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狭小邸宅 の商品レビュー

3.6

98件のお客様レビュー

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2024/11/05
  • ネタバレ

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面白かった。 いい大学でたのに就活失敗してやりたいことも無くなんとか入った小さな不動産会社に勤める主人公の松尾。でも全然売れない。 向いてないのかと思いきや後々登場する異動先の課長に指摘された通り、できる努力してない。辞めろと言われてもしがみついてる割に何か行動を変えようとはしてない様子は傍から見たらめっちゃイライラすると思う。 この物語は一体何を伝えたかったんやろう? 皆自分にうっすら自信があって何者かになれるはず、何事か成し遂げられるはずという期待をしてるけどそんなもんないんやでってこと? 別にメッセージとかは無いんかな。 最初はブラック企業に勤める主人公がどん底まで落ちて挫折して這い上がって成功でもするのかと思ったけどそうでもなく。 ある程度の成功はあるけど本にするほどの…て感じではない。最後自殺した?しんだ?しんでもいいという気持ちでアクセル踏んだよな。もしかしたら運良く生き延びてるかもしれんけどそれは分からぬまま…。 ただただ不快な人がいっぱい出てきて変にストレスかけられた。笑 スイスイ読めて1時間半くらいで読了。

Posted byブクログ

2024/11/02
  • ネタバレ

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友人のおすすめということで借りて読んだ本。友人はNetflixでドラマ「地面師たち」を観て、その作者の本ということで買って読んだらしい。私は「地面師たち」を観ていない。 印象に残っているのは、最後の方で、主人公の客が放った「お前、染まりすぎてるよ」という言葉。 主人公は、最初は不動産業界の、数字至上主義に馴染めず、また結果も出せなかった。それでもパワハラ上司から目をつけられないよう、なんとか仕事をこなしていた。しかし、いくら仕事をこなしても数字が上がることはない。そんな中、異動先の支店の上司に、お前は不動産屋は向いてないと言われる。主人公は自分でも自覚しつつも、むきになって、自分はできるということを示そうとする。ここも面白い。主人公の世代が現れているというか、上司にやめろと言われやめるわけでもなく、散々周りから嘲笑されむかついているのにもかかわらず、それでもなぜか仕事を続けようとする。その根底には、「自分ならできる」という特別感がある。そしてそれも上司に指摘されてしまい、主人公のプライドはぼろぼろになる。 そうして仕事を辞めようとするも、主人公の性格上、当然すんなり辞められるわけはない。なぜなら、自分で納得していないからだ。ではどうするか?彼は1ヶ月だけ、死に物狂いで成果を出そうとし、そしてこれはおそらく偶然なのだが、本当に物件が売れてしまう。そこから結果を出す、数字を残すことの快楽と自信を身に着け、不動産屋が板についていく。つまり、当初は馴染めなかった数字至上主義の不動産屋に、自分自身もなっていたのだった。 しかし、彼は完全にその世界に入り込めているわけではなかった。だから、大学の同期との飲み会で、ささいな発言が、決してそうではないのに自分の仕事に向けられた非難の言葉のように感じられてしまう。だから尚更、むかつくのだ。自分でも分かっているのに、どうすることもできない、そういう図星を言われた気がしたから。それを軽くあしらえるほどの、業界と自分に対する自信はまだ持ち合わせていなかったから。 そして、最後に冒頭の台詞、「お前、染まりすぎてるよ」が放たれる。これを主人公は、そして私たちはどう受け止めたらよいのだろうか。もちろん、この台詞を放った客もまた、なにかに染まっているに違いない。そんなことは、おそらく主人公も、そして私たちも気づいている。しかし、だからといって何かをやめた時に、自分自身に何が残るのだろうか。その先には、「虚無」という恐ろしい現実が待っていると感じられるのではないだろうか。だから私たちは目を逸らそうと努力する。 と、私は思っていた。たしかに、「虚無」は恐ろしい。性格に言えば、自分が何者でもないという現実を知ることが、恐ろしい。だけど、何者でもないことが、自分の存在は意味がないとか虚無であるとか、そういう存在自体を脅かすものではないと読了から少し時間を置いた今は考えられる。つまり、何者である必要もなく、何者でなくてもいいということで、私は私として今ここに存在している。何者ではなくても、私は私自身で、何かはできる。今後は、そういう観点が社会を生き延びる上で必要になってくるのではないだろうか。その良し悪しはひとまず置いといて。

