災厄の町 新訳版 の商品レビュー
エラリー クイーン作品のなかでも話の展開が大きくてスピード感がありリズムよく読める一冊だった。 トリック・犯人共に最後までわからなくて焦らしに焦らされた。なんとなく国名シリーズ内のエラリークイーンよりもアクティブな印象を受けた。ちょっと恋愛要素が強めだったのが意外。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった。クイーンは旧訳のドルリー・レーンものを四苦八苦しながら読んで以来なので、新訳の読みやすさに感動しながら読んだ。 エラリイが偽名で滞在するライツヴィルで、借りた家の持ち主の家族の中で計画殺人が??という話だけど、クイーンらしくとてもフェアだし、手がかりは全て読者に示されていて、そこそこミステリ読んできた人なら、なんとなくの真相の大枠は掴めるのではないかなと思う。 本が梱包されていた件にしたって、エラリイには最終盤になってパットから聞かされるまでわからないけれど、読者にはもう最初から詳らかにされていたわけだし。 手紙にしても現在進行形のものではないだろう、とか、ジムが不在の三年のうちに誰か別の妻を持ったのでは、とか“姉”の正体だとか、察しはつくよね。“姉”殺しだって、この不可能性を見れば、読みなれた人ならすぐ真犯人にたどり着く。 でも、そこはそんなに問題じゃない。作者のクイーンは「ほらみなさん、作中のエラリイは知らなかったけど、みなさんには最初から明かしていたでしょう?」と言いたげで面白いけど、そこはそんなに問題じゃない。 私が読んでて面白かったのは、このフェアさもだけど、やはり、「ライツヴィルの町」自体が主人公と言えるこの町の物語。群衆のいやらしさ、陪審制の気味の悪さに圧倒されながら読んだ。 そして、クイーンが"パズル小説"から"人間ドラマ"に移行しようと買いたものと解説にあったけれど、それを目指しながら、やはりフェアな謎解きでもあるところ、さすがクイーンという感じで、おもしろい推理小説だった。すごくよかった。
Posted by
ライツヴィルシリーズ第一作。推理だけでなく小説として面白く、読み始めると止まらなくなる。訳も相変わらず読みやすくて助かる。真相はほぼ自分でも推理できた。傑作と言われるのも納得。
Posted by
クィンの長編で新訳版。読み易く古さを感じさせ無いストーリー。映画化もされており犯人の目星がつきやすい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
殺人は一件だけで、しかも百ページを超えてもまだ起きない。トリックも軽量級で、迂生でさえ最初の手紙の下りで、ほぼこの先の展開が読めてしまった。そんなわけで「エラリー・クインの最高傑作」てな惹句に惹かれて、緻密過ぎる謎解きや、凝りまくったトリックを期待すると当てが外れる。巻末の解説に依ると、本作はエラリー・クインが所謂パズラーに一種の行き詰まりを感じていた時期の作らしい。なるほど。とは言え、読んでてすごく楽しかったのは事実。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本格推理と言うよりも、家庭小説と呼んだ方がいい作品ですね。 クイーンがこのライツヴィルの作品で変わったというのが、よくわかります。 勿論、小説の基本は推理だともいわれるわけですので、これだけの力量があるのは当然だったのだと思うのですが、離れてしまったがゆえにこれまで読まなかったことに大後悔です。 とても家庭的な悲劇な作品でした。読みごたえがありました!
Posted by
中学生のころ、エラリー・クイーンのいわゆる"国名シリーズ"をいくつか読んで、「エラリーってかっこいい…」と憧れていたことを思い出した。はっきりと「美形」として描かれていたのか覚えていないが、若く、長身?で、切れ者?で、そして鼻眼鏡だか縁なし眼鏡だかをしょっちゅ...
