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狭小邸宅 の商品レビュー

3.7

93件のお客様レビュー

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2022/10/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

住宅営業のノルマやプレッシャーによる過酷さと、苦労の果てにやっとの思いで契約が成立した際の高揚感が臨場感のある描写で描かれていると感じた。 主人公が住宅営業を通して成長していく展開かと思いきや、途中、仕事への情熱により邁進するも徐々に精神が蝕まれていく様子に恐怖を覚えた。ラストは唐突だが、契約の成約と破綻のイメージに生活が支配されていく様子がとてもリアル。

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2022/10/08

物件を見るのが好きで読んでみました。 営業はどこもノルマがきついものだけど、上司に怒鳴られたり蹴られたりしてまでも耐えなければならない仕事なのか。耐えていればいつかは報われる日が来るとも思えないけれど……。と、主人公に共感できないままに読み進め、恋人への理不尽な仕打ちに更に心が離...

物件を見るのが好きで読んでみました。 営業はどこもノルマがきついものだけど、上司に怒鳴られたり蹴られたりしてまでも耐えなければならない仕事なのか。耐えていればいつかは報われる日が来るとも思えないけれど……。と、主人公に共感できないままに読み進め、恋人への理不尽な仕打ちに更に心が離れ、ラストにそれなりに納得しました。 こちらは地方なので、基本的には土地を買ってから建てます。建て売りも勿論あるので、それを売るのは大変なんだなと感じました。ただ、都心と違い、建てた家にはずっと住むものなので、地盤改良や工法の方が間取りよりも大事になります。 それと住みたい土地の歴史、周囲の環境など。自分たちではどうにもできないことをしっかりと吟味して納得した上で土地を買うのが更に大事かな。うわものはリフォームできますからね。 建ててすぐに水害で全損した元同僚がいますが、そのあたりの土地は、ちゃんとした建設関係の者ならば人には勧めない場所でした。安い土地にはそれなりの理由があります。この主人公なら勧めそうでゾッとします。 好きだったものや大事にしていたことがどうでもよくなってしまったと気付いた瞬間に、主人公が転職していたら── でも、就活のときからやる気がなかった結果がこのラストだとしたら。色々考えさせられるラストでした。

Posted byブクログ

2022/09/20

 2012年第36回すばる文学賞を受賞した著者のデビュー作。  200ページ弱ながら内容は濃い。不動産のいわゆる上司からのパワハラがきついブラック企業に勤め始め、契約をとれずに「辞めてしまえ」と言われてしまう。ここまでが第一部とも呼べる部分で、ブラック企業で勤めることの大変さを描...

 2012年第36回すばる文学賞を受賞した著者のデビュー作。  200ページ弱ながら内容は濃い。不動産のいわゆる上司からのパワハラがきついブラック企業に勤め始め、契約をとれずに「辞めてしまえ」と言われてしまう。ここまでが第一部とも呼べる部分で、ブラック企業で勤めることの大変さを描いた作品かなと思う。しかし、なぜ契約が取れないか、上司に従ってノウハウを叩き込み成長する姿が描かれる第二部とも呼べる部分では飛躍的に仕事効率が上がる。文句ばかり言って努力が足りなかったのだろうななどと考えていると、一転して第三部では企業に染まりすぎた姿が描かれる。  結局、会社で働くって何なのだろうな、何を守り何を犠牲にしているのかなと考えさせられる。ワークライフバランスやQOLって、何だろうなとわからなくなる。

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2023/03/05

都内で戸建住宅を売る営業マンのお話。  前半は、営業スキルがなく猛烈な罵倒を受ける不遇な姿が描かれる。一方後半では、巡り合せが重なって夢見たエース営業マンにのし上がるも、仕事をこなす中で心のバランスが崩れ、幸せとは言い難い様子が描かれる。  仕事は何のためにしているのだろうか?幸...

都内で戸建住宅を売る営業マンのお話。  前半は、営業スキルがなく猛烈な罵倒を受ける不遇な姿が描かれる。一方後半では、巡り合せが重なって夢見たエース営業マンにのし上がるも、仕事をこなす中で心のバランスが崩れ、幸せとは言い難い様子が描かれる。  仕事は何のためにしているのだろうか?幸せになるにはどうしたら良かったのだろうか?と考えさせられました。  文章はさっぱり淡々として読み易く、それでいて要所で迫力ある表現もあり、大変良かったです。 

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2022/07/20

不動産営業のリアリティをとても感じられてよい。ドラマ化したら面白そう。不動産に関わってる方が読むとなお実態感あって楽しんで読めると思う。

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2022/05/28

どんなに感動した本でも年月とともに内容が薄れていくものだが、この本は何年経っても鮮明に覚えているような気がする。ちょっと強烈だった。 小説と言うよりドキュメンタリーに近いかも。 日本はまだまだブラックが多いんだろうな。なんでこんな効率の悪いやり方から抜け出せないのだろう。そしてあ...

どんなに感動した本でも年月とともに内容が薄れていくものだが、この本は何年経っても鮮明に覚えているような気がする。ちょっと強烈だった。 小説と言うよりドキュメンタリーに近いかも。 日本はまだまだブラックが多いんだろうな。なんでこんな効率の悪いやり方から抜け出せないのだろう。そしてあえて効率の悪いやり方に執着する。苦行だ。日本人は苦行が好きなのだ。そして苦行の先に待っている救いを求めて働き続けるのだ。さて、「救い」って何だろうね?

