狭小邸宅 の商品レビュー
不動産営業にみる社畜物語。 不動産屋に就職したあの人は今も元気でやってるかな…なんて思ったりした。
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僕も元不動産営業マンです。 多少の誇張はありますが、平成の不動産屋はこんな感じでした。 主人公以外の登場人物も似たりよったりです。 あの時を思いだして、若干の冷汗が出るほどとてもうまく描けています。 前半の主人公の心情はとても理解できるのですが、後半にいくにつれ結局業界に飲まれて...
僕も元不動産営業マンです。 多少の誇張はありますが、平成の不動産屋はこんな感じでした。 主人公以外の登場人物も似たりよったりです。 あの時を思いだして、若干の冷汗が出るほどとてもうまく描けています。 前半の主人公の心情はとても理解できるのですが、後半にいくにつれ結局業界に飲まれてしまったのかと残念に思いました。 結局、主人公は売れなかったからみんなに優しく出来ていただけで売れてきたら天狗になる人間でした。 こういう人間も実際多くいました。 卵が先か鶏が先か。 不動産屋になった新卒の子は最初はとても丁寧なのですが、3年後くらいまで残った元新卒は総じて不動産屋に染まり横柄になっているのです。 自分はこの考え方をあまり好きではありません。 売れようが売れまいが、お金があろうがなかろうが自分は自分でしかなくて、それ以上でもそれ以下でもないはずです。 主人公もラストの後にそれに気づいてどんな仕事でも本当の意味で誇りを持って欲しいと思います。
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社会に出て働く中で人間がどのように変わってしまうのか……新庄耕さんの小説『狭小邸宅』は、その変化の切なさと充実感を思い出させてくれる労働小説(Twitterより)
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大学を卒業して、不動産業界に入ったものの、全く売ることができずに退社寸前まで行った松尾。蒲田の売れ残り物件を1件(軒)売り、部長と課長のアドバイスでスランプを乗り切るが…。 文字が大きくて、しかも本の上部が空白という、見た目の割に短い純文学なやつだ。始まりの、どつかれ蹴られ、「...
大学を卒業して、不動産業界に入ったものの、全く売ることができずに退社寸前まで行った松尾。蒲田の売れ残り物件を1件(軒)売り、部長と課長のアドバイスでスランプを乗り切るが…。 文字が大きくて、しかも本の上部が空白という、見た目の割に短い純文学なやつだ。始まりの、どつかれ蹴られ、「辞めてしまえ」と罵られ、ブラックな会社環境が、読んでいてものすごくしんどいけど、最近のことなかれ、何もなかれ、事件なかれの純文学に比べると臨場感が有る。 配置が変わり、キャバクラを辞めた女性と出会ってしばらくして、視界が拓けていく。この辺りで主人公の魅力がなくなっていき、ストーリーも魅力がなくなっていき、終盤にかけて予想していたような展開になっていく。 単純なサラリーマン小説といえばそうで、もう少しある意味の葛藤的なものが有ればよかったし、もう少し開ける前の読んでいて痛い展開を続けてほしかったと思える。 最後はおおかたの人の予想しているような展開になっていくが、そこの部分も割と何も書かれずに終わっていくのは消化不良だ。 また、途中に出てくる女性の存在感もないし、大学の先輩の担当を任されるというのも、弱みを握られるだろうから実際には行われなさそうだし、現実味のないところからほころびが生じているのが残念なところである。 前半☆4、後半☆2というところ。
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これは面白くて一気に読んだ!友達が住宅販売の営業をしてるから読んでみた本。都会の営業職はこんなに厳しいところもあるのか…。 (職場の)常識より良識。こんな言葉を思い出した(。-_-。)
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一度でも営業職を経験した事のある人間なら、多少の差はあれど感じるところがある話。 自分自身も転職して今の会社に入って本当に良かったとつくづく思う。 確実に、身も心も染まって、大事なものを大事に出来ないようになっていた。今は、できる。
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凄い所を切り抜いたなという感じ。 著者得意の社会の闇を単純に描いたようでいながら、それとも違う。仕事に不満を抱えながら、少しずつ承認欲求が満たされ、組織に染まっていく様。それはまるで、学生から社会人になりたての頃、通過儀礼の如く誰もが味わう事かも知れないが、その薄気味悪さを抉っ...
凄い所を切り抜いたなという感じ。 著者得意の社会の闇を単純に描いたようでいながら、それとも違う。仕事に不満を抱えながら、少しずつ承認欲求が満たされ、組織に染まっていく様。それはまるで、学生から社会人になりたての頃、通過儀礼の如く誰もが味わう事かも知れないが、その薄気味悪さを抉っている。住宅販売、不動産屋という職種に限った事ではない。例えば、社会人になりたての頃、学生時代の仲間と集まっても話が噛み合わない。そんな経験の根底を切り抜いているのだ。 面白い。視点も、小説としてのデッサン、トリミングも。
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結局、主人公は何がしたいのだろう。 流されるまま不動産会社に入社、毎日上司のパワハラに怯える日々。 主人公の卒業した明王大が、マーチの方なのか、ソーケーの方なのかは定かではないが、どちらにせよ、第二新卒と呼ばれる期間内にもっとイージーな会社に転職した方が合理的だろうに。 不動産に...
