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営繕かるかや怪異譚 の商品レビュー

3.9

222件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

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  3. 3つ

    55

  4. 2つ

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2015/04/11

短編集です。ホラーです。 相も変わらずひたひたと異常が日常を侵食していく様が怖いです。 営繕屋という職業は耳慣れないものでしたが、お家の修理屋さんということなのですね。 なので話は全て様々な家が舞台のオムニバス形式になっています。 家とは即ち生活の場です。拠り所です。それが怪異と...

短編集です。ホラーです。 相も変わらずひたひたと異常が日常を侵食していく様が怖いです。 営繕屋という職業は耳慣れないものでしたが、お家の修理屋さんということなのですね。 なので話は全て様々な家が舞台のオムニバス形式になっています。 家とは即ち生活の場です。拠り所です。それが怪異という異物によって歪むということは、安らぎを得られる場所がないということです。逃げ場がない、とも言います。それはとても恐ろしいことです。 しかし怪異が起こるには理由があり、正しい対処を行えばそれは収まる。 どの話もその理由と対処が明確にされており、作中の恐怖は話の最後で必ず解消される。だからこそ途中の恐怖も安心して怖がって読むことができるのです。 恐怖が最後の「ああ、よかった」に変わる瞬間を求めて、私はホラーを読むのかもしれません。

Posted byブクログ

2014/12/27

古い家はその家の歴史を背負ってる。 一緒に生きていく。生活の場だから共に生きる。 大工の私の妹婿が験を担ぐ人なのも肌で感じているからだろう。是非お薦めしたいと思う。

Posted byブクログ

2014/12/26

 2012年、小野不由美さんの久々の新刊が一挙に2作刊行されたのは記憶に新しい。いずれも実録怪談的な怪談作品だったが、本作も怪談の短編集である。  全6編とも舞台は古い家。古い家には、ああ何かいる!何かいるうっ! お祓いでも呼ぶのかと思えば、解決するのは営繕屋の尾端。営繕屋とは...

 2012年、小野不由美さんの久々の新刊が一挙に2作刊行されたのは記憶に新しい。いずれも実録怪談的な怪談作品だったが、本作も怪談の短編集である。  全6編とも舞台は古い家。古い家には、ああ何かいる!何かいるうっ! お祓いでも呼ぶのかと思えば、解決するのは営繕屋の尾端。営繕屋とは、ちょっとした家屋の修繕を手がける商売。まったくの専門外のはずだが…。  「奥庭より」。叔母から受け継いだ家には、箪笥で塞がれた開かずの部屋が…。受け継ぐ前に怪しいと思わなかったのかいっ! 確かに閉めたのに。閉めたのにいぃぃぃぃ! 1編目から正統的な怪談っぽく、語り口に引き込まれる。  「屋根裏に」。タイトル通りです。母が訴える。屋根裏に。屋根裏にぃぃぃぃ! やがて娘にも…。本作の一押し「雨の鈴」。雨の日に現れる、喪服姿の女性。その正体は…。徐々に自宅に迫るが、引っ越す余裕はない。やり過ごす手段とは?  「異形のひと」。父の郷里に突然帰ることになった一家。田舎に馴染めない長女にだけ、それは見えた。悲しい背景に胸が詰まる。「潮満ちの井戸」。井戸でホラーといえばあの作品が思い浮かぶが、関係ありません。合理的な解と非合理な怪の融合はうまい。  最後にやや長い「檻の外」。子連れで郷里に戻ったものの、両親との折り合いが悪く、親戚に借りた古い家に住む女性。ガレージで相次ぐ怪現象の正体とは…。頼れるのはやんちゃしていた頃の仲間。ヤンキーは義理堅い。それにしても酷い両親だな…。  全6編とも、最終的に尾端が古い家に修繕を施す。彼に霊感はなさそうだが、その家の障りを取り除くためにどうすべきかはわかるらしい。怪異は止んだので、住人としてはまあいいかという感じだが、真相はわからず、読者はある意味置いてけぼりである。  結論を言うと、本作は大変面白い。謎が謎のままで終わる怪談の宿命を、いかにマイナスだと感じさせないか。このジャンルはかように難しく、奥が深い。小野不由美さんが優れた怪談の書き手であることは間違いない。

Posted byブクログ

2014/12/26

家にまつわる怪異を営繕屋が解決していくホラー短編6編。ホラーの苦手な俺にとっては「映像じゃなくてよかった」と思わざるを得ない程度には恐かったです。ただ、恐いだけではなくって前向きな結末には救われました。

Posted byブクログ

2014/12/22

静かな筆致で淡々と語られる住まいに関わる怪異譚が六編。じわりと冷たいものが沁み入ってくるような怖さのある怪談に、その解決がもたらす爽やかでしんみりとした読後感がよい。 とある城下町、自宅で起こる怪異に悩む住人たちは営繕屋さんに相談を持ち込む。霊能力者は出てこないし、謎解きや快刀乱...

