことは確か。次は...
大藪春彦賞 星3.5 私が好きなジャンルである旧共産圏もの。他の方のレビューを見て(特に文庫版のもの)、期待値が高すぎたせいか、それほど感銘を受けなかった。私の読解力不足か、音楽に対する知識不足なのか。 しかし、この本によって、旧東西ドイツに対する興味が刺激されたことは確か。次は普通の市民の生活を描いたものを読んでみたい。ドイツ統一時にもよく聞いた話だが、誰が密告者かわからないという恐怖は感じられた。
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ドイツ史にもクラシックにも疎いので、分からないことばかりでのめり込めなかった。読むのにすごく時間がかかった。 1989年。日本では昭和が終わり、ドイツでは東西の冷戦が終わった。 遡って1945年はドイツも日本も第二次世界大戦で降伏した年。同時期に時代の変わり目を迎えた両国の不思議...
ドイツ史にもクラシックにも疎いので、分からないことばかりでのめり込めなかった。読むのにすごく時間がかかった。 1989年。日本では昭和が終わり、ドイツでは東西の冷戦が終わった。 遡って1945年はドイツも日本も第二次世界大戦で降伏した年。同時期に時代の変わり目を迎えた両国の不思議な偶然を感じる。 クラシック音楽の世界観の描写はとても難しかったが、実際のバッハの曲が紹介されるのでYouTubeで流しながら読むと、「あ!確かに~。湖畔に佇む美しい女性が見えるー」と理解した気になれて分かりやすかった笑 革命直前の暗い雰囲気が全ての描写を白黒で見せてる感じで気分が沈みっぱなしになってしまった。 体調なのかタイミングなのか、うまくこの本のリズムに乗り切れずもったいなかった。後日読み直そうと思う。
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東ドイツは、ひどい国、まるで今のロシアか中国かと想像して読みました。 ただ、あたまの中に流れるバッハの平均律クラヴィーア曲集をYouTubeで聴きながら読んだり、幸せな気分になったりしました。 クリスタは、綺麗だろなー、この本を映画にする人はいないかなーと思いました。
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読み応えあった〜 ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ、若き音楽家たちが時代に翻弄されながら革命の渦に飲み込まれてゆく悲しい青春の物語…もとい歴史エンタメ。 序盤はバッハを始めクラッシックネタが多くてなかなか入り込めなかったが、中盤から面白くなります急に。共産主義国で抑圧されてきた民衆の...
読み応えあった〜 ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ、若き音楽家たちが時代に翻弄されながら革命の渦に飲み込まれてゆく悲しい青春の物語…もとい歴史エンタメ。 序盤はバッハを始めクラッシックネタが多くてなかなか入り込めなかったが、中盤から面白くなります急に。共産主義国で抑圧されてきた民衆の不満が、極々小さなものが徐々に大きくなり終盤で音楽を通じて大きく弾けていく様子にゾクゾクした。フィクションだけど東西ドイツの歴史を知るという意味でも面白いし、ちょっとクラッシック聴いてみようかな?という気になった。 北朝鮮留学生の李のセリフが的を得ていて考えさせられる。
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おーー!最後は鳥肌!! ベルリンの壁崩壊前の東ドイツを舞台に、ピアノを学ぶ留学生、眞山柊史。後半まで白黒で色味のない情景だったが、最後には音楽と歴史が交差し、はっきりと色のついた物語になった。 「自由は代償を要求する。罪には罰が必ず下る。」 平和な世界って、幸せな生活ってなんな...
おーー!最後は鳥肌!! ベルリンの壁崩壊前の東ドイツを舞台に、ピアノを学ぶ留学生、眞山柊史。後半まで白黒で色味のない情景だったが、最後には音楽と歴史が交差し、はっきりと色のついた物語になった。 「自由は代償を要求する。罪には罰が必ず下る。」 平和な世界って、幸せな生活ってなんなんだろう。 ヴェンツェルやシュトライヒって、舌噛みそうな名前だけど、その後が気になるーーー。
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いやあもう読み終わった瞬間目を閉じました もう自分でも分かってきました 自分がそうするときってもう★5じゃ足りないってときなんですよね そして最初に出てきた感情はやはり「オリゴ糖」でしたいや間違い「ありがとう」でした(今くだらないダジャレ一番いらない) もちろんこの素晴らしい作...
