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桜の下で待っている の商品レビュー

3.6

88件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2019/06/14

東北新幹線を利用する客一人一人の短編と、最後にその新幹線で働く売り子さんの一編です。どのお話も家族との関わりをテーマにしていますが、過度に重くはなくかといってわざとらしいハッピーエンドでもなく、ふわっとあたたかかったり切なさを残したり、ちょっと息苦しかったりするものもありましたが...

東北新幹線を利用する客一人一人の短編と、最後にその新幹線で働く売り子さんの一編です。どのお話も家族との関わりをテーマにしていますが、過度に重くはなくかといってわざとらしいハッピーエンドでもなく、ふわっとあたたかかったり切なさを残したり、ちょっと息苦しかったりするものもありましたが、でもちょうどよい余韻を残してくれました。家族だからこそ、ちょうどよい距離感はとても難しいものです。好んで手に取る種類の本ではないのですが、たまにはこういうのを読む時間もあっていいと思いました。

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2019/03/25

前から題名が気になっていて読みました。 東北新幹線を通してそれぞれのふるさとの物語。 桜の下で待っているのはふるさと。 私もふるさとに帰るといつも両親と喧嘩したのを思い出した。

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2018/08/06

内容(「BOOK」データベースより) 面倒だけれど愛おしい「ふるさと」。新幹線で北へ向かう5人。その先に待つものは―凛とした光を放つ感動傑作。 色々な形で故郷や実家と関わり合うほんのりと切ない短編集です。誰もが独り立ちする(しない人もいるけど)のでこの感覚分かると思います。町が...

内容(「BOOK」データベースより) 面倒だけれど愛おしい「ふるさと」。新幹線で北へ向かう5人。その先に待つものは―凛とした光を放つ感動傑作。 色々な形で故郷や実家と関わり合うほんのりと切ない短編集です。誰もが独り立ちする(しない人もいるけど)のでこの感覚分かると思います。町が小さく見えたり、変わっていなかったり見る影もなく変わってしまっていたり、様々な姿を見せる生まれた町や人々。変わらない物は無いし外から見た感覚なんて、現地にいる人からしたら余計なお世話なんですが、変わっていないところ見つけるとホッとしますね。 この本どれを読んでも胸の奥にいつも抱えている、過ぎゆく時間への郷愁というか痛みをちくちくっと刺激しやがります。皆元気なうちに会えるだけ家族に有った方がいいですよ。僕は会わないけど。

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2018/06/16

新幹線での帰省5つ。 桜、最後は全編にチラッと登場する乗務員自身の話し。 帯でメチャぼめだったから期待しすぎた分いまいちだった。 家族は確かに面倒くさい。 でも、家族。 1話目のおばあちゃんのセリフがよかった。

Posted byブクログ

2018/05/16

東北新幹線で北へ向かう人達のふるさとにまつわる5つの短編集。 それぞれの登場人物が様々な想いを抱えていて、じんと来たり、切なくなったり、ステキに表現されています。 初めて読んだ作家さんですが、個人的にはもっと刺激的な内容が好みでした。

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2018/04/03

家族とふるさとにまつわる五つの短編集。東北行きではなかったけれど、新幹線に乗りつつ一気読み。やっぱり彩瀬さんの言葉選びは美しくて優しい。一つ一つの文章が輝いて見える。 特にお気に入りなのは「菜の花の家」。母の七回忌のために実家のある東北へ向かった武文は行きの新幹線で母の夢を見てい...

家族とふるさとにまつわる五つの短編集。東北行きではなかったけれど、新幹線に乗りつつ一気読み。やっぱり彩瀬さんの言葉選びは美しくて優しい。一つ一つの文章が輝いて見える。 特にお気に入りなのは「菜の花の家」。母の七回忌のために実家のある東北へ向かった武文は行きの新幹線で母の夢を見ていた。伊達政宗の墓所である瑞鳳殿の石段を若かりし頃の母と上る夢だった。実家に着いた武文は住職が到着するまで姪と時間をつぶすことになり、かつては住み慣れた地元をめぐることになるが、離れていた間にずいぶんと変わってしまった街並みに心細さを覚えていたのが印象深かった。自分にとって故郷とはいつまでも不変で、塗り固められたイメージによって作られている。それはどこの街とも同様で変わりゆくのに、まるで自分だけ故郷に置いてかれてしまったかのように落胆してしまう。 そして法事が終わり、母の最期について語る武文と姉の会話が、家族について考えさせられた。母、父、姉、弟などと役割を与えられている家族の中で過ごすと人は個人としてではなく、その役割という皮を纏った状態で認識されてしまう。そして武文の母のように、最期までその役割を演じようと腹に力がこもる。家族に属するということは、与えられた役割を演じることのようにも似ているのかもしれない。それは時に息苦しくもあり、落ち着く場所でもあり、人それぞれなのだろう。 この本を読んでいて、どこか遠くに故郷がある人が少しうらやましくなった。めんどくさくて、少し煩わしくとも、「懐かしい」や「落ち着く」と思える場所があることはきっと大きな心の支えにもなるのだろうなぁ。

