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世界はシステムで動く の商品レビュー

3.9

58件のお客様レビュー

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2018/10/24

システム・ダイナミクス学派に属する米学者によるシステム思考の解説書。政治、経済などの社会現象や政策について、システム的にはどのように考えるべきかをわかりやすく説明している。参考になる考え方だと思った。 「「成功者はさらに成功する」は、生態学の分野ではよく知られた概念であり、「競...

システム・ダイナミクス学派に属する米学者によるシステム思考の解説書。政治、経済などの社会現象や政策について、システム的にはどのように考えるべきかをわかりやすく説明している。参考になる考え方だと思った。 「「成功者はさらに成功する」は、生態学の分野ではよく知られた概念であり、「競争的排除の原則」と呼ばれている」p208 「「成功者はさらに成功する」原型から抜け出すための最も明確な方法は、定期的に「条件を変更する」ことです」p211 「金持ちがより金持ちに、貧乏人がより貧乏になるというループを断ち切るために、さまざまな仕組みがあります。累進課税、慈善活動、公共福祉、労働組合。平等な国民皆保険と教育。相続税。ほとんどの工業社会には、だれもゲームから降りないように、「成功者はさらに成功する」落とし穴が働かないよう、このような牽制策を組み合わせたものがあります」p212 「昔は年寄りの世話は家族が行っていたものですが、必ずしも容易なことではありませんでした。そこで、社会保障制度、退職者のコミュニティ、老人ホームが登場しました。今では、ほとんどの家族にはもはや、年老いた家族の世話をするスペースも、時間もスキルも、気持ちもありません」p216 「米国の絶滅危惧種保護法は、絶滅危惧種の生育地がある場所での開発を制限するものです。地主の中には、自分の敷地内に絶滅危惧種の住み家があることを発見すると、その土地を開発できるよう、わざとその生き物を狩ったり毒殺したりする人もいました。法律の文言は守られていますが、法律の精神は守られていないのです」p223 「GDPは、達成したものではなく、達成のための取り組みや労力を測り、効率ではなく、総生産・総消費を測ります。同じ明るさを作り出すのに必要な電力は1/8で、寿命は10倍長い新型電球は、GDPを引き下げることになります」p228 「(イノベーションの必要性)体系的に実験をさげすみ、イノベーションの原材料を消し去ってしまうシステムは、この非常に変化しやすい惑星の上では、長期的には消える運命にあります」p260

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2018/05/18

「システム屋」と呼ばれる方々がいらっしゃることがわかりました。 世の中で起きている出来事をシステム化してみると、科学的なこと、ITでおきていること、政治行政でおきていること、家庭の問題、など、実は統一したシステムで起きていることがわかった。 「お風呂の栓をしないまま水をためてい...

「システム屋」と呼ばれる方々がいらっしゃることがわかりました。 世の中で起きている出来事をシステム化してみると、科学的なこと、ITでおきていること、政治行政でおきていること、家庭の問題、など、実は統一したシステムで起きていることがわかった。 「お風呂の栓をしないまま水をためていってもたまらない」という単純なシステムで動いているシステムがいかに多いことか! 「このことに気がついて、万能感をもったシステム屋さんが調子に乗って行政に提言してもうまくいかない」 というのもひとつのシステムだそうで、それも面白かった。 ときどき難解に、そしてまたときどき具体的になりながら、私たちの注意を引きつける文章。この世の中の秘密がまたひとつ、解き明かされたような気がしました。 著者のドネラさんは夭逝されたとのことですが、ひとつの大きなシステムを人間は失ったことへの損失は計り知れませんね。

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2017/12/24

世界の流れや社会の仕組みを総合的な関係性から解き明かすものの考え方を説いている。訳者である枝廣さんの著書システム思考の元になっていると感じた。 成長の限界を考えた考え方の基本が書かれている。

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2017/04/30

近頃、本を読むスピードが落ちたな〜、と思っていたけど、これは3日間で読んでしまった。 単に、最近、それほど面白い本に出会っていなかったということだね。 これは、本当に面白い、エキサイティングな本です。 システム思考については、ある程度、知っているつもりだったけど、なるほど〜、...

