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災厄の町 新訳版 の商品レビュー

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36件のお客様レビュー

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2023/11/28

さしたる印象がない。普通の小説的である。 しかし、20世紀初頭、殺人以外でも、病気でもなんでも、人は死ぬ。 架空の町、ライツヴィルをしばらく離れて、また、この町の駅に立つ、エラリークイーン。随分、前のことのように。 「おお、惨めな人生は流し! 幸福は短し!」 ”苦悩する者は、物事...

さしたる印象がない。普通の小説的である。 しかし、20世紀初頭、殺人以外でも、病気でもなんでも、人は死ぬ。 架空の町、ライツヴィルをしばらく離れて、また、この町の駅に立つ、エラリークイーン。随分、前のことのように。 「おお、惨めな人生は流し! 幸福は短し!」 ”苦悩する者は、物事を悪く考える。” 死んで償って、後でわかる。そんな、悠長なことしてていいのか、エラリークイーン。

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2023/09/14

「中途の家」に続き、読了。その間の作品は読んだ事がないが、6年でここまで作風が変わるのか。 ライツヴィルものの第1作。国名シリーズとは比べ物にならないほど、人間を描いている。それまでの作品とは違う意味で傑作と言われるのも納得。 人物やドラマに重きを置いている為、なかなか事件は起き...

「中途の家」に続き、読了。その間の作品は読んだ事がないが、6年でここまで作風が変わるのか。 ライツヴィルものの第1作。国名シリーズとは比べ物にならないほど、人間を描いている。それまでの作品とは違う意味で傑作と言われるのも納得。 人物やドラマに重きを置いている為、なかなか事件は起きないが、登場人物の魅力が増し、長くは感じなかった。そして、ジムの裁判などはまるで映画を見ているかのごとく、映像が頭に浮かぶほどの盛り上がり。 それにしても、エラリーからエラリィと表記が変わっている彼だが、キャラクターもだいぶ変わったな。ヒロインにアタックし、偽名で濃厚な人間関係の中に身を隠し出過ぎた捜査もしない。

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2023/09/11

96点:「ぼくならできました」 エラリイクイーンが単なる外部の観察者ではなく、事件の当事者として裁判で証言をする。名探偵というものと行動の不自然さ、一般常識とミステリロジックの衝突、世間からみた探偵のいかがわしさが裁判の中であきらかになり、ただそういったものをロジックで突破する...

96点:「ぼくならできました」 エラリイクイーンが単なる外部の観察者ではなく、事件の当事者として裁判で証言をする。名探偵というものと行動の不自然さ、一般常識とミステリロジックの衝突、世間からみた探偵のいかがわしさが裁判の中であきらかになり、ただそういったものをロジックで突破するところは大きな爽快感を感じる。 世界文学としてもミステリとしてもクイーンシリーズとしても圧倒的におもしろい‼️

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2023/07/15

「早川ミステリハンドブック」で新発見いっぱいのクラシックミステリであがっているので読んだ。クイーンは中学生の時にⅩとYを読んだきり。粛々と謎解きが進むといったような内容だったと思うが、それに比べこれはどうだ。シュールで騒々しく極彩色な面々と行動、それを覆う街。テリー・ギリアムの「...

「早川ミステリハンドブック」で新発見いっぱいのクラシックミステリであがっているので読んだ。クイーンは中学生の時にⅩとYを読んだきり。粛々と謎解きが進むといったような内容だったと思うが、それに比べこれはどうだ。シュールで騒々しく極彩色な面々と行動、それを覆う街。テリー・ギリアムの「ゼロの未来」の画面をなぜか思い浮かべてしまった。う~ん、名作だというがなじめなかったなあ。でも映画にしたらおもしろいかもと感じた。 ライツヴィルという小さな町を舞台にライト家の三姉妹がからむ。長女は離婚して町に戻ってきていて、二女ノーラは3年前の結婚式直前に新郎ジムが雲隠れ、裕福な親が用意した家は空き家になっていてそこに作家エラリー・クイーンが借家する、が突然ジムが帰ってきてめでたくノーラと結婚。クイーンは隣の母屋に間借りし直すが、ノーラは夫の蔵書の間から「妻を殺す・・」という3通の手紙をみつける。クイーンは三女パットとともに真相を追うが・・  そのうち夫ジムの姉だというローズマリーが新居にやってきて居座ってしまい・・ この姉、最初から姉じゃないだろうという気はするんだよなあ。 「災厄の街」CALAMITY TOWNという題名のように、街を襲ったライト家と街の人々の騒動。 1942発表 2014.12.15発行 2021.8.25第4刷 図書館