中学生のころ、エラリー・クイーンのいわゆる"国名シリーズ"をいくつか読んで、「エラリーってかっこいい…」と憧れていたことを思い出した。はっきりと「美形」として描かれていたのか覚えていないが、若く、長身?で、切れ者?で、そして鼻眼鏡だか縁なし眼鏡だかをしょっちゅう磨いていたような(眼鏡萌えだったのかもしれない)。あとなんといっても名前が素敵。エラリー・クイーン。説明が前後したが、これは20世紀アメリカの推理小説作家名=従兄弟同士の二人の共作のためのペンネームであり、作中の探偵役(ややこしいことに職業は推理小説作家)の人物の名前でもある。 それで急に、果たして探偵エラリー・クイーンはかっこいいのか、つまりそう書いてあるのか、そしていまの自分が読んでもかっこいいと思うのか、を確認したくなり、何を読もうか検討した結果、未読の中期の長編『災厄の町』(1942発表、訳:越前敏弥[2014])にしてみた。これは"ライツヴィルシリーズ"と呼ばれる作品群の第一作で、ライツヴィルというアメリカの架空の田舎町が舞台だ。 やはりはっきりと「美形」とは書いていなかった。というか容姿はおろか年齢も明らかでない。発表時点でもうじゅうぶん知られたキャラクターだったから、しかたない。でも、事件の関係者である若い娘とあれよあれよという間にいい感じになり、「あなたってハンサムだわ」と言われたりはしている(とはいえ出会う女性の誰もが多少の好意を寄せる、みたいな「モテ」感はない)。またあるときは「彼女は昨晩出かけましたよ、そしてマティーニを飲んだ。なぜわかるか?彼女とキスしたからです。――僕には僕のやり方があるんですよ」こんな感じだ。 いや、これはこれで、昔読んだときの印象とは違う…もうちょっと硬派だったような…。いろいろと世の言説を読むと、初期("国名シリーズ"も含まれる)と中期以降ではエラリー像が変化しているというのは定説のようだから、「昔憧れたエラリー探し」は改めて初期作品の再読によって行った方が良さそうだ。ということがわかった。 (あ、いま突然思い付いたけど、「昔憧れたエラリー」は、今ならオノナツメさんの【大きい人】絵がとても似合うイメージ!) 肝心の事件、謎解きに関しての感想は割愛。ネタバレせずにコメントするのが難しいという理由もあるが、世評のとおり、この作品は犯罪のトリックや推理手腕の見事さよりも、田舎町の名家に起こった凄惨な事件がその町の人々の人間性を剥き出しにする様子が、見所かなあと思う。
Posted by
ライツヴィルの名士の家で起こった毒殺事件。夫が資産家の妻を殺そうとしたという実に単純な、しかし考えてみれば奇怪な事件にエラリイ・クイーンが挑むミステリ。 事件が起こって以降のライツヴィルが本当に嫌です。まあミステリではありがちなんですがこういう閉鎖的な村だとか町だとか。疎外されて...
ライツヴィルの名士の家で起こった毒殺事件。夫が資産家の妻を殺そうとしたという実に単純な、しかし考えてみれば奇怪な事件にエラリイ・クイーンが挑むミステリ。 事件が起こって以降のライツヴィルが本当に嫌です。まあミステリではありがちなんですがこういう閉鎖的な村だとか町だとか。疎外されてしまうほうからすればたまったものじゃないなあ。そんな中でジムの無実を証明しようとするライト家の人々とエラリイ。とはいえ傍から見ればジムが犯人で全然おかしくない、むしろそれ以外にどんな真相があるというのか、と決めつけたくなる気持ちもわかりました。だからこそその事件の後で起こる悲劇と明かされる真相にはやりきれないものが。 わかってみれば手掛かりはいろいろあったのだけれど全然気づけなかった……登場人物のさまざまな発言の裏に隠された真実にも愕然。ものすごーくシンプルな謎だと思っていたけれど、これは解けません。完敗。
Posted by
・厄災の家がライツヴィルという田舎町に広がるミステリー。 ・女性記者ロバータが隠しているものは何? ローラが隠しているものは何?って思いながら読んだ。 ・ジムの証拠が揃いすぎてる気がしたが。それは。 ・498pあるけど400pすぎてもいったいだれが犯人なのか不明だった。 ・...
・厄災の家がライツヴィルという田舎町に広がるミステリー。 ・女性記者ロバータが隠しているものは何? ローラが隠しているものは何?って思いながら読んだ。 ・ジムの証拠が揃いすぎてる気がしたが。それは。 ・498pあるけど400pすぎてもいったいだれが犯人なのか不明だった。 ・時々参加している朝カフェ読書会でよんで紹介したら、懐かしい!!といわれた。有名なのね。でも新訳と旧訳では違うところあり、旧訳読んだ人はちょっと混乱するかもって解説あり。 ・ミステリー苦手かなって思ってたけど、楽しく読めた。 ・作者が作中に同名でててくるとことか。町の人の噂好きというかミーハーで流されやすいとことかみてて怖くなった。それが1940年代のアメリカなのかなぁ。全体主義的な町。 ・あの種明かしはわからん。 ・なんでジムはノーラとの最初の結婚のときいなくなったのか?なんで戻ってきたのか。 ・ちょっと設定が無理やり感ある。 ・お手伝いは何人だったんだろ。ジムは何歳くらいだったんだろ?書かれてたっけかな?
Posted by
bookmarkの書評で新訳がおすすめとあったので購入。 名作の新訳ということで期待して読んだけれど… これは2度目の方が楽しめるかもしれない。一度目はは物語がどの方向に向いているのか最後までわからないので退屈に感じる部分もある。
Posted by