近頃、本を読むスピードが落ちたな〜、と思っていたけど、これは3日間で読んでしまった。 単に、最近、それほど面白い本に出会っていなかったということだね。 これは、本当に面白い、エキサイティングな本です。 システム思考については、ある程度、知っているつもりだったけど、なるほど〜、な話しが満載です。目から鱗が落ちまくります。全く新しいことが書いてある訳ではないのだけど、これまで知っているつもりだったこと、単独では分かったつもりだったことが、つながるわけ。まさに、個別要素の合計ではなくて、知識同士のつながりが新たな知識として、立ち上がってくる感じ。 ちょっと、またシステム思考、がんばってマスターするぞ〜、な気持ちになりました。 ちなみに、これは、入門書としては、やや難しいのではないかと思います。システム思考関係の本は、入門書か、スターマンとか、モデリングとか、どっちかというと中〜上級向けの本しかなかった印象なので、その間を埋める中級の本かな?と思います。 多分、「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか」を読んでからにしたほうが、いいかな?あと、複雑系とか、限定合理性みたいなのに関連する本もパラッと読んだ方が分かりやすいかもしれない。 クドいけど、この本の価値は、分かりやすい中級レベルの本ということには留まらない。いろいろな刺激的な視点をくれる本です。

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2016/12/03

大変な名著ですので、ぜひ多くの人に読んで頂きたいと思います。 多くの人が「読みづらい」と言っていて、「あ、そういうものなのか」と思いました。 ぼくが「システムのモデリング」や「ダイナミクスの分析」というアイデアをすんなり理解できたのは、もともとシステム制御工学を専攻していたり...

大変な名著ですので、ぜひ多くの人に読んで頂きたいと思います。 多くの人が「読みづらい」と言っていて、「あ、そういうものなのか」と思いました。 ぼくが「システムのモデリング」や「ダイナミクスの分析」というアイデアをすんなり理解できたのは、もともとシステム制御工学を専攻していたり、バージニア・アンダーソンの『システム・シンキング―問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術』を若い頃に読んだりしていたからなのかもしれません。 ぼくはそのような知識に早くから触れるという「幸運」に恵まれていました。しかし、多くの人は、そうではないんですね。 たしかに、学校教育のカリキュラムを考えてみれば、「システム的な思考法」に関連した教育内容は、ほとんど無いかもしれません。 この「システム思考」というものが、多くの人にとって馴染みがないだけでなく、容易に理解できないものであるということを、あらためて認識しなければならないと思いました。 その認識から出発することで、よりよい実践や、よりよい教育につなげていくことができるだろうと。 いずれにせよ、この本を多くの人に読んでもらいたいと思いました。 --- お気に入りの逸話:カーター元大統領はメキシコからの不法移民に対処すべく、「米国とメキシコとの間の、機会と生活水準のギャップが埋まらない限り移民は止まらない」「国境警備や防壁より、メキシコ経済の構築のためにカネを使うべき」と主張した。しかし実現しなかった。 本書の難点:索引がないこと。

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2016/11/19

システムとして仕事、世界、日常をとらえる考え方が私には新鮮であり、考え方をまとめるのに非常に参考になり、モデル部分を中心に、まとめるために積読する

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2016/06/05

「システム思考」の解説書。 ビジネス書的な問題解決を扱ってるはずなのですが、書きぶりからアプローチから、非常にユニークな本、という印象を受けました。「システムとダンスを踊る」って表現は面白いです。 そこまで難しい言葉では書かれていないはずなのですが、どういう訳か読みきるまで時間...

「システム思考」の解説書。 ビジネス書的な問題解決を扱ってるはずなのですが、書きぶりからアプローチから、非常にユニークな本、という印象を受けました。「システムとダンスを踊る」って表現は面白いです。 そこまで難しい言葉では書かれていないはずなのですが、どういう訳か読みきるまで時間がかかりました。身につくにも少し時間がかかりそう。 入り口の入門書、キッカケとして良い本ではないかと。

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2016/05/08

システム思考の中でもシステム・ダイナミクス学派に属する著者がシステム思考の基本から、身の回りにあるシステムの捉え方をレジリエンス、自己組織化、ヒラエルキーなどの視点も合わせて指南、シンプルな例題から経済問題、そして環境問題や格差問題にまで切り込み、間違った目標を落とし穴として指摘...

システム思考の中でもシステム・ダイナミクス学派に属する著者がシステム思考の基本から、身の回りにあるシステムの捉え方をレジリエンス、自己組織化、ヒラエルキーなどの視点も合わせて指南、シンプルな例題から経済問題、そして環境問題や格差問題にまで切り込み、間違った目標を落とし穴として指摘します。 終章では、システムの世界に生きる心得が15ほど訓示されています。なかでも「自分のメンタルモデルを白日にさらす」、「測定可能なものだけではなく、大事にものに注意を払う」、「謙虚であり続け、学習者で有り続ける」、「複雑性を祝福する」、「時間軸を伸ばす」、「学問の”領域”に逆らう」などが印象に残りました。

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2016/05/03

システム思考の入門書、解説までよむとシステムシンキングの学派の流れがよくわかり次に読み進めたい本が見つかる。

Posted byブクログ

2016/02/23

世の中で起きていることは、ストックとフローからなるシステムで説明できる。システムの特徴、なぜ予想外の動きをするのか、どんな落とし穴があるのか、そしてシステムを期待するように動かすにはどうすれば良いか、などなどをわかりやすく解説するシステム・ダイナミクスの良書。 再読したい。

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