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2023/05/14
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エラリー・クイーンのライツヴィルシリーズ第一弾。新訳版で。国名シリーズを半分ほど、レーン四部作は読了済み。 正直、エラリー・クイーンはパズラーとしての側面が強く、登場人物もそこまで掘り下げないイメージだったが、今作はいい意味で裏切られた。 前半は殺害予告と殺人に至るまでの過程、中盤は白熱の裁判シーン、後半はある一つの事実でひっくり返る真相。そこに、クイーンらしからぬ人物描写が加わり、より魅力的な作品に仕上がっている。ライツヴィルという町の空気感も独特。 真相も凄い。 一つの事実が分かった途端、全ての見え方が変わる。クイーン作品では今までXの悲劇が一番面白いと思っていたが、今作はそれを上回る良さだった。ハヤカワミステリ文庫の新訳シリーズ、楽しみになってきた。 で、作中のクイーン氏、結構なキス魔でチャラいので、国名シリーズのクイーン氏が好きな人は注意笑

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2023/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めて読んだエラリイ・クイーンの小説。 前半では、田舎町の良い面も描かれるが、事件後は圧倒的に悪い面が多く描かれる。 登場人物たちの濃い人間関係によって拗れていく事件が、緻密な人間描写によって、なんの無理もなく展開されていく様子は、圧巻だった。 こうした、ドロドロとした関係のミステリ、そして、探偵が気付くのがあまりにも遅いミステリは、イライラして読むのが辛いこともあるのだが、今作は、エラリイの人柄もあって、スルスルと読めた。 真犯人が被害者となるはずだったノーラであることに関しては、状況的に考えて、わりとすぐわかるのだが、ジムの姉にまつわる謎解きは、最後までわからなかった。 何より、意外だったのは、ノーラが、夫を犯人に仕立て上げた事で、物語序盤から、魅力的なパットに感情移入させられてしまっていたので、読者もエラリイも、ノーラの狂気に気づくことができない、という仕掛けを、作者は作っていたのかなと思った。

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2023/04/29

ライツヴィルものの第1作。 謎解きももちろん素晴らしいのだけど、今回読んでみてそれ以上に感心したのが、ライツヴィルの街そのもの。 無責任で、人の不幸を待ち望み、煽るためなら嘘も厭わない街の人たち。これって現代と何らかわらない。ことにネットではなおさらで、人の本質ってものはこういう...

ライツヴィルものの第1作。 謎解きももちろん素晴らしいのだけど、今回読んでみてそれ以上に感心したのが、ライツヴィルの街そのもの。 無責任で、人の不幸を待ち望み、煽るためなら嘘も厭わない街の人たち。これって現代と何らかわらない。ことにネットではなおさらで、人の本質ってものはこういうものかと納得してしまう。だからこそ理性的な振る舞いが求められるのでしょうね。

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2023/04/21

国名シリーズを読み終えてからの、災厄の町。 キレッキレのエラリーに馴染んでいたので、しがらみに埋もれてなかなか動けないエラリーが、風采が上がらないように見えて、もどかしい。。 ただ、背後に不穏な音楽がずっと流れているようでざわざわしながら、先へ先へとページを送りました。 排他的...

国名シリーズを読み終えてからの、災厄の町。 キレッキレのエラリーに馴染んでいたので、しがらみに埋もれてなかなか動けないエラリーが、風采が上がらないように見えて、もどかしい。。 ただ、背後に不穏な音楽がずっと流れているようでざわざわしながら、先へ先へとページを送りました。 排他的な集団の結束や、親しい間柄程話し合いができず問題を大きくしていくことの恐ろしさを感じました。

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2023/03/11

こ、これは面白い! ライツヴィルという町を舞台にしたシリーズの第一作目。田舎の空気と、名家の人たちのあれやこれやから、事件が起こり、エラリィは隣人として関わっていきます。 お父さんがいないのが寂しい…ですが、エラリィの客観的立場の観察と、時々入れ込んでしまうところとか、絶妙な感じ...

こ、これは面白い! ライツヴィルという町を舞台にしたシリーズの第一作目。田舎の空気と、名家の人たちのあれやこれやから、事件が起こり、エラリィは隣人として関わっていきます。 お父さんがいないのが寂しい…ですが、エラリィの客観的立場の観察と、時々入れ込んでしまうところとか、絶妙な感じです。 真相もよく練られていて、唸ってしまいます。

Posted byブクログ

2023/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お正月に読むのにぴったり! よく言われているプロットがすごい、の意味を初めて理解したかもしれない 犯人やトリックや動機を知ることより、一連の真実を知ったことで"今まで見てきたもの"が全く違う見え方になるのが、そしてそれがとても哀しい話なのが独特の読後感に繋がってるのかな…と思った 裁判のパートは飽きるかなと思ったけどそうでもなくて、全体的に面白かった

Posted byブクログ