いやあもう読み終わった瞬間目を閉じました もう自分でも分かってきました 自分がそうするときってもう★5じゃ足りないってときなんですよね そして最初に出てきた感情はやはり「オリゴ糖」でしたいや間違い「ありがとう」でした(今くだらないダジャレ一番いらない) もちろんこの素晴らしい作品を生み出してくれた須賀しのぶさんに深い感謝ですが、同時にこの物語に出会わせてくれたゆきさんのブックリスト(さっき慌ててフォローさせて頂いた)とひまわりめろん「次の本」選考委員会副委員長のヒボさん(勝手に任命もちろん無許可)に感謝です ゆきさんのブックリストを見てちょっと興味をもって飛んでいった先で副委員長(無許可)の感想を読んで読もうって決めたんですよね ブクログでこういうルート辿ること本当に多いです ありがたいな〜 ちなみにこの選考委員会の自分の立場は上級特別顧問となっており、もちろん委員長や他の委員、部門長などもいらっしゃいます 今後も勝手に名前を出すかもしれませんがどうか広いお心でひとつ笑って許してくださいね ちなみにヒボさんのレビューは文庫本のほうです さてやっと本編です 詳しい内容はヒボさんのレビューを見てください(物を投げないで) 自分が思ったのは頭の中にバッハの曲を響かせることが出来る人がこの物語を読んだらどんな世界が広がるんだろう?ということでした 無限の広がりをみせ何倍も光り輝くのか あるいは陳腐でくだらないものに成り果てるのか もちろんそれも人それぞれなのかもしれませんが少なくとも自分には分かりません 分かりませんかなんかいろいろ想像するとそれだけでちょっとワクワクするのです 答えを突き詰めようとバッハを聞いたりしません 分からないからワクワクするってことだってありますよね この物語の結末のように だって二人の、二人と仲間たちの未来を想像するのってワクワクしますよね 素晴らしい結末でした 「良く出来た物語は最後に必ず最初に戻る」とはかの有名なひまわりめろんさんの名言ですが本当にそうでした 須賀しのぶさんの文章の感じも好きだったのでもっといっぱい須賀しのぶさん読むぞ!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本の元号が昭和から平成に変わるころの、混沌とした東西ドイツを舞台に繰り広げられる、人生を賭けた青春劇。 周りに翻弄されるだけだった主人公が、1人のオルガニストとの出会いをきっかけに自分の意思を持ち、異国の地で自分にできること、やるべきことを模索して行きます。 登場人物が魅力的なのと、グレースケールで色彩をイメージさせる文章表現がお見事でした。 歴史的背景、主人公の成長、音楽、恋愛…それぞれの要素、配分が自分好みでした。 なんか癖のある登場人物たちですが、読み終わってみると、誰に対しても共感している不思議。 東西を分けていた壁が崩れるラストは鳥肌ものでした。 ヴェンツェルが憎いことをするから。またね(笑)
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イメージとしては、灰色や黒色の世界に 音楽という色が散りばめられている感じだったよ。 東ドイツ、西ドイツなどの関係性が分かっていない、 アホちんな私だったけど、それでも、 その当時の人々の息づかいが感じられるような 作品だったよー!! 終盤になるに連れて、話が気になり過ぎた!!...
