営繕かるかや怪異譚 の商品レビュー
内容紹介 ◎亡くなった叔母から受け継いだ町屋。あるとき一人暮らしの私は気がつく。ふだんまったく使わない奥座敷に通じる障子が、何度閉めても――開いている。(「奥庭より」) ◎古色蒼然とした武家屋敷に住む母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」。最初は息子も嫁も孫娘も見えなかった。し...
内容紹介 ◎亡くなった叔母から受け継いだ町屋。あるとき一人暮らしの私は気がつく。ふだんまったく使わない奥座敷に通じる障子が、何度閉めても――開いている。(「奥庭より」) ◎古色蒼然とした武家屋敷に住む母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」。最初は息子も嫁も孫娘も見えなかった。しかし……。(「屋根裏に」) ◎袋小路の奥に建つ古屋を祖母から受け継いだ。ある雨の日、鈴の音とともに喪服姿の女性が隣家の玄関先に立っているのを見掛けた。一目で、見てはいけないものだと分かった。(「雨の鈴」) ◎亡くなった祖父の会計事務所を継ぐため、家族で郷里に帰った父。思春期真っ只中の真菜香は、何もかもが嫌だった。あるとき、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。(「異形のひと」) ほか全6篇を収録。 ※初出:「幽」(KADOKAWA)vol.015(2011年7月1日発売)、vol.016(2011年12月16日発売)vol.017(2012年7月2日発売)、vol.018(2012年12月17日発売)、 vol.019(2013年7月1日発売) vol.021(2014年7月4発売)に掲載。 【営繕】の意味 建造物の新築と修繕のこと。(三省堂『新明解国語辞典』第四版より) 一般的には模様替(リフォーム)なども含む。 【かるかや】の意味 山野に自生する多年草。葉はイネに似て、秋、ムギの穂に似た小さい花を葉のわきにつける。高さは1.5メートルくらいに達する。(三省堂『新明解国語辞典』第四版より) 内容(「BOOK」データベースより) この家には障りがある―住居にまつわる怪異を、営繕屋・尾端が、鮮やかに修繕する。心ふるわす恐怖と感動の物語。
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ホラーよりも怪談寄り。 原因を追及してなくして対峙してしまうような派手な話ではない。 もっと、身近な感じ。 背筋を冷たい指で撫でられるようなぞっとする描写が随所に入っていて、それでいて深刻でなく、小粒だけども読み応えのある短編集。 表紙の作者名や、各章の扉などちょっとしたデザインがにやりとできてとてもいい。
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