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2022/04/17

「お前、自分のこと特別だと思ってるだろう。 いや、お前は思ってる。自分は特別な存在だと思ってる。自分には大きな可能性が残されていて、いつか自分は何者かになるとどこかで思ってる。俺はお前のことが嫌いでも憎いわけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でもない、何かを成し遂げ...

「お前、自分のこと特別だと思ってるだろう。 いや、お前は思ってる。自分は特別な存在だと思ってる。自分には大きな可能性が残されていて、いつか自分は何者かになるとどこかで思ってる。俺はお前のことが嫌いでも憎いわけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でもない、何かを成し遂げることはないし、何者にもならない。」(P97) この部分が全てかな。 少し面白いけど、この本を紹介していた「窓際三等兵」さんのtweetの方が、面白いかな。

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2022/04/16

不動産に関するストーリーが読みたくて、試しに手に取ってみた。 帯には「不動産営業、絶賛の共感!」みたいな文言が。これは期待できるかもしれない…。と思い読み進めたものの、途中までの内容はよくあるビジネスサクセス系のストーリーだった。 主人公はちょっとした学歴を持つ、不動産営業担...

不動産に関するストーリーが読みたくて、試しに手に取ってみた。 帯には「不動産営業、絶賛の共感!」みたいな文言が。これは期待できるかもしれない…。と思い読み進めたものの、途中までの内容はよくあるビジネスサクセス系のストーリーだった。 主人公はちょっとした学歴を持つ、不動産営業担当。しかし、在籍する企業は大手でもなんでもなく、上司が部下を罵倒したり、(文字通り)蹴りを入れるような環境。 まったく物件を売ることができなかった主人公は、別の支店に左遷となる。伝説の営業担当が上司となるが、「お前は売れない」と単刀直入に言われてしまう。 しかし主人公は、全社的に課題となっていた売れ残り物件に注力。1ヶ月以内に売れなければ辞める…!と覚悟を決める。(これ、絶対に売れる流れじゃん) 案の定、物件は売れる。たまたま物件を探していた高属性の夫婦がやってきて、たまたまお節介な友人も一緒についてきて、主人公が、というよりもその友人が買うように後押ししてくれるという…。 そして伝説の上司が助言をしてくれるようになり、主人公はまた物件を売れるようになるという…。 いやぁ、これ系のお話にありがちなストーリーw 不正融資の話とか、不動産バブルの話とか、そういう社会問題やマクロな話が読めたらもっと面白かったな〜と思ってしまった。事前の期待が大きすぎた。 ただ、終わり方は良かった。 大学時代の同窓会にたまたま参加してしまった主人公。大企業のサラリーマンたちの仕事の愚痴大会。「世田谷の家ってどれくらいで買えるの?」という不躾な質問。「お前らみたいなカスは世田谷の1億の家は買えない」と言い放つ主人公。いやぁ、すっかり業界に染まってしまった。 それから、担当している購入希望者は、条件を下げずに予算は上げない。現実を伝えるも、逆上されて罵倒される。 なんとも後味が悪いのだけど、でもそれが良い。さすが、すばる文学賞を受賞しているだけあって面白かった。 (書評ブログもよろしくお願いします) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/2022/04/16/%E3%80%90%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E3%80%91%E7%8B%AD%E5%B0%8F%E9%82%B8%E5%AE%85_%E2%88%92_%E6%96%B0%E5%BA%84%E8%80%95

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2022/04/01

友人が突然貸してくれた。新庄耕という著者の名は初めて聞いた。 不動産業界はどこもこんなにブラックなのか?自分が家を購入した時に担当してくれた営業さんはこの本に書かれているようなひどい環境で仕事をしているようには到底見えなかった。それほどおどろおどろしい思いをしながら読んだが、人物...

友人が突然貸してくれた。新庄耕という著者の名は初めて聞いた。 不動産業界はどこもこんなにブラックなのか?自分が家を購入した時に担当してくれた営業さんはこの本に書かれているようなひどい環境で仕事をしているようには到底見えなかった。それほどおどろおどろしい思いをしながら読んだが、人物描写が今ひとつ凡庸でどの登場人物もどこか中途半端な存在だったせいか、物語としてはいささか物足りなかった。ただひとり、途中から主人公の上司となる豊川課長だけは別格で、この人が登場する場面は常に緊迫感に包まれ、その言動にいちいち興味を惹かれた。これが当作の一番の読みどころだった。また、城繁幸(株式会社ジョーンズ・ラボの代表とのことだが、もちろんこの人の名も初めて聞いた)の解説が当作のポイントを非常に鋭く捉えており、この本を良い具合に締め括っていた。

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2023/02/24

面白かったードラマみたいに一瞬で読めちゃった。 これから建売戸建てを購入しようとしている人にぜひぜひ読んで欲しい本。 某体育会系不動産の営業受けたことあるけど、まさにそれが本書に載っている手法でびっくり。最初に微妙なとこばっかり見せられるのは焦燥感を募らせるためなのね。そろそ...

面白かったードラマみたいに一瞬で読めちゃった。 これから建売戸建てを購入しようとしている人にぜひぜひ読んで欲しい本。 某体育会系不動産の営業受けたことあるけど、まさにそれが本書に載っている手法でびっくり。最初に微妙なとこばっかり見せられるのは焦燥感を募らせるためなのね。そろそろたくさん見たのに完璧なところはないな、妥協するしかないかな、と思わせるのね。それで一番マシなものを最後に見せると。 これ読んでたらあんな簡単に申し込みしてなかったな…(遠い目)

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