イメージとしては、灰色や黒色の世界に 音楽という色が散りばめられている感じだったよ。 東ドイツ、西ドイツなどの関係性が分かっていない、 アホちんな私だったけど、それでも、 その当時の人々の息づかいが感じられるような 作品だったよー!! 終盤になるに連れて、話が気になり過ぎた!! ページが止まらんー笑 日本からピアノの留学生シュウが、DDRで生活をする。 自分の音とは何か見つけるために、もがき、もがき、 もがきまくる話。 ピアノとオルガンの曲を聞いてみたいと思ったよー。
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曲名でイメージがわかないので世界観がつかめませんでした 名前も聞き慣れない名前で男女の区別もつかずこんがらがって読みにくかったです
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良かったです。この本。 日本が昭和から平成に変わった日、主人公 真山柊史は、留学先の東ドイツドレスデンに到着します。ピアニストを目指していて、周囲から「何もわざわざ東側の国に行かなくてもいいではないか」とどれだけ言われても、意思を通して東ドイツに来たのです。西ドイツではカラヤ...
良かったです。この本。 日本が昭和から平成に変わった日、主人公 真山柊史は、留学先の東ドイツドレスデンに到着します。ピアニストを目指していて、周囲から「何もわざわざ東側の国に行かなくてもいいではないか」とどれだけ言われても、意思を通して東ドイツに来たのです。西ドイツではカラヤン率いるベルリン・フィルが有名でしたが、商業主義に走っている西側より、バッハからの伝統を重んじ、純粋な音楽を大切にしている東側に来たいと切に願ったからです。 柊史の目に移った東ドイツの街は予想を上回るものでした。灰色の街。瓦礫。臭気。粗悪な商品。商品の不足。食物の質の悪さ。第二次世界大戦のダメージから西ドイツや日本は瞬く間に立ち直ったのに、東ドイツはまだ復旧が進んでいないのでした。 しかし、隣に住む女性は言いました。「この灰色の街から音楽だけはいち早く蘇った国だということを覚えていなさい。この国には至る所に音が溢れています。」と。 留学したドレスデンの音大で、柊史はハンガリー出身の天才ヴァイオリニストや北朝鮮出身のピアニストやベトナム出身のピアニストや地元のヴァイオリニストの学生と友達になります。また、学生ではありませんが、クリスタという天才オルガニストとも知り合い、心惹かれます。 柊史はスランプに陥ります。仲間たちの素晴らし過ぎる音に圧倒されたことも事実です。それだけではありません。父親同士が親しかったため、親しくしていたダイメル氏が妻を西への亡命容疑で告発し、そのせいでダイメル一家はバラバラになり、柊史自身もシュタージ(監視者)から常に目をつけられるようになってしまうという事件がありました。オルガニストのクリスタも西への移住申請を出したために常にシュタージに追われているということを知りました。 その頃、東ドイツでは中国の天安門事件などを受けて、市民運動がさかんになり、あることをきっかけにハンガリーを通じて、西への亡命が出来るようになり、どんどん西へ出て行く若者が増えました。しかし、以前から市民運動をしていた人々は国を捨てて西へ行くのではなく、自分の国を良くしていこうと主張します。 東ドイツ全体が大混乱の中、柊史の周りではクリスタが西への亡命に成功したが、その後撃たれたり、ハンガリーのヴァイオリニストが何者かに襲われ、ヴァイオリニストの道が絶たれたり、親友だと思っていた者がシュタージの手先だとわかったりとショッキングなことが起こります。 だけど、シュタージも市民活動家も自ら望んでそうなったのでらなく、そうせざるを得ない理由があったのです。あるコンサートが両方の派閥関係なく、国民の心を一つにするという、感動的な出来事もありました。 そんな大混乱の中、柊史の友人たちは、音楽を諦めたり、傷を抱えたまま必ず音楽で大物になると決心したり、それぞれの道に別れました。柊自身もピアノに向き合い直そうと決心し、歩き始めた時、ベルリンの壁が…。 偶然にも日本が昭和から平成に変わった年、ベルリンの壁崩壊、天安門事件など世界の流れを変える大事件が次々起こりました。私より少し年上の主人公は、純粋な音を求めて東ドイツに留学したはずが、あのベルリンの壁の中で壮絶な体験をしたのですね。もし、実在していたとしたら、その時の体験を肥やしにして、今は大音楽家になっているかもしれません。 クラシック音楽は古い音楽を守っていくものですが、同時に今を生きる人の息が吹き込まれることによってその時にしかない演奏が出来ていくものだと思いました。
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