革命前夜 の商品レビュー

4.2

64件のお客様レビュー

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2018/02/17

お気に入りの服を着て満足かもしれないが、外から見ればひどく滑稽に映ったりする。壁の内側で人々は監視者の目から逃れ、教会を避難所とし、息をつく場所を探し求める。そして全てを救い、壁をこじ開ける音楽。面白かった!久しぶり「グッバイ、レーニン!」を観たくなった。

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2018/01/25

東西時代のドイツを舞台にした青春群像劇。 しかし、そこに共産主義の相互監視関係が暗い影を落とす。 音楽が救いになるとても素晴らしい小説だった。

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2018/01/10

東西に分断されていた時代の東ドイツに、ピアノ留学をした男子学生が主人公。共産主義国での特殊な暮らしをとおして、音楽的にも人間的にも成長していく。 『また、桜の国で』に次いで手に取った本作も、少し前の欧州を舞台に重みのあるテーマを扱った一冊だった。 例えばオリンピックで東ドイツの...

東西に分断されていた時代の東ドイツに、ピアノ留学をした男子学生が主人公。共産主義国での特殊な暮らしをとおして、音楽的にも人間的にも成長していく。 『また、桜の国で』に次いで手に取った本作も、少し前の欧州を舞台に重みのあるテーマを扱った一冊だった。 例えばオリンピックで東ドイツの選手は強いなどという具合に、東西ドイツの事情には曖昧な記憶しかなく、テレビでは見ていたものの国を分断するベルリンの壁についての知識もいい加減だったことに気づいた。 留学先に東ドイツを選んだ理由は弱いが、その国の当事者ではなく無知な日本人を主人公にしたことで、共産圏の様子を内外から客観視できたのが効を奏している。 12月の忙しさを口実に、本は読んでもレビューは後回し。結局年が明けてから、遡って何冊分もまとめて書く始末。いい作品ほど記憶の鮮明なうちに書かないとね…。

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2018/01/05

まだベルリンの壁が存在し、ドイツが二つに分かれていた時代。ピアノに打ち込むために東ドイツに留学した大学生の主人公は、学内の天才的なピアニストたちなど個性的な学生と出会い、反発は共鳴を覚えながら日々を送る。一方で偶然出会った天才的な演奏をするオルガニストも忘れられずにいたが、意外な...

まだベルリンの壁が存在し、ドイツが二つに分かれていた時代。ピアノに打ち込むために東ドイツに留学した大学生の主人公は、学内の天才的なピアニストたちなど個性的な学生と出会い、反発は共鳴を覚えながら日々を送る。一方で偶然出会った天才的な演奏をするオルガニストも忘れられずにいたが、意外な接点から運命が回りだしていく…。 音楽だけに打ち込める環境であったら、たとえば現代出会ったら、彼らはどんなちがう道を歩んだだろうか、などと詮無いことを考えてしまうほど、生きた時代が違うことでこうも道は危うく悲哀を持たせるのか、と思ってしまう。ただただ音楽に邁進できて、お互いの腕の切磋琢磨に日々を没頭できさえすれば、…などと。 若者だろうと子供だろうと、どんな立場であっても政治的な圧力、なにものかの流れにはのせられてしまう、のらなければいけない、そういう時代は確かにあったし、たぶん現代でもそこかしこにあるのだろう。そのやるせなさと、音楽への純粋な気持ちの美しさが相まって、複雑な感傷が後に残った作品でした。

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2017/12/19

ちょっと期待が大きすぎたかな? 途中、うーん?って思うところもあり……でも終わり方が上手で読後感はよかった。

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2017/12/05

池井戸潤氏が最近面白かった本として挙げていた。気になり読んだが、自分にはあまりに高尚なお話で玄人向きだったのかと思う。ストーリーがあまり入ってこない。音楽家の成長とベルリンの壁崩壊に直面した東ドイツのお話を交えての展開。はっきり言って楽しくなかった。

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2017/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1980年代のドレスデン。DDRに音を探しに留学してきた音大生。皆がDDRから出て行くこの時期に居合わせた巡り合わせ、が面白い設定。 ハンガリー、ベトナム、北朝鮮から留学生が背負うものの重さは想像できるが、平和日本に生まれた我々は、そのことをそれ程までに責められるべきなのか? 様々な立場や能力や希望を持った人々が入り乱れる中、何気に冷静なのは、母の亡命を父が密告、それでもDDRに残る決断をした、ライプツィヒ在住のニナ・ダイメル、14歳だ…おっと、厨二かw

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2017/01/27

☆4つか5つかものすごく迷って、限りなく5に近い4かな。 須賀さんの中では一番。 断然面白い。 教科書的すぎず、メロドラマ過ぎず、音楽と恋愛と政治と人間関係とがちょうどいい。 この本に出てくる曲が全部わかればもっともっと面白いのだろうな・・・。

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2017/01/23

抑制された美、というべきか…。正直これだけの材料が揃うと、もっと直情的な内容になりそうな気がするが、冷静に読了。(つまらないわけではない) ラカトシュとイェンツという二人の魅力的な天才ヴァイオリニストに対して、もっと書いて欲しかったのだが、説明すべき背景が多すぎて(若干お腹一杯)...

抑制された美、というべきか…。正直これだけの材料が揃うと、もっと直情的な内容になりそうな気がするが、冷静に読了。(つまらないわけではない) ラカトシュとイェンツという二人の魅力的な天才ヴァイオリニストに対して、もっと書いて欲しかったのだが、説明すべき背景が多すぎて(若干お腹一杯)ページ数足らなかったか?といった感じがした。

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2017/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冷戦下の東独に留学した柊史の視点を通して、壁ひとつで隔てられた世界を感じることができた。誰が密告者か判らないような状況で、自分の音楽の追及し、恋をして傷つく、登場人物たちの造形が見事で、彼らが奏でる音楽の音の表現も素晴らしかった。ベルリンの壁の崩壊、なんだかすごく昔の出来事のような気がしていたけど、平成に入ってからの出来事なんですねえ……ニュース映像でしか知ることのなかった世界を体感できたかのような楽しみが味わえた至福の読書時間でした。

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