静かな筆致で淡々と語られる住まいに関わる怪異譚が六編。じわりと冷たいものが沁み入ってくるような怖さのある怪談に、その解決がもたらす爽やかでしんみりとした読後感がよい。 とある城下町、自宅で起こる怪異に悩む住人たちは営繕屋さんに相談を持ち込む。霊能力者は出てこないし、謎解きや快刀乱麻の解決があるわけでもない。営繕屋は端役として登場し、起こっている現象を取り除くのではなく、住人が困らずに生活できる方法を提案する。 主人公はあくまでも住人たち。怪異が現れる過程や住人らの心情の変化がとても丁寧に描かれ、自分にも怪異が迫ってくるような感覚を覚える。 解決役がいるにも関わらず、その存在感は抑えられており、解決までを含めた一つの実話怪談であるかのような雰囲気が出ているのが面白い。このバランスが非常によくできている。 住居を題材としたことや、実話風怪談から少し飛び出しつつその雰囲気を残したような作り方は、前の作品『残穢』の次の試みとして狙ったものなのでしょうか。似たような題材で、さらに読み物としての面白さを追求したのかなと思うと興味深いです。 六編とも完成度高くそれぞれ味わいがあります。淡々とそこにあるだけの怪異から、脅威として危機感を感じるものまでありバリエーションも豊か。緊迫感ある「雨の鈴」が特に好みです。 まだ連載が続けられるようなので続編も楽しみにしています。

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2014/12/16

城下町に水路などなど、怪異が集まりやすいお家に住んでる人達が主人公。 で、その障りをサラッと改善していく営繕屋さん。 営繕かるかやの名が出ばってるのは題名だけww あとは、そっと登場して物語が終わる。 6つのお話しが載ってるから、落しどころも色々で楽しめるし、まだまだ『幽』ってい...

城下町に水路などなど、怪異が集まりやすいお家に住んでる人達が主人公。 で、その障りをサラッと改善していく営繕屋さん。 営繕かるかやの名が出ばってるのは題名だけww あとは、そっと登場して物語が終わる。 6つのお話しが載ってるから、落しどころも色々で楽しめるし、まだまだ『幽』っていう雑誌でこの物語を掲載中とのコト。 また続きが読めるんだぁーって思うと嬉しくなっちゃう☆

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2014/12/15

真冬の小野不由美。 くそ熱い電車の中でも不思議と肌寒い。 久しぶりの小野不由美。久しぶりの“怪談”。 でもただの怪談じゃ終わらないのが小野不由美。 いっそ怪談を語って“怪談”でなくしてしまう感じ。 いわゆる“怪談”というのは途中にある話なんだなあとわかる。 もっともっと読みた...

真冬の小野不由美。 くそ熱い電車の中でも不思議と肌寒い。 久しぶりの小野不由美。久しぶりの“怪談”。 でもただの怪談じゃ終わらないのが小野不由美。 いっそ怪談を語って“怪談”でなくしてしまう感じ。 いわゆる“怪談”というのは途中にある話なんだなあとわかる。 もっともっと読みたい。 タイトルを持っていった営繕かるかや、 がほぼ出オチ。

Posted byブクログ

2014/12/14

小野主上のホラー新作。 短編なのでさらりと読み易く、ゴーストハントや残穢と比べたらそこまで怖くはないかな。 とか思ってたけど、怪異の起こる場所が家という身近すぎるものなので、夜になるとじわじわ怖さが効いてくる感じです。家が路殺になってないか確認した人絶対多いと思うよ!夜に冷蔵庫開...

小野主上のホラー新作。 短編なのでさらりと読み易く、ゴーストハントや残穢と比べたらそこまで怖くはないかな。 とか思ってたけど、怪異の起こる場所が家という身近すぎるものなので、夜になるとじわじわ怖さが効いてくる感じです。家が路殺になってないか確認した人絶対多いと思うよ!夜に冷蔵庫開けるのちょっと怖いよ! けど、怖いもの=悪いもの、と決めつけて家から追い出したり消し去ろうとするんじゃなくて、そこに残ってしまっている人の思念をくみとって、昔住んでた人と今住んでる人と両方に良い道を示してあげられるのがすごく素敵だなあ、と思った。 怖いと同居は嫌だけど、ちょっとの不思議と同居なら微笑ましいで済ませられる、と、思う。うん。 表紙イラストは「蟲師」の漆原さん、装丁はゴーストハントから引き続き祖父江さんと本編以外も豪華です。 祖父江さん、漆原さんの落ち着いたイラストに蛍光イエローぶっこんでくるなんてさすがのセンス。

Posted byブクログ

2014/12/14

「残穢」を書いたことで、怪談のその後、怪談を怪談でなくするための手立てまで描くことにしたのかなぁ?なんにせよ、事象があって結果がある。ブラックボックスはブラックボックスのまま、手段は提示してもそれが事象に対する救いであるかはわからないまま、淡々と始まり終わる。それがこの本の良さな...

「残穢」を書いたことで、怪談のその後、怪談を怪談でなくするための手立てまで描くことにしたのかなぁ?なんにせよ、事象があって結果がある。ブラックボックスはブラックボックスのまま、手段は提示してもそれが事象に対する救いであるかはわからないまま、淡々と始まり終わる。それがこの本の良さなんだろう、とは思いつつ、少し物足りなさも感じた。

Posted byブクログ

2014/12/07

祓うでもなく、見てみぬ振りをするでもなく。ただ、あるものがあるように。家に暮らす者が日常を営めるように。 障りの部分をどうすればいいのかを営繕屋の尾端が修繕する物語。 人に害を為そうとする所謂悪霊の類いは一切出てこず、そう言う意味ではホラー色は弱めかと。害を成すわけではないけど...

祓うでもなく、見てみぬ振りをするでもなく。ただ、あるものがあるように。家に暮らす者が日常を営めるように。 障りの部分をどうすればいいのかを営繕屋の尾端が修繕する物語。 人に害を為そうとする所謂悪霊の類いは一切出てこず、そう言う意味ではホラー色は弱めかと。害を成すわけではないけど、描写はそれなりにゾクッとする部分がありました。ただ最後には尾端の修繕で怪異は解決して、良かったなぁと何処か心暖まる終わり方が素敵です。

Posted byブクログ