Posted byブクログ

2024/11/02

主人公の気持ちがよくわかります。 OB会に集まる同世代の1人に『人を騙すような仕事なんて自分なら死んでもやらない』と正論打たれるけどその1人も空虚な成長途中の人間で。

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2024/10/14

有名大学を出て中小不動産屋に就職。 出来ない営業マンが一流に成長する一方で何かを喪失する。 なんとも言えない不動産屋の話。

Posted byブクログ

2024/10/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

松尾 フォージーハウスの営業。 中田 木村 新入社員。 松本 伊藤 部長。 大山 課長。 斎藤 課長。 武田 圭佑 松尾と大学時代のゼミナールが一緒だった。丸の内にある大企業に就職した。 めぐみ 外資系の化粧金会社に就職。 山口真智子 山根 駒沢支店の部長。 サトちゃん 河野 パニックと呼ばれている。 田村 マルメラ。 村上 ジェイ。 豊川 二課をまとまる課長。 重村 中野店のエース。 トシユキ 松尾の二つ年下。大学時代にあるバイト先の新聞社で知り合った。

Posted byブクログ

2024/09/26

「地面師」を読んではまったのでこちらも読んでみた。 えげつないブラック企業の不動産屋で営業をしている主人公のつらい毎日がリアルすぎて、読んでいて胃が痛くなりそうだった笑 自分だったら絶対無理。

Posted byブクログ

2024/08/18

ブラック企業に身を置く主人公が感じる重苦しい雰囲気が、文章からも伝わってくる表現。情景が鮮明にイメージされる。息苦しさを感じでいる自分に気づく。 仕事に染まっていくことで、少しずつ変わっていく自分と周囲に気づきながらも、それに抗えない主人公が何とも言えない。 ラストが唐突で、読者...

ブラック企業に身を置く主人公が感じる重苦しい雰囲気が、文章からも伝わってくる表現。情景が鮮明にイメージされる。息苦しさを感じでいる自分に気づく。 仕事に染まっていくことで、少しずつ変わっていく自分と周囲に気づきながらも、それに抗えない主人公が何とも言えない。 ラストが唐突で、読者次第で主人公がどうなったかが変わるだろう点は個人的には好き。 全体としては、ジェットコースターのように怒涛の展開のため、あっという間に読めてしまった。

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2024/06/16

タワマン文学の走りのような、私自身が体験したことのない「不動産営業」を追体験できる小説だった。主人公である松尾や、課長が指導する営業テクニックを読みながら、「私もあの時、この営業テクニック使われてたな、、、」と妙に感心してしまった。 松尾の性格に共感はできなかったが、ギラギラとし...

タワマン文学の走りのような、私自身が体験したことのない「不動産営業」を追体験できる小説だった。主人公である松尾や、課長が指導する営業テクニックを読みながら、「私もあの時、この営業テクニック使われてたな、、、」と妙に感心してしまった。 松尾の性格に共感はできなかったが、ギラギラとしたサラリーマン魂を思い出したい時に、また読み直したい作品だった。

Posted byブクログ

2024/04/21

昭和生まれのサラリーマンが読むと、胸がキューっとなること間違いなし。 入社したころの時代を思い出して身が引き締まります。 パワハラ会社の解像度が高い。 慢心してるかなっ?ってときに読むと気持ちを改めることができる。

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2024/03/15

不動産業界ではないが、4月から新卒で働く身であるため、働くことの恐ろしさが鮮明に伝わってきた。主人公ははじめは全く売ることができなかったが、運が味方したことや課長にテクニックを教えてもらったことで売れる人に変わっていった。売れる人に変わったことで、自分が大物になった気になって傲り...

不動産業界ではないが、4月から新卒で働く身であるため、働くことの恐ろしさが鮮明に伝わってきた。主人公ははじめは全く売ることができなかったが、運が味方したことや課長にテクニックを教えてもらったことで売れる人に変わっていった。売れる人に変わったことで、自分が大物になった気になって傲りが見えてきたが、本当は中身は何も変わっていないのではないか。これは、サラリーマン全員に言えることだと思うが、謙虚でいることが1番大切なのではないか。そんなことを考えさせられた。売れなくなった時に謙虚さを持っていなければ、周りから人がいなくなってしまいそうな気がした。 もし自分が少し仕事で成功することがあっても謙虚さは忘れずにいたい。この本はそう思わせてくれた作品。でも、謙虚で居続けることは難しいことなんだろう。

Posted byブクログ