結局、主人公は何がしたいのだろう。 流されるまま不動産会社に入社、毎日上司のパワハラに怯える日々。 主人公の卒業した明王大が、マーチの方なのか、ソーケーの方なのかは定かではないが、どちらにせよ、第二新卒と呼ばれる期間内にもっとイージーな会社に転職した方が合理的だろうに。 不動産にさして思い入れもない、と始めに気怠く明言しておきながら、退職勧告まがいのことをされてもなお辞めないのは、潜在的に不動産業界の星になりたいとかかな〜、と期待して読み続けてたら、ついに!社長案件の蒲田のいわく物件を、見事、粘り勝ちで売却! したにも関わらず、まだ、ここで辞めちゃおっかな、どうしよっかなみたいな煮え切らない感じに更にイライラしてくる。 挙句、駒沢支店の次期エース候補よろしく、豊川課長直々に目をかけてもらって、やっと『見える世界が変わってきたぜ』とか調子こき始めたと思ったら、終盤またひとつ契約逃して、このままだと目標未達、不安な僕ちん・・・。 でジ・エンド。 主人公が成長していく様に爽快感?え?何処に? 世の中には仕事に情熱を傾けられる人がいて、一方食う為仕方なくという人もいて。どちらも正しい生き方なんだけど、この主人公は、本当は後者に適正があるにも関わらず、自分をずっと偽り続けて、空回りしちゃってるんだよね。このままいくと、おま、遅かれ早かれ病むぞおい。 あと、主人公が1987年生まれとはにわかに信じがたいくらい思考がオッサンくさいし、SNSとか、出てこないし。 1987年設定ってことは、2010年新卒(早生まれは2009年卒)だよね。てことはこのストーリー期間内に東日本大震災も起こってるはずだが。不動産業界だって大打撃だろうに、何故かすんなり成績トップのエースになる謎。 あとは、もう、男性作家お約束の、女との絡みが、ハルキムラカミ的ご都合主義なのも、なんかね。 真智子との偶然の出会いが美人局疑うレベル。 とまあ、好き勝手書いちゃったけど、不動産業界特有の営業手法『まわし』とか『かまし』とか、勉強になる部分もあったし、半田さんご夫妻との契約までこぎつけるくだりは疾走感あって、ハラハラして楽しめました。 未だに、不動産会社ってこういう泥くさいことやってんだろな。営業の方々、マジでお疲れ様です。
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ブラック会社の実態を、まざまざと描く。 この筆力は大したものだ。 パワハラあり、暴力もありの上司に、 ただひたすら耐えて、ついていく。 なぜ不動産会社の社員になったのか、はっきりしない。 でも、なかなか売れない。 お前は、能力がなく、売れないから、やめろと言われる。 それでも、続...
ブラック会社の実態を、まざまざと描く。 この筆力は大したものだ。 パワハラあり、暴力もありの上司に、 ただひたすら耐えて、ついていく。 なぜ不動産会社の社員になったのか、はっきりしない。 でも、なかなか売れない。 お前は、能力がなく、売れないから、やめろと言われる。 それでも、続ける 大学卒の松尾。 同期の同僚は、多くはやめてしまった。 そして、本社から、移動させられる。 その上司は、前と違って、実に冷静で、 やめたほうがいいと言われるだけだった。 「自意識が強く、観念的で、理想や言い訳ばかり並べ立てる。 それでいて、肝心の目の前にある現実を舐める。 腹のなかでは、拝金主義だなんだと言って不動産屋を見下している。 家一つまともに売れないくせに、不動産屋のことを わかったような気になってそれらしい顔をする。 お前、自分のこと特別だと思ってるだろ。 自分には大きな可能性が残されていて、 いつかは何者かになるとどこかで、思っている。」 と上司は、ズバリと言ってのける。 蒲田の売れないペンシルハウスを売ることで、 やっと、松尾は変わる。 上司は、的確なアドバイスをする。 そして、売ろうとする家を決めさせるテクニックも使えるようになる。 一人前の 不動産屋になるのだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結局、長時間労働・恫喝・パワハラでは部下は何も学ばないし、会社の生産性も上がらない。やるべき基本をまず忠実に。 主人公が何も学ばず、耐えていただけならば、なんとも後味の悪い話。 最初から最後まで暗い話の中の、その微かな光に希望と救いを感じてしまった。 面白かった。
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