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2018/04/02

馴染みのある東北の風景が細かく表現されていて、読みやすかった。 私もふるさとへ帰る側なので、面倒だけど愛おしいという感覚に共感しました。

Posted byブクログ

2018/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新幹線で東北へ向かう人達の短編集。 宇都宮、郡山、仙台、そして花巻。待つ人の元へそれぞれの目的と思惑を乗せてレールを辿って北上する。 特に『ハクモクレンが砕けるとき』には涙が出そうになり、生と死について考えさせられた。 私も目を磨いてきちんと物事を見ていきたい。 彩瀬さんの温かなメッセージが心に染みる。 そしていつか宮沢賢治の童話村や宮沢賢治記念館に私も行ってみたい。 桜の季節に読めて良かった。

Posted byブクログ

2018/02/06

知っている感情も、知らない感覚も、みんな明るく温かく輝いてた。春が香る色。 彩瀬さん、色々な色を見せてくれる作家さんだなぁ。前回読んだ作品はもっと濃く深い色だった。とにかく表現力がすごい。すっとその世界に入り込んでしまう。

Posted byブクログ

2018/01/01

5話からなる。 東北新幹線に乗って行く人々の家族のつながりが、深く印象的な感じで、故郷の思いも入っていて、初めて読む作者 彩瀬(あやせ)まる氏だったが、とても良かった。 「モッコウバラのワンピース」 アマゾンのCMで、孫の男の子がおばあちゃんの若いとこの写真から、バイクに乗せて...

5話からなる。 東北新幹線に乗って行く人々の家族のつながりが、深く印象的な感じで、故郷の思いも入っていて、初めて読む作者 彩瀬(あやせ)まる氏だったが、とても良かった。 「モッコウバラのワンピース」 アマゾンのCMで、孫の男の子がおばあちゃんの若いとこの写真から、バイクに乗せてあげるような感じと、同じような雰囲気であった。 主人を亡くし、一生懸命働いて、子育てが、終わった時に、老いだけが残っているおばあさん。 お金では、買えないものを親戚や子供たちの反対を押し切ったおばあさんを見て、孫のの智也が、ワンピース似合うよ!と、言ってあげるところも、ジーンと来る。 反対していた母親も、電球一つの事も心配してあげるところがさりげない親孝行している。 「からたち香る」 恋人を故郷の親の所へ紹介するために、東北新幹線に乗り、郡山へと、話が始まる。 そこは東日本大震災の時のモニタリングポストが、あり、律子は、由樹人の両親が、何気なく放射線被ばくの話に、如何受け答えしていいのか? そんな由樹人の家にからたちのいい香りがしているのに律子は気づく。 両親から、桜を見てお出で、と、言われて出かけた二人は、由樹人の友人とその子供亜由美も一緒に、塩屋崎の灯台と水族館へ行く。 そこは震災のあったところ、友人は、由樹人に、最終的にどこに安住の地を求めるのか?と、訊ねるこ所。 今は、故郷が、無い人も多いのでは、、、、と、思いながら、今でも、東北の復興は、まだまだ時間が掛かるのかと、、、 「菜の花の家」 母親の七回忌法要に仙台の駅に降り立った武文。 姪のみどりを連れて法要までの時間つぶしにでかける。アンパンミュージアムに寄った後、伊達政宗の瑞鳳殿を小学校の思い出で、行ってみたら、同窓生だった彼女に会う。 彼女は、結婚し、こどもを生んで、親孝行をしている姿を見て、武文は、自分の母も、孫が、見たかっただろな~と、理解する。 嫁姑問題もあるけど、母の亡くなった後の庭に、菜の花が、植えられており、次の世代へ移り変わる背景を見る。 「ハナモクレンが砕けるとき」 知里のの両親が、叔母の結婚式で、新花巻へと。 知里は、みどりという子が交通事故で亡くなったことが、心から離れない。 夜におばあちゃんからハナモクレンの花を一緒に眺めながら、御先祖の末裔という言葉を聞く。 翌日は、宮沢賢治の童話村とマルカンデパートによって東北本線に乗車して、疲れた知里の眠りにみどりはハナモクレンと共いた。 「桜の下で待っている」 東北新幹線内で、ワゴン販売をしているさくら。 東京タワーが、見えるところに住み、合コンへも参加している。 弟の柊二と話しながら、故郷へ帰る人を、お土産を持って帰郷する人、喧嘩しに行く人、帰るのが気まずい人がいて、向かう先に行きたた人が居る限り、関係性は、四季を越える桜の木のように花盛りと冬彼を繰り返しているのだと、さくらは、思っている。 東京へと、戻ってくるときには、皆疲れきっているのだが、なぜか満足気の所もいいのだと、、、、 やはり、故郷があるという事で、癒されているのだと思う。 案外いい話で、良かった。